普通の自転車と、電動アシスト自転車との違いは「バッテリー」の有無。初めての電動アシスト自転車を検討するときに、最も気になるのが「バッテリー」にまつわる疑問です。充電方法から適正な容量と走行距離、電気代のことまで、バッテリーのあらゆる疑問にお答えします!

取材協力/パナソニック サイクルテック 営業企画部 営業企画課 東裕介さん・ イオンバイク 営業本部 営業企画グループ 西山孝明さん  

 

 

Q.そもそも充電って、どこでどうやるの?

A.バッテリーだけ外して、家の中で専用充電器で充電します

 

電動アシスト自転車には、当然ですがバッテリーがついています。充電するときはバッテリーのロックを鍵で解除して外し、専用の充電器にセットして充電します。

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▲バッテリーはここについているのが一般的です

 

携帯やスマホと同様に、充電器をコンセントについないで家の中で充電できます。1回の充電にかかる時間は4~5時間くらい。寝る前に充電しておけば、朝には完了しているイメージです。



【バッテリー編】ph02バッテリー充電
▲バッテリーの充電時

 

 

Q.1回の充電でどのくらい走れる?

A.40~50km走れるものが主流です

 

バッテリーの容量は10Ah以下のものから、12Ah16Ahなどの数種類があります。容量が大きいものほど、走行距離は増えます。

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 ▲フル充電1回で可能な走行距離の比較

「標準的なモードで約50km」のタイプが主流ですが、バッテリーの容量が大きいものだと「省エネモードで約100km」ほど走れるものも。登り坂ではたくさんの電気を消費するので、坂が多い場所に住んでいるなら大容量のバッテリーが適していますが、容量が上がると金額も上がります。 「どうせなら大きい方が安心と、大容量を選ぶ方もいますが『実際にはもっと小さくてもよかった』という声も聞きます。家から保育園や職場までの距離や坂道の有無など、ライフスタイルや住環境に合わせて選部のがコツです」(イオンバイク/西山さん)

 

 

Q.「平らな道を1日10分」ほど走っています。適正なバッテリー容量は?

A.一番小さい容量でも大丈夫です

 

毎日自転車を使っていても、実際何kmくらいを走っているのかはよく分からないものですよね。下の表で時速と走行時間から、だいたいの距離を把握してください。

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 ▲バッテリー選びには走行距離の把握が肝心です

例えば時速10km15kmで毎日10分乗っているなら、走行距離は2kmほど。これならいちばん小さいバッテリーでも、週1回充電すれば十分な距離です。毎日30分以上乗ったり坂道が多いなら、小さいバッテリーだと週に数回の充電が必要になるイメージ。何度も充電するのが面倒なら、一番大きい16Ahのバッテリーを選ぶといいでしょう。

 

 

 

Q.電気代はいくらかかる? 頻繁に充電しないほうがいい?

A.1回の充電で電気代は10~20円、ひと月にしても100円程度

 

Woman of the smile having an electronic calculator
iStock.com/miya227

バッテリー充電にかかる電気代は、メーカーやバッテリーの容量によって多少の差があります。でも基本的には、空っぽの状態からフル充電しても、1回あたりの電気代は10円~20円くらい。週1回充電しても、1か月に100円もかかりません。 「以前のニッケル水素バッテリーの場合は『カラにならないと充電できない』と言われていましたが、いまのリチウムイオンバッテリーではそんなことはありません。まだ残っている状態から充電しても問題ないので、安心して自分のペースで充電してください」(パナソニック/東さん)

 

 

Q.走っている途中で充電が切れちゃったら動かないの?

A.充電切れしても普通の自転車と同じようにこげます

 

電動アシスト自転車は、あくまで「自力でペダルをこぐのを補助」してくれるもの。電気の力だけでは走りませんが、充電切したとしてもペダルをこげば普通に走れます。また充電があっても電源スイッチオフの状態なら、自力でこいで走ることができます。ただし普通の自転車に比べて車体自体の重さがあるので、そのぶんペダルも重く、こぐ力が必要です。

 

 

Q.時速何㎞くらいまで出るの? スピードの出過ぎが怖いです。

A.アシストするのは時速24㎞までだから安心です

 

電動アシスト自転車はペダルをこぐことでモーターが働き、こぐ力をアシストしてくれる仕組みです。こぎ出すときの力は車種によって異なりますが「時速15kmになるとモーターの力が弱まり、時速24kmでゼロにする」と決められています。 なので「勝手にグングン加速して、時速24㎞以上出てしまう」なんてことはないので、ご安心ください。逆に言えば、時速24km以上が出るのは、自力でペダルをこいでスピードを出したときだけです。

shoe on the bike pedal in front of bloomy sunny nature background
iStock.com/BrilliantEye

 

 

Q.バッテリーってどのくらいもつの?

A.3~5年で交換するのが一般的

 

一般的にバッテリーは700900回充電できますが、月日を重ねると劣化します。つまり300回しか充電していなくても、製造から長い年月が経っていれば劣化するというわけです。目安としては、フル充電してもすぐ電池切れになるようなら寿命です。 この場合は、バッテリーを買い替えて交換することになります。バッテリーの保証期間は一般的に3年ほどですが、通常の使用でバッテリー交換は3~5年が目安です。また、バッテリー本体の値段は、容量にもよりますが3~5万円程度です。

 

 

Q.電動自転車は雨に濡れても大丈夫?

A.生活防水機能があるのでOKです

 

row of bicycles on the street in rainy weather
iStock.com/ollikainen

電動アシスト自転車のバッテリーやモーターは、一般的な生活防水機能を備えているので雨に濡れても大丈夫です。屋根のない駐輪場などで雨水がかかっても即座に壊れるようなことはありませんが、屋外での保管にはカバーをかけておくのがおすすめです。ただし自転車が倒れた状態で、集中豪雨など大量の雨がかかったりすると、電気系統に異常をきたす場合があります。

 

 *次回③は「購入時のポイント」具体的なチェックや購入場所のQ&Aにお答えします!

 

 

ライター:田村みのり
会社員(人事・経理)を経てフリーライターに。年金組合の破たんで数百万円を失った経験から、分散投資の重要性を痛感。その後、教育資金・老後資金を貯めるために投資信託や株、純金積立などさまざまな財テクに挑戦してきた実績を持つ。女性誌やwebでマネーや教育、生活情報記事などを執筆。高校生、大学生の2児の母。