病院内にあるコンビニはまだ1割ほど
── 他のコンビニに先駆け、いまやホスピタルローソンは350店を超え、病院内シェア42%で随一の存在。課題はありますか?
村津さん:病院内にあるコンビニは他社さん含め約800店。対して、20人以上の患者さんを入院させる施設を有するものと定義される「病院」は、日本全国で約8000。そう考えると、コンビニがある病院は1割程度で、まだまだ足りていないのが実情です。経済合理性も考えると、大都市圏に偏りがちです。加えて、昨今は人件費や建築コストが高騰するなど、新たに出店する状況としては厳しいからこそ、テクノロジーを強化して、セルフレジなどによる省人化で人件費などを抑え、出店のハードルをさげる解決策を模索しています。
また、医療従事者は昼休み時間が決まっているので、なるべくレジでお待たせしないようにしたい。実際、手術時間がおしてしまって、ナースステーションから院内のコンビニへ移動する時間さえもないと話す方もいらっしゃいます。そうした方に向けて、現在試験導入を模索している宅配ロボで商品をお届けできればと考えています。
── ホスピタルローソンを続けていく意義は?
村津さん:立ち上げ時は「病院でのコンビニはうまくいくの?」と、懐疑的な声も少しはあったのですが、積極的に院内へ出店していくことで、病院の売店の価値を変えることができ、ひとつの売店から病院内のインフラとして、確立できたのではないかと自負があります。
病院内のローソンだとしても、多くの人は街中にあるローソンをイメージします。プレミアムロールケーキやサンドイッチや惣菜などを買い求めに来て、「これはないんだ」と思われるのは寂しいです。同じ商品ラインナップを心がけ、クリスマスケーキやおせち、ウナギの催事などの季節に合わせたフェアなど、できる限り街中にあるローソンと同様に行っています。非日常の中だからこそ、「ふだん通りの日常」を提供し、利用する方が少しでもリフレッシュやリラックスできる、病院の灯になればと考えています。
取材・文:西村智宏 写真:株式会社ローソン