子どもが悪いことをして叱っているとき、素直に非を認めて謝らず言い訳ばかりする態度に、怒ってしまうことはありませんか? ちゃんと「ごめんなさい」が言える子どもにしつけたい、とつい力が入ってしまうのもわかります。でもママたちに話を聞くと「言い訳をさせず追い詰めてしまったら、かえって逆効果だった」と言う声が。素直に謝ることを教えるには、どうしたらいいでしょう?
言い訳ばかりする子どもに対するママたちの工夫
言い訳を叱ることを辞める(優さん/37歳/会社員)
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6歳の息子は、叱っても言い訳ばかりして困っていました。兄弟喧嘩をすれば「だって、〇〇がいけないんだもん!」と弟を責め、お茶をこぼせば「お茶が勝手にこぼれた」と絶対に自分の非を認めようとしません。
あまりに言い訳ばかりするので「言い訳なんて聞きたくない! 素直に謝りなさい!」と、ついつい強く叱ってしまいました。すると状況はますます悪化。言い訳どころか、嘘に嘘を塗り重ねるようになってしまったのです。
「厳しくしつけないといけない」と思ったのですが、まったくの逆効果。言い訳を許さなかった結果、嘘をつくほど息子を追い詰めたことを猛省。それ以来、「言い訳すること」自体を叱るのはやめました。
いまは「〇〇すると、ママ悲しいな」と私の気持ちを伝える〝アイメッセージ〟にしたり、「次はこうしたらどうかな?」と正しい方向性をアドバイスしています。最終的には素直に謝れる子になってほしいですが、長い目で見守っていこうと思います。
思い切りほめるようにする(遥希さん/38歳/薬剤師)
7歳の娘は叱っても言い訳ばかりして、素直に「ごめんなさい」が言えない子です。女の子特有の口の達者さもあり、ペラペラと言い訳をする態度に私もついイライラして、感情的に怒ってしまうこともありました。
でも、気づいたことがあります。本当はダメなことをしたと「自分でも分かっている」のです。それは娘の表情や態度を見ればわかります。言い訳することも、実は本意ではないのだと思いました。
なので、言い訳すること自体はとがめないようにし、指摘したくても怒りたくてもグッと我慢。大切なのは、その後の娘の行動をよく見ること。同じ行動を繰り返さなかったら「ダメなことだ」と分かっている証拠です。
そして正しい行動ができたとき「これでもか」というほど、思いっきり褒めるようにしました。この繰り返しで、最近では少しずつ娘の言い訳も減り、態度もよくなってきたように感じます。
親が姿勢を見せ続ける(菜穂子さん/36歳/事務)
5歳の男の子ですが、成長とともに言い訳が目立つようになりました。先日、スーパーの商品を落として破損させてしまったことがありました。「気をつけて」と伝えていたにも関わらず、チョロチョロ動き回ったからです。
ところが叱っても言い訳ばかりで、お店に謝罪するときも謝ったのは私だけ。息子にも謝るように強く言ったものの、だんまりを決め込んでいました。その日の夜、夫にスーパーでの出来事を全部話しました。
夫も困惑しつつ「でも子どももきっと、悪いことをしたと分かってるはずだ。自分の言葉で言えるようになるには、時間がかかるのかもしれない。いまは言えなくても、親が謝る姿をしっかり見せ続けて、言えるようになるまで待とう」と。
「悪いことをしたら謝らなければならない」ということを、親自身が実践して見せ続けながら、息子にもその必要性を根気よく伝えていきたいと思っています。
子どもの気持ちに寄り添った対応を
苦し紛れの言い訳をするときは、子ども自身も「悪いことをした」とわかりつつ苦しい思いをしているようです。追い詰めすぎて〝逃げ場〟がなくなるような対処は、その場では謝れたとしても、長い目で見たら逆効果。子どもの様子をしっかり見極めつつ、親の姿勢を見せていくことが大切だと思います。
ライター:芦名 柚希
看護師ライターとして活動。優しいものの家事レベルが極めて低い夫と結婚後、現在は3人の子どもの母親業に奮闘中。女性の多い職場や、ママ友の世界にも身を置き、世間の厳しさを実感。ブレずに、自分らしく生きていきたいと思う今日この頃です。