子供を授かると、新たな家族が迎えられる幸せな気持ちで満ち溢れますよね。一方で、生まれる前につらいつわりを経験しなくてはならないため、憂鬱な気持ちになる人もいることでしょう。

 

ニオイに敏感になったり、吐き気がしたりといろいろな症状が現れるため、何も食べられなくなってしまう妊婦さんも少なくありません。つわりが長引くとストレスを感じたり、気持ちが不安定になってしまうこともありますので、何とか少しでも楽になるよう、いろいろ工夫したいものですね。今回はつわりの症状はどんなものなのか、つわりはどのように乗り切れば良いのかなどをご紹介します。

つわりが起きる原因

つわりがなぜ起きるか、その原因が分かれば対処しやすいのですが、いまだにつわりが起きる原因はハッキリ解明されていません。

 

ただ、つわりが起きる原因として諸説ありますので、それを理解しておくと、対処するヒントにもつながるのではないでしょうか。

 

つわりはhCGといわれるヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンが、妊娠初期に胎盤から大量に分泌されることで、発生するといわれています。

 

hCGは子宮と受精卵を成長させる働きをしますが、甲状腺機能を高めるため嘔吐中枢を刺激することから、吐き気を催させてしまいます。

 

hCGの濃度が高いほどつわりが激しい傾向が見られますが、妊娠中期までには濃度が減少していくため、自然とつわりが収まってくるとされています。

 

また、妊娠するとビタミンB6や葉酸を赤ちゃんに運ぶため不足してしまい、代謝が悪くなることでつわりになるという説もあるようです。

 

他にも赤ちゃんがお腹に宿ると、自分の体が異物だと判断し、拒絶しようとしてつわりが起きるなどという説もあります。

 

つわりはいつまで続く?

つわりの期間は人によって異なるため、いつまで続くかは明確ではありません。個人差はありますが、一般的には妊娠5週目くらいからつわりが始まり、8週目から10週目がピークとされています。

 

胎盤ができあがる16週目くらいにはつわりも収まってきますが、人によっては妊娠中期や後期でもつわりが続くこともあります。

 

つわりがひどいと何も口にできなくなり、水分すら受け付けなくなる人もいます。一日だけならそれほど心配することはありませんが、何日も続くと脱水症状を起こし、尿の量が減って、濃くなってきます。

 

脱水症状になると血管がつまりやすくなったり、妊娠悪阻を引き起こす可能性もありますので、水分を受け付けなくなったり、体重が極端に減少する、嘔吐を繰り返し続けている場合などは、早めに受診するようにしましょう。

つわりの症状

つわりは妊娠した人の8割が経験するといわれていますが、その症状については人それぞれ異なります。

 

吐き気だけをつわりと思っている人も多いですが、それ以外の症状も現れますので、サインが出たらつわりだと思って、対処するようにしましょう。

 

ムカムカして気持ち悪くなり、吐き気を感じたり、実際に吐いてしまう症状は「吐きづわり」と呼ばれています。

 

「食べづわり」は、何も食べていない状況で胃が空っぽになると気持ち悪くなる症状が現れます。お腹がすくと気持ち悪くなるのは食べづわりといえるでしょう。

 

ニオイに敏感になり、これまで平気だったニオイに吐き気を感じるようになるのは、「ニオイづわり」です。

 

「よだれづわり」はいつもより多くよだれが出てきたり、うまくよだれを飲み込めない症状が表れます。

 

猛烈な睡魔に襲われたり、どれほど寝ても寝たりない症状は「寝づわり」といわれています。

 

これ以外にも体がだるい、頭痛が止まらない、偏食になった、すぐにイライラするなどの症状が現れるようです。

 

つわりの乗り越え方

吐き気が止まらないからといって、つわりが起きると何も食べなくなる人もいますが、つわりを悪化させるのは胃を空っぽにすることです。

 

吐きづわりでも食べづわりでも、とにかく少しでも胃にものを入れるようにし、症状を和らげるようにしましょう。

 

何も口にしない日が続くと、脱水症状を起こします。しかし脱水症状になると、よけいに吐き気や頭痛は悪化します。また、空腹になると血糖値が下がり、つわりを悪化させます。

 

たんぱく質を代謝するためのビタミンB6が不足していても、つわりがひどくなるといわれています。

 

少しでもつわりを楽にするためには、少しでも良いので水分補給をすることが大切です。吐いてしまう場合は塩分も不足しているので、スポーツ飲料や味噌汁などを口にするようにしましょう。

 

ニオイがすると食べられない人も多いですが、そんなときは食べ物や飲み物をしっかり冷やすとニオイがそれほど気にならなくなります。

 

また、クエン酸は胃のムカムカを抑える作用があるので、レモンやトマト、お酢などを少し含めると、さっぱりして口に入れやすくなります。

 

水分補給でも気持ち悪くなるという人は、ストローを活用しましょう。ストローを使うとニオイや味が感じにくくなります。

 

どうしても何も口に入れることができないという場合は、氷を口に含みましょう。口の中がすっきりすると同時に、少量ずつでも水分補給ができます。

まとめ

つわりのときは無理をしないように、リラックスすることと水分補給をすることだけを考えましょう。どうしてもつらいときは、病院に行ってアドバイスを受けるのもおすすめです。