モノが増えすぎていたら認知症のサインかも

── 今までのお話を聞くと、ご自身だけでなくお子さんからの依頼もあるのですね。
ドイツさん:実はコロナ禍以降、お子さんからご実家の片づけを依頼されることが増えました。というのも、コロナ禍では両親に会いたくてもなかなか実家に帰れない時間が続きました。電話などで連絡はしていて両親の声に元気がないのはわかっていても、会いに