艶っぽい声で披露する「関西弁あいうえお」がブレイクした現在の清水あいりさんからはまったく想像がつかないものの、多感な時期に心無い言葉や視線を浴びたことで、かつては自身の体を「最大の敵」とまで思っていたそう。胸の切除方法を真剣に検索するほど、心が病んでしまっていました。今でも、その気持ちは心に残っていると言います。

 自分の体が「敵」だとすら思っていた

清水あいり
学生の頃はみんなの目線が胸にくることが苦痛で仕方なかった

── 関西弁のセクシーなお笑いでブレイクした、グラビアアイドルの清水あいりさん。現在はバラエティ番組でも幅広く活躍していますが、かつてはご自身の胸を「最大の敵」と思い詰め、いっそ消し去りたいとまで思い悩んでいたそうですね。

 

清水さん:今でこそ仕事では「相棒」として一緒に頑張れている気持ちでいますが、20代前半までは「この気持ち悪い胸さえなければ」と思いつめ、切除する方法をネットで真剣に検索する日々でした。自分の体が敵のように思えて仕方なかった。それくらい根深いコンプレックスだったんです。

 

── その葛藤は、いつ頃から。

 

清水さん:小学4年生の頃から胸が成長し始めて、男の子たちの視線が気になるようになりました。高学年になってからはプールの授業はすべて見学。母親の筆跡をマネて「体調不良のため見学させていただきます」と連絡帳に自分で書いていました。とにかく誰にも自分の体を見られたくなかったんです。

 

中学校に上がるとさらに目立つようになり、体育の授業で走っていると、男の子たちが「ちょっと見ろよ」とひそひそ話をしているのが聞こえてきて。当時お付き合いしていた彼氏にすら「俺のクラスの友達があいりの胸のこと話してる。揺れるから学校では走らんといて」と言われました。お付き合いしていることを周りに内緒にしていたので、彼の友達は悪気なくそんな話を彼にしていたそう。でも、はしゃいだり走ったりするだけでも揺れてしまう。嫌でも胸に視線が向くのがわかるので、なるべく猫背で、走らないようにしていました。

 

それでも男子から胸のことに関する不愉快なメールが届くこともあって。「なんで私がこんな目に遭うんだろう」と思ううちに、自分の体そのものが悪いもの、いけないもののように感じられてきたんです。姿勢も普段から猫背になり、体育の授業中は、二つ結びにした長い髪の毛を両手で掴み、胸元に両手を固定して隠しながら走っていました。不自然な走り方をからかわれても、とにかく隠すことしか頭になかったんです。

 

── 多感な時期に周囲からの心ない言葉や視線を浴び続けるうちに、胸は「自分を否定するもの」に変わってしまった。

 

清水さん:子どもの頃から続けていた空手にも影響が出ました。空手では、突きを出した拳を素早く引き戻す「引き手」が大事なのですが、そのたびに拳が胸に当たるのが嫌で動きをためらってしまうんです。大きさも目立ってきて仲間からも変な目で見られているんじゃないかと、疑心暗鬼になってしまいました。

 

館長に対しても妙にツンツンした態度を取ってしまったり、無駄に攻撃的になったり。「男の人はみんなそうなんだ」と思い込み、疑いのフィルターをかけて接する癖がついてしまったんです。服装もなるべく露出の少ないものを選んでいました。

 

それでも、隠していれば傷つかずに済むわけではありません。高校時代、初めて働いたピザ屋で、店長に紹介された同年代の男性に挨拶した途端、胸を見るなり「でかっ!」と言われたんです。横にいた店長も止めずに、ニヤニヤしているだけ。真面目に挨拶しようとしていた私はショックを受け、しばらくは頑張って働きましたが、逃げるように辞めてしまいました。怒りを感じる以上に、「私は何も悪いことをしていないのに、なぜ逃げてしまったんだろう」と自分を責めてしまって。どうすればいいのかわからないまま、悶々としていました。