健康のために、ダイエットのために。何か運動を始めたい!と思っているママ達へ。 何か習いごとをする? いやいや、働くママにはそんなヒマはないのが現状…。 だからこそ、空いた時間に「サクっと」できるのが“時短ラン”。

時短ランとは、空き時間にママが片手間でできるランニング。 でも走るのって、ハードル高いのでは…?と思いきや、続けられるのは、実はコツ次第。 楽に、楽しく時短ランを続けるコツを元マラソンメダリストの市橋有里さんに聞きました。 今回の記事では、時短ランを始めるにあたっての基本について教えてもらいました。

 

特集INDEX

第1回 時短ランニング!サクッと走って健康管理

第2回 ランニングのストレッチは2種類ある【静的・動的】

第3回 初心者のための疲れにくい走り方【たったこれだけ!】

第4回 時短ランニングのウェア・アイテム選び!

  

走ってみようかな。と思ったら、それが始めどき!

「少しでも走ってみようかなという気持ちになったら、それが始めるチャンスです!」と市橋さん。 「走るのってハードルが高そう…という人も多いかと思いますが、初めから意気込んで高い目標を立ててしまうから、ハードルが高くなるんです。走ろうというよりは、まずは歩く延長線上くらいに思って、気軽に取り組んでみてほしいです!」

 

忙しいワーママ。さて、いつ走る?

–––––時間がないワーママにとっては、運動する時間を捻出するのもひと苦労だったりしますが…。

「家の近所をまずは20分、と思えば気が楽ではないでしょうか。とはいえ、お子さんを連れて行かれないので、ご主人が帰宅した夜の時間帯や、家族がまだ寝静まっている早朝の時間帯はいかがでしょう。夜ランの場合は紫外線を浴びなくていいというメリットが、朝ランの場合は代謝が上がりやすいというメリットがありますよ」

 

最初は、歩くことから始めてみる

–––––歩くと思うと、少しは気が楽ですが…。とはいえ、普通に歩くのではダメですよね?

「普通に歩くよりも、少し早歩きをするといいかもしれません。所要時間にすると1kmを9分程度かけて歩くようなイメージです。それよりも早いと、ランニングとなっていくような目安ですね。慣れてきたら、最初はゆっくり歩いて最後にすーっとピッチをあげていくと、気持ちよく走ることができます」

 

距離は「こんなに少なくていいの?」ぐらいでOK

–––––距離的には、どれくらいを目指すべき?

「まずは1km歩いてみましょう。1kmって、以外と歩くとすぐです。ポイントは、なんだか距離をもう少し伸ばせそうかも…というところで、終わりにすること。少しずつ、歩くのに慣れ始めたら、走り始めてください。少しずつ距離を伸ばしていくようにすると、自信がついて楽しくなってきます。逆に、最初から『3

kmを目標に!』など頑張りすぎても、結局キツかった…とモチベーションが下がり、続かなくなってしまいます」

 

3日坊主でもいい!

–––––やっぱり、続けることが重要ですよね……?

「頻度としては、1週間に1回走れればいいです。それを続けることのほうが大切です。だから、3日坊主になってもいいんですよ。3日坊主がずっと続けば。途中、間が空いてしまった場合は、何か走るきっかけをつくるといいと思います。そうですね、走ったあとにはご褒美のデザートを食べられる、と自分で決めるのも、もしかしたらアリかもしれない。ぜひ、長期的に見て、『続ける』という意識を持って欲しいです」

 

 

時短ランの場合、走るのは「サクッと近所」!

–––––どこを走っていいのか、分かりません。

「ママの時短ランの場合は、サクッと走ることが目的なので、近所でコースを設定しましょう。ぐるっと回って帰ってこられるような、周回コースを決めるのがオススメです。例えば家とどこかのポイントを結んでみるといいですよ。ポイントとなるのは、どんな場所でもいいです。明日の朝のパンが買えるお気に入りのパン屋さんでもいいですし、少し距離のあるスーパーでもいいですね。公園が家の近くになくても、十分にコースを設定できると思いますよ」

ラン初心者は「足場」には注意を

–––––コース設定で、他に気をつけることは?

