脱毛した子供のイメージ

以前は脱毛といえば大人の女性だけのものでしたが、最近では男性、そして子ども向けの脱毛サロンのCMも多く見かけるようになりました。 でも、大人よりも柔らかく敏感な子どもの肌。安全に脱毛することは可能なのか、年齢はいつごろなら大丈夫なのか、皮膚科に行くべきか、自宅で脱毛クリームなどを使うことは可能か…など、気になっている人もいるかと思います。 今回は、子どもの脱毛について調べてみました。

 

気になりだしたのはいつから?子どもの脱毛って何歳から可能?


まずは、実際にお子さんの脱毛を意識したママに、その時のお子さんの年齢や状況を教えてもらいました。

 

「娘は4年生なのですが、小学校の体育の授業で、クラスの男の子にからかわれて、それ以来夏でもハイソックスしかはかないんです。敏感肌なので、シェーバーで剃るとカミソリ負けしそうで踏み出せず…かといって、脱色や除毛クリームも刺激が強そうですし、どうしたものかと思っています」(Tさん・40歳・2年生の女の子のママ)

 

「小学校1年生の娘がいます。私に似て腕や足の毛がかなり濃いので悩んでいます。実は、私自身も20代の頃にエステの脱毛に挑戦したのですが、結構痛かった記憶があり。皮膚が弱く痛さにも弱い娘には耐えられないと思うのですが、他の方法でも痛くないもの、皮膚にやさしいものってなかなかないですよね…」(Fさん・37歳・1年生の女の子のママ)

 

「小学校3年の息子、眉毛がつながっていて、マンガの登場人物のあだ名をつけられたり、笑われたりすることが多いんです。たまりかねてピンセットで抜いたことがあるのですが、眉間って痛いじゃないですか。大泣きするし、何度もやるのは親子ともに辛く、同じくらいの痛さならエステで永久脱毛できないのかなと思っています」(Sさん・35歳・3年生の男の子のママ)

 

早い子では幼稚園でも友達にからかわれたり、バレエなどの習いごとで比べっこする子がいたりするそうです。

 

からかわれる度合いと実際の体毛の濃さは必ずしも一致しないと思われますが、軽い気持ちでも言われた子はとても傷つきますよね。

 

しかし、「何とかしてあげたい」と思っても、ベストな方法が見つからないと悩んでいるママが多いようです。

 

自宅で剃る・抜く・クリームなどはNG?


一般的に体毛の処理をする方法には次のようなものがあります。

 

  • カミソリやシェーバーで剃る
  • ピンセットや毛抜きで抜く
  • 粘着タイプのシートで抜く
  • 脱毛器で抜く
  • クリームやフォームで溶かす
  • 脱色・ブリーチで目立たないようにする
  • 抑毛クリームで毛が生えにくくする
  • 皮膚科でレーザーなどを使って脱毛
  • エステサロンで脱毛

 

しかし、いずれも皮膚への刺激や痛みはゼロではなく、剃る場合は皮膚にキズが付く可能性があり、抜く場合は強い痛みや抜いた跡がポツポツ赤くなるなどの皮膚トラブルのおそれがあります。

 

除毛クリームの成分には、体毛の主成分である「タンパク質」を溶かす作用があり、同じくタンパク質でできている皮膚にもダメージを与えて肌荒れを起こす可能性があります。

 

そのため、中学生時以上・15歳以上など使用年齢制限がもうけられていることがほとんどです。

 

ただし、ごく一部には、体毛を溶かす成分を控えめに配合したり、シアバターなどの保湿成分を多く配合し「お子さまでも使用できます」と表示されたものがあります。

 

その場合でも、「肌の敏感なお子さまは使用しないでください」「パッチテストを行って下さい」と注意書きがあり、まったくリスクがないわけではありませんが、本当に悩んでいるときには、皮膚科の医師に相談の上、検討してみるのも1つの方法かもしれません。

 

脱毛用のカミソリ

 

皮膚科・美容皮膚科・サロンで子どもの脱毛は受付してくれる?


皮膚科では、「多毛」という症名で診察を受け、必要と認められれば脱毛処置を受けることができます。ただし、対応している皮膚科は限られています。また診察には健康保険が適用されるものの、処置には保険がききません。

 

美容皮膚科でも処置は自己負担ですが、効果の高い医療用レーザーの使用が可能で、万が一の皮膚トラブル時に医師がいれば治療がスムーズという利点があります。

 

エステサロンなどでは、いくつかの周波数のライトを照射して脱毛を行います。レーザーより刺激がマイルドで低価格なことが多いですが、出力が低く効き目が弱いこともあります。

 

子どもの脱毛コースを設けているエステサロンも多いですが、多くは「思春期以降のホルモンバランス変化や成長により、再び体毛が生える可能性があります」という点を了承しての施術になるようです。

 

また、皮膚科でもエステサロンでも、レーザーは色の黒いものに反応するため、プールなどで日焼けをすると施術できなくなります。また、あせもや虫刺されなどのトラブルがあるときも施術ができないため、夏場を中心に子どもらしい生活が制限されるというデメリットもあります。

 

最後に、各医療機関やエステサロンでの受け入れや施術の詳細はそれぞれの医院やサロンにより異なりますので、必ず直接確認するようにして下さい。

 

だけど…本当に脱毛は必要なのか


子どもにとって、体のことでからかわれたり、悪口を言われることはとてもつらいもの。

 

背が低い、肌の色など、簡単に変えられないことならともかく、体毛は大人も処理するものなので、できることなら今すぐに目立たなくしてあげたいという親心は誰もが理解できますね。

 

ただ、実際に体毛処理をするしないは別として、本来、誰かの体のことで馬鹿にしたり、いじめたりという行為は許されることではありません。

 

お子さんが体毛の処理で痛い思いをしたり皮膚のトラブルを起こしたりするのではなく、からかう方がやめるべきことなんです。

 

学校や園でからかわれた場合、まずは保育士さんや先生に相談し、「生まれついた体はそれぞれ宝物で、人と違うからといって笑いものにするのは恥ずかしいこと」と全体に話してもらえるようにしたいですね。

 

高学年では話題が出ることを本人が嫌がることもありますし、学年が低いほど認識を改めやすいと思われますので、もしお子さんが何か言われて傷ついている時は、ぜひ早い時期に学校に相談し、上手にフォローしてあげてほしいと思います。

 

まとめ


子どもが体毛の濃さで悩んでいる時、「自分も悩んだから、子どもには苦労させたくない」という思いと、「敏感な肌を痛めてまで見た目をよくする必要があるのか」という心配。 どちらも、親の気持ちとしてよく分かります。

 

今回紹介した方法それぞれのリスクをしっかりと踏まえ、効果とのバランスを考えて、お子さんにとってベストな方法を選べると良いですね。

 

文/高谷みえこ