替え歌で「ハゲ」と毎日のように歌われた

あまもあみ
ウィッグでおしゃれを楽しむあまもさん

── あまもさん自身、周囲に髪の毛で悩んでいるところを見せなかったのでしょうか?

 

あまもさん:髪のことで心配をかけたくない気持ちがあり、泣き言を言うようなことはしませんでした。家族の前だけでなく学校でもそうで、かわいそうに見られないように、強い人間に見られるために、部活のキャプテンや応援団を率先してやるようにしていました。髪のことで悩んでくよくよしていると、きっと攻撃されてしまう。自分が周りを引っ張ったり応援したりする側になれば、攻撃もされないだろうと思いました。

 

── 髪のことでいじめられたことはなかったのでしょうか?

 

あまもさん:ありました。小学生のころはクラスの男子が、私の名前と「ハゲ」というワードを入れた替え歌を作ったこともありました。それを毎日みんなに聞こえるように歌うんです。相手はクラスの中心人物だったこともあり、教師も注意してくれず、つらかった記憶があります。高校生のときも部活でいじめられている子をかばったことで今度は自分が標的となり、ハゲだと言われ続けたことがありました。

 

── つらいことも多かったと思います。心の支えとなったことはありましたか?

 

あまもさん:つらいことがあっても、私には居場所だと思えるところがあって。それが美容室です。小さいころから美容室に連れて行ってあげたいという母の気持ちから、よく美容室のヘッドスパに連れて行かれました。

 

本来であれば髪の量が少ない私にできる施術は多くないと思うのですが、そこでは私の髪が少なくても他の人と変わらないように接してくれて、時間をかけてカットやシャンプー、ヘッドスパなどを丁寧にしてくれたんです。他の女の子と変わらないように接してくれることがすごく嬉しくて、私もみんなと変わらない女の子だと実感できて心の支えになっていました。

 

── そういう場所や人を見つけられたことは心強かったでしょうね。

 

あまもさん:この美容師さんに限らず、友人のなかには髪のことには触れず、ふつうに接してくれる人がいました。私自身、必要以上に特別扱いをしてほしいと思ったことはありません。他と変わらずにひとりの人間として対等に接してくれることが、私にとっては嬉しかったです。外見が周囲と違う人がいればとまどうこともあるかもしれませんが、普通に接してもらうことがみんなきっと嬉しいのではないかと思います。

 

取材・文:酒井明子 写真:あまもあみ