50代からの挑戦「カギは小さく始めること」
── 専業主婦から自立したキャリアを夢見る人、現在の職場に不満がありつつやりたいことを見出せない「キャリア迷子」の人もいます。そうした状況を打破し、天職に巡りあうにはどうしたらいいでしょうか。
日高さん:私が社会に出たのは50歳を過ぎてから。一般的なサラリーマンからすると退職のことを考え始める年代ですが、長年、専業主婦をして社会経験がなかったため、年齢にとらわれず挑戦できたのだと思います。キャリア迷子の世代でもありますけど、ゼロからのスタートでしたから、キャリアの悩みやリスクなど感じなかったのでしょう。
でも人生何が起こるかわかりません。私の場合、借金問題や主人の看護に精神をすりへらしていたときはキャリアを踏み出していないことのほうがリスクでした。今考えれば、50代から好きなことに挑んだのは正解といえますね。
ただ、現実的に大きな挑戦は難しいもの。自分が興味のあることを、小さくてもいいから始めることが大切だと思います。すぐにキャリアに結びつかないかもしれませんが、まずトライしてみる。その際、ひとりでやるのではなく、社会的な環境を意識すべきでしょう。
たとえば、編み物に興味があるなら友人を集めてみんなで作ったり、編み物のスクールに通ったりしてみる。興味があって好きになったことは、自発的に学ぼうとするから自然と上達しますよね。そうした社会的な環境に身を置いていれば、仕事につながる可能性も高くなるんです。いざやってみると、自分に合わないことも出てくるでしょう。その経験も重要だと思います。「やっぱり、自分にはこっちのほうが向いているんだ」と、向き不向きを判断できるからです。
私自身、英語以外にやってみたいことがたくさんあり、実際にトライして、向き不向きを知る経験を何度もしています。たとえば、私の興味のひとつはパン作り。英語と同じく教室に足を運び、「将来、お店をやってもいいかな」というくらい勉強を重ねました。でも結局、断念することに。「パン作りは自分には向かない。趣味でいいや」となったんです。英語のほうが断然好きで仕事としての魅力も勝っていたわけです。