「初心者のかたは、できるだけ坂などがないコースがいいですね。まだ走るための筋肉が完成していないので、アップダウンがあるとキツくて続けるのがイヤになってしまう場合も。徐々に走ることに慣れてきたら、アップダウンのあるコースを設定してみてもいいかもしれません。アスファルトの道でも大丈夫です。逆に土のような足場の悪い道だと、初心者の人はケガをしやすかったりもします」

ちゃんと、続けたい。モチベーションをあげるコツ

「ランニングを始める、そして続けるにあたり、一番大事なのはモチベーション。いかにモチベーションを落とさないか、が続けられるカギとなります」

 

疲れたら、気持ちを切り替えて「じゃ歩こう」でいい

「いきなり最初から、頑張りすぎる人って結構多いと思います。走っているときに疲れたなと感じたら、歩いてもいいんです。歩くのを我慢して、無理に走ってケガをしてしまったら、せっかくのモチベーションも下がってしまいます」

 

「運動をする楽しさ」を体感する

「体を動かすことの気持ちよさは、他には代え難いものです。例えば、お風呂に入ってさっぱり気持ちいいという感覚があると思いますが、汗をかく気持ちよさは、それとは全く異なるもの。充実感も感じられるので、まずは運動の楽しさを存分に感じてみてください。それが『また走ろう』に繋がります」

 

ママなら、一人になる「ご褒美時間」ととらえる

「子どもができてからというもの、なかなか一人になる時間は少ないものです。走るという行為を通じて、一人の空間を存分に味わってください。子どものことが気に掛かるママも多いかと思いますが、近所を1km歩くなら、たったの10分程度です。その間、パパが見てくれると思えば安心ですよね」

 

音楽を聴くため、というモチベーションもある

「走る際は、リズムに合わせたテンポのいい音楽を、ぜひセットで!音楽を聴く機会って、大人なればなるほど減っていく気がしますよね。あの音楽が聴きたい!というのも、分かりやすく走るモチベーションだったりします。音楽は自分が好きなものなら、どんなものでも。ただし、あまり音量を上げすぎると周りの音が聞こえなくなってしまい危ないので、ご注意くださいね」

 

体重が減らなくても「現状維持」していると思う

「続けるモチベーションとして、大きいのがダイエット効果。じつは、10km歩いても走っても、消費カロリーは変わりません。違うのは、筋肉への刺激。走るほうが筋肉に刺激を与えるので、代謝がいいカラダへと変化しやすくなります。最終的にウォーキングよりもランニングを目指したいのは、その理由があります。体重がなかなか落ちない…という場合もありますが、そんなときは『現状維持できている』とプラス思考に捉えましょう」

 

あとは、かわいいウエア!

「分かりやすいモチベーションアップは、なんといってもかわいいウエアですね。後で紹介しますが、最近ではかわいいのはもちろん、走りやすい工夫がされている機能も備わったウエアが多く登場していますよ」

 

 

市橋さんから、ママへのエール

「走ることの気持ち良さ、ぜひ体感して欲しいです。仕事に、家事に、育児に…働くママは、毎日忙しいですよね。そこに『走る』という、普段はしない行動を、週1でいいからしてみてください。新しい発見が、必ずあるはずです!ストレスを飲食で発散してしまうというママには、ぜひトライしてもらいたいです。走ったからなら、多少食べても飲んだも、罪悪感に感じないですから。私自身も、食べることやお酒が大好き。走った後にご褒美としていただくことも、ときにはいいと思うんですよ」

 

–––––あまり敷居高く考えすぎず、ちょっと始めてみようかな、となんだか思える気がします!

次回の記事では、走る際の効果的なストレッチ方法について伺いました。

 

PROFILE

ランニングアドバイザー・市橋有里さん

1977年生まれ。22歳で世界選手権セビリア大会にて銀メダルを獲得し、世界大会のマラソン種目では史上最年少のメダリストとなった。2000年シドニーオリンピックに出場。 東京マラソン2007で現役を引退し、現在はランニングアドバイザーとして活躍。ゲストランナーとしての活動や、子どものかけっこ教室などを主宰している。一方で、料理好きが高じて料理サイトの連載を担当するなど、活動の場を広げている。

取材・文/松崎愛香 撮影/斉藤純平