実母との同居も「どう接していいかわからず」

── 実のお母さんについても伺わせてください。父・清志さんは詩美さんの実のお母さん(父の1人目の妻)と3度も結婚・離婚をしています。詩美さんが物心がついたときには2回目の離婚後で父子家庭だったそうですが、詩美さんが小学4年生のときに両親が3度目の結婚(2回目の再婚)をされて一緒に生活することになりました。
しかも、お母さんは2度目の離婚後に別の方と再婚。3つ子をもうけた後に離婚をしていたところで、両親の3度目の結婚に伴い、3つ子とも一緒に暮らすことになったそうですね。
まず、詩美さんが3、4歳の頃以来、約6、7年一緒に暮らしていなかったお母さんですが、小学4年生のときに対面してすぐにお母さんだとわかりましたか?
林下さん:わかりました。家に母の写真があったので「あ、お母さんだ!」って。知らない人を見た感じではなかったです。もともと父から母について「俺とは別れたけど、お前らにとっては母親だ。お前らが嫌って思う必要はないから」と聞かされていたので、母に対してネガティブなイメージはなかったし、「お母さんが来てくれた!」って嬉しかったですね。3つ子たちともすぐに仲よくなりました。
ただ、それまで母がいない生活が当たり前だったので、「お母さん」という存在とどう接していいかわからなかったような気もします。両親が3度目の結婚をした後も、父が家事をしていたし、母に何かお願いごとをすることはなかったですね。父が出稼ぎで家を空けるときは上のきょうだいが家のことをやっていたので、ただ一緒の空間にいる感じというか。
私が中学に入学するときに奄美大島から愛知に引っ越すことになりましたが、その頃には両親が3度目の離婚。母と暮らしたのは2年ほどでした。
── 中学に入るとお父さんが2人目の妻、18歳年下の美奈子さんと結婚されます。当時、お父さんは46歳、美奈子さんは28歳。美奈子さんには5人の連れ子がいました。
子どもたちきょうだいが自立して家を出たり、父と美奈子さんの間にも子どもが誕生したりと時期によって子どもの人数も変わったそうですが、最大で13人の子どもが一緒に生活していたそうですね。思春期ですし、新しい家族が増えることについて、複雑な思いはなかったのでしょうか?
林下さん:私は特になかったですね。再婚相手についても「俺の奥さんになるけど、お前らのお母さんではないから」と聞かされていたので。私にとって母は1人ですし、「父の新しい奥さんだな」と思うくらいでした。当時は美奈子さんが28歳で私が13歳だったので、46歳の父より年齢が近く、お母さんというよりお姉ちゃんみたいな感じだったような気がします。