これまで「ミルク」といえば、母乳か粉ミルクの選択肢しかありませんでした。しかし、今年の春に「液体ミルク」が解禁。『あさイチ』(NHK)では液体ミルクについての特集を放送し、大きな反響を呼んでいます。

液体ミルクで子育ての負担が軽減!


6月18日の同番組では、生後3カ月の娘を持つ女性の悩みをピックアップ。母乳と粉ミルクを併用し、時には搾乳も行っていました。しかし、睡眠時間が十分に確保できず精神的に辛い思いをすることに。

 

そこで、哺乳瓶に移し替えるだけで飲ませられる「液体ミルク」を使い始めます。赤ちゃんもすぐ泣き止むようになり、時短や手軽さからストレスが軽減。さらに仕事で忙しい夫や高齢で育児を手伝えない両親も、液体ミルクを使って積極的に授乳を行うようになりました。女性は「液体ミルクのおかげで精神的にも安定して、子育てを頑張れている」と笑顔で語っています。

 

液体ミルクに救われた女性は多く、「私も粉ミルクを作る手間の多さに悩まされてたけど、液体ミルクにしてから育児の負担が減りました」「粉ミルクの作り方を知らない夫や両親に、安心して預けることができるよね」などの意見が続出。出演者の博多大吉さんも「いいことづくめですね」と液体ミルクを絶賛していました。

液体ミルクの販売場所が急増中!


最近ようやく話題になってきた液体ミルクですが、欧米では40年以上前から液体ミルクがあったとのこと。日本では製品の衛生基準がなく、ニーズも把握できないため最近まで開発されませんでした。今年3月に解禁された際には知名度も低かったため、「赤ちゃんに害がないか不安」「本当に衛生面で問題ないのかな?」「誰も使ってないから買うのが恐い」など心配の声も。

 

しかし今回『あさイチ』で特集されたことにより、一気に話題性がアップ。ネット上では、「どんなものなのか使っている人の意見が知れて良かった」「使うのをためらってたけど、放送を見て買う勇気が出ました」と安心感を得た人が増加しています。

 

液体ミルクを元々愛用していた人からは、「周りのママ友におすすめしても誰も耳を貸してくれなかったのに、放送があってからすごく質問されるようになりました」「今まで液体ミルクに反対だった母が放送を見たらしく、使うことを勧められた」など感謝の声が。

 

人気が出始めた液体ミルクは、発売当初に比べて買える場所も増えました。スーパーやドラッグストアはもちろん、一部の駅の売店や遊園地など様々な場所で取り扱いが始まっているようです。

フィンランドでの利用率は9割!


話題を集めている液体ミルクですが、実際にはどのくらい知名度があるのでしょうか? 江崎グリコ株式会社は、授乳中の子を持つ男女1000人を対象に「乳児用液体ミルクに関する調査」を昨年実施。

 

「乳児用液体ミルクを知っていますか?」という質問に対して、「名前を聞いたことはあるがよく知らない」という回答が34.4%で最多となりました。ある程度知っていたり、詳しく知っている人は31.3%。存在自体を知っている人は65.7%と過半数に及びましたが、残りの人たちはまだ知りませんでした。また液体ミルクを知る経緯としては、テレビ番組やインターネットの記事など“メディア報道”を通じて知るケースが多いようです。

 

持ち運びに便利でお湯が不要なため外出時や緊急時、さらには災害時にも役立つ液体ミルク。フィンランドは利用率が9割といったデータも出ています。将来的には日本の利用者も、海外のように高い割合を占めるかもしれませんね。

 

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文/河井奈津