親は自分を責めないで欲しい

── ご両親は森分さんがディスレクシアだということをご存じなのでしょうか?
森分さん:今は知っていますが、学生時代は成績のことで親と揉めたことが多かったです。
中学受験で希望の学校に進学できたことを親はとても喜んでくれました。期待に応えられたと嬉しく思う反面、中学高校で文字量が増えていき、進学校だったため成績はどんどん落ちていきました。高校はエスカレーターだったので受験せずに行けたのですが、中学を卒業するころには入学時よりも成績は下がっていましたね。
── ご両親は成績についてどのように言っていましたか?
森分さん:「高校には進学できたけれど、もっと努力をしないとこのままでは周囲からどんどん遅れていく。どうするつもりだ」と。でも、私は私なりに努力をしていて怠けていたわけではないし、塾にも行って勉強をがんばっていました。それでも親には怠けていると思われているだろうと考えると、それ以上どうしても相談することができませんでした。もしあのとき、ディスレクシアだとわかっていれば、親との関係がもう少し変わっていたのかもしれないと今でも思うことはあります。
── ディスレクシアが日本人の7〜8%の学習障害と考えると、親だから必ず認知しているとは限りませんよね。
森分さん:先ほどディスレクシアについて親に話したと言いましたが、理解しているのか、どう思っているのかはいまだに聞けていません。あまり深いところまで話すと、親は育て方や遺伝など、自分のせいだと思って責めてしまうのではないかという心配があります。でも、親に自分を責めてほしくはないのです。
同じように子どもの障害で悩んでいる保護者もいるかもしれませんが、大切なのは子どもの特性を受け入れて、環境や方法を整えてあげること。そうすればきっともっと生きやすくなっていくと思います。
取材・文:酒井明子 写真:森分啓太