元妻と現妻が鉢合わせるとなれば、さぞ気まずい現場かと思いきや、マイク眞木さんの妻・眞木加奈子さんにとって、元妻の前田美波里さんは幼い頃からの憧れの人でした。初対面から24年、今では女子会を開き、マイクさんのグチを言い合う仲なんだそう。なんですか!その面白い関係は。
元妻は「憧れでしかなかった存在」

── マイク眞木さんの妻・加奈子さんは、元妻である前田美波里さんと、24年に渡って深い親交を結ばれているそうですね。一般的に「元妻」と「現妻」といえば、複雑な関係性を想像しますが…。
眞木さん:もともと私が美波里さんの大ファンだったんです。小学生のころ、資生堂のポスターに登場した美波里さんを見て、ものすごく衝撃を受けました。それまで女性モデルといえば、色白で華奢なイメージが強かったのに、美波里さんはとにかく力強くて格好よかった。「こんな日本人女性がいるんだ」と目を奪われて、それ以来ずっと憧れの人でした。
その後、息子の眞木蔵人さんが10代で映画に出たときも、「美波里さんにそっくりな男の子が出てきた!」と思って、今度は蔵人さんのファンにもなってしまって(笑)。もちろん、美波里さんが以前マイクさんと結婚していたことも知っていました。まさか、その何十年後かに自分がその元夫と結婚することになるなんて、夢にも思いませんでしたけど。
── 憧れの存在だった美波里さんと、結婚を機に思いがけない縁でつながった。初対面では、ご自身からかなり熱烈に思いを伝えたそうですね。
眞木さん:美波里さんが息子の千葉の家に遊びに来ることがあると聞いて、「今度いらっしゃるなら、ぜひ私も会わせて!」と蔵人に頼んだんです。実際にお会いして「昔からものすごいファンなんです」と伝えたんですけど、美波里さんは最初、よくある社交辞令だと思っていたみたいで。でも、それだけは絶対に誤解されたくなくて、20代の歌手時代に出していた私のLPを持っていきました。
当時、LPのプロフィール欄に身長や誕生日、スリーサイズなどを書くよう言われたんですが、私は「歌を歌いたくてここにいるのに、どうしてスリーサイズを書くんだろう」と抵抗があって。「それなら好きなものを書かせてください」とお願いして、好きな色や風景などを書いたんです。その中のひとつが「前田美波里さんの足」。筋肉質で引き締まった足が、本当に格好よくて大好きだったんですよ。そのLPを見せたら、美波里さんが「本当に昔からのファンなのね」と、わかってくださって一気に打ち解けました。
美波里さんとお酒飲みながら夫のグチ大会
── とはいえ、いくら昔からの憧れの人でも、相手は自分の夫の元妻です。嫉妬したり、複雑な気持ちになることはなかったんですか。
眞木さん:それが、本当にいっさいなかったんです。そもそも出会った時点で、おふたりが離婚されてから20年以上たっていましたし、私自身も離婚を経ての再婚。何より私にとって美波里さんは、「夫の元妻」というより、小学生のころからずっと「憧れてきた人」だったんです。しかも実際にお会いしたら、お酒好き同士ですぐに意気投合して。それ以来24年間、毎年、お正月には一緒にお酒を飲み、主人抜きで旅行にも出かける仲です。
── マイクさんの昔を知る美波里さんだからこそ、話が通じることもありそうです。どんな話で盛り上がるんですか。
眞木さん:主人はすごく優しい人なんですけど、とにかくマイペースで、家族ができても自分の生活リズムをほとんど変えない。外食や旅行にもあまり行きたがらなくて、自分で居心地のいい場所をつくって、そこで過ごすのが好きな人なんですよ。そういう話をすると、美波里さんが「本当に何にも変わってない。加奈子さんも大変ね」って。「そうなんです、ちっとも成長しないんです!」なんて、ふたりで主人のグチを言い合って(笑)。
美波里さんも若いころ、「どこにも連れて行ってくれない」と不満だったそうで、「そこも変わってないね」って、笑い合ったり。同じ男性に手を焼いた者同士、妙な連帯感も生まれていったのかもしれません。
「3人でテレビ出演」のオファーを断った理由

── 今では娘の花さんまで加わって、3人で食事に行くこともあるとか。マイクさんからすれば、恐怖の女子会ですね…。そんな3人の関係をどう受け止めているんですか。
眞木さん:「どうせ俺の悪口で盛り上がってるんだろ」と、思っているみたいです。でも嫌がるどころか、むしろ面白がっていて、ライブやテレビでも「最初の奥さんと今の奥さんがすごく仲がいいんだよ」とよく話すんです。お客さんがびっくりするのも面白いみたいですね。
以前、『徹子の部屋』から、主人と美波里さん、私の3人で出演してほしいというお話をいただいたこともありました。主人を真ん中にして、元妻と現妻が両側に座る。たしかに面白い構図ですよね。でも私は「申し訳ありませんが、出られません」と、お断りしました。
── そこまで親しい美波里さんとの関係を、3人並んでテレビで披露することだけは「絶対に嫌」だった。なぜ、そこまで拒んだのでしょうか。
眞木さん:主人が、ものすごく理解のある、いい人みたいに映るでしょう(笑)。当時は家族ができても自分のペースを崩さない主人に対して、私なりに言いたいことがありました。だから、元妻と現妻が仲良くしている姿まで、主人の「懐の深さ」のように見えてしまうのは癪だったんです。美波里さんと私の仲がいいことと、主人が「いい夫」かどうかは、また別の話。美波里さんとの24年は、私たち自身が築いてきた関係なんです。
取材・文:西尾英子 写真:眞木加奈子