塾に行かないと受験は失敗確定?

学校では主体的な学習スタイルが導入されているものの、受験は旧態依然とした知識を問う問題が中心。そのミスマッチにより、学校の学習だけでは受験は成功しないのでは…という不安から、昨今は学校と塾を併用する子が多数派を占めています。

 

とはいえ、「塾に行かなくても受かる子」が一定数いるのも事実です。そんな子の共通点として、両方の塾が挙げるキーワードは「自律心」。湘南ゼミナールの神谷先生は「学校の授業のあと、自分の理解度を客観視して『今日はここを復習しよう』などと的確に計画を立てられる子なら、家庭学習でもいい」と話します。栄光ゼミナールの松田先生は「実際には、勉強を継続する力だけでなく、SNSやゲームなどさまざまな誘惑を断つ必要がありますよね。自律心をしっかり持たないと難しい」と分析。

 

いっぽうで「ひとりだとやる気が起きない」「自分なりに勉強しているが効果が出ない」などが当てはまる子は、塾通いで学習ペースをつくるのもいち案だそう。「きっかけや声かけがあると力を発揮しやすいお子様の場合、学習習慣やリズムをつくる『ペースメーカー』として塾を活用するのも効果的な選択肢です」(湘南ゼミナール・神谷先生)。

一気にやる気をゼロにする「親のひと言」

塾に行く場合も行かない場合も、親は「自分に何ができるのか」と悩むもの。実際、どんなサポートをするのがよいのでしょうか。

 

「絶対に言ってはダメな言葉があります。それは『ほらね』『だから言ったでしょ』。いかにもわかっていたふうな言葉を、子どもは猛烈に嫌がります。多くの親御さんは無意識で言ってしまうので、本当に気をつけてほしい。たった一度の言葉が、子どものやる気をゼロにしてしまうので。親御さんにお願いしたいのは、子どもにとって家を安らげる場所にすることです。塾で一生懸命勉強して帰ってきた子どもに『がんばったね』と共感し、おいしいごはんを出してあげてください。受験を終えた子たちが口をそろえて言うのは『朝昼晩の食事が本当にありがたかった』なんです」(湘南ゼミナール・神谷先生)。

 

「子どもたちにとって『自分がどんな状態でも帰れる家がある、ここに戻れば大丈夫』と思える場所があることが、いちばん大切だと思います」(栄光ゼミナール・髙尾先生)。

 

今回お話を伺った方

湘南ゼミナール 教材開発部 英語科責任者・神谷漠先生、教材開発部 国語科責任者・中河内孝先生。
栄光ゼミナール 高校入試責任者・松田裕太郎先生、高校入試英語科責任者・髙尾隼次郎先生。

 

取材・文:前島環夏