小学生にスマホを持たせている家庭はまだ全体の半分以下だといわれますが、最近では、小学生では「ゲーム機」に関しては持っている子が過半数のようです。 でも、もしわが子にゲーム機を買い与えたら、はたして時間を守って使えるのか、はまりすぎて勉強がおろそかにならないのか、目が悪くなることはないのか、友だちとトラブルにならないのか…など、心配なことがたくさんあることと思います。

 

今回は、みんなの家では小学生の子供にゲーム機を持たせているのか、どのようなルールを決めているのか、守れなかった時はどうする…?などを、先輩ママの体験談もまじえて紹介します。

いま小学生はどのくらいゲームをしているのか


2018年に行われた小学生~50代の2000人へのアンケート結果によると、小学生107人のうち携帯ゲーム機を持っていたのは60.7%と、小学生の3人に2人がなんらかのゲーム機を持っていることが分かりました。

 

性別は明らかにされていませんが、おそらく女の子の方がやや所持率が低く、男の子では3人に2人よりもう少し割合が高くなるのではないかと思われます。

 

そうなると、クラスで仲良しの男の子4人で遊ぼうとなった時、3人の子がゲーム機を持っていて、1人の子だけが持っていない…という状況は容易に発生し得るでしょう。

 

そのため子供が「ゲーム機が欲しい」と言ったら、本当はあまり使ってほしくはないけれど、仲間に入れないことを心配して買い与えたというママ・パパもいることと思います。

小学生のゲーム、ルール作ってる?守ってる?


こちらは2011年のデータですが、内閣府が「子どもがゲーム機を持っている」と回答した保護者1,237人に家庭でのゲーム機の使い方にルールを設けているかを聞いたところ、小学生では70.3%がなんらかのルールを決めていることが分かりました。

 

そのうち最も多かったのが、「利用する時間を決めている」で61.0%、他に「利用する場所を決めている」「個人情報を漏らさないなど、守るべき利用マナーを決めている」などが挙げられました。

 

そのルールを守っているかという質問には、「守っている」と答えたのは小中学生の保護者で47.0%と約半数。半分の子は、ルール通りに遊べていないようです。 もしルールが守れなかったときに、ペナルティ(1週間使用禁止など)があるか、実際にそのペナルティは発動しているのか…については調査項目はありませんでしたが、先輩ママたちに聞いてみたところ、次のような答えが返ってきました。

 

「サンタさんとの約束で1日〇分と決まっていたので、基本的には守っていました」(Sさん・32歳・6歳の女の子のママ)

 

「実際にルールが守れなかったのは2~3回。約束通り一定期間取り上げましたよ。新しいソフトが出たばかりで、今日は友だちがみんなそれで遊ぶから出してくれと頼まれましたが、心を鬼にしてダメといいました。少しかわいそうかな…とは思いましたが」(Hさん・35歳・3年生と6歳の男の子のママ)

 

「内心、約束しても守れないだろうと思っていました。案の定、私が町内会で出かけている間、時間を過ぎてもゲームしていたことが分かったので、冷静にゲーム機を預かりましたよ。約束したんだから守るはず!と思って親の心の準備ができてないと、その分の怒りも上乗せで叱って子どもは泣いて…もっと修羅場になっていたと思います」(Uさん・42歳・4年生の男の子のママ)

 

「ゲーム機が欲しい」と小学生の子供に言われたら


2019年現在、小学生の女の子のママに聞くと、遊びの中心はゲーム機という子たちの方が少なく、低学年では公園の遊具で遊んだり、家でお絵かきや人形遊びをしていることも多いようです。

 

しかし男の子のママに聞くと、全学年を通じて外で走り回って遊ぶ子もまだ多い反面、もしゲームを持っていないと、ただ一緒にいるだけでまったく遊びが成立しないグループもあるとか。 そんな状況の中で、「ゲーム機が欲しい」と小学生の子に言われたら、親としてはどうしたらいいでしょうか?

 

ゲーム機を一切持たせないというのも家庭の考え方であり良い面もありますが、現実的に考えて持たせないのは難しいと判断することもあるでしょう。

 

そのような場合におすすめの対応や、どうすれば心配事を未然に防げるかのヒントを、同じく先輩ママの体験談から探してみました。

 

「ゲームそのものが欲しいのか、仲間に入りたいのか。ゲームがないと関われない相手と、本当に学校が終わった後でも一緒に遊びたいのか。考えてごらん。それでも欲しかったら買うことにしようと子どもに言いました。すると数日後、今はそこまでしてゲームは欲しくないと意外な答えが返ってきました。今後また気が変わるかもしれませんが、今のところ、ゲームなしでも遊べる相手が何人もいるようです」(Kさん・40歳・中学1年生の女の子と小学4年生の男の子のママ)

 

「子供に何分だったらいいと思う?と聞いて、20分と答えたので、ストップウォッチを持たせるようにしました。親がもう時間よ!と言うよりも、自分が責任者だという気持ちになるみたいです」(Fさん・37歳・3年生の女の子のママ)

 

「本体は夫とも話し合って誕生日に買ったのですが、小学生のうちは、ソフトは親と一緒に選ぶことと決めています。ゲームとひとことで言っても、脳トレや知育に近いものもあれば、残虐なものもあるので、親がたとえゲームに興味がなくても知っておくことが必要だなと思います」(Yさん・42歳・5年生と1年生の男の子のママ)

 

「休みの日には、夫も私もゆっくりしたい気持ちをぐっと抑え、何かひとつゲーム以外の遊びを子どもと一緒にやることにしました。セミ取りやボール投げ、バドミントン、物置から出してきた竹馬など。楽しいことはゲームだけ、という状態にさせたくなかったので」(Aさん・38歳・2年生の男の子のママ)

まとめ


インターネットやスマホ、ゲームなどは、これからますます私たちの生活と切り離せなくなってきます。 今すぐに買う買わないは別として、ママやパパは、子どもを取り巻くゲーム事情についてしっかりと知っておきたいですね。

 

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文/高谷みえこ

参考:内閣府「青少年のゲーム機等の利用環境実態調査」平成23年3月  

MMD研究所「音楽とゲーム機に関する調査」 https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1736.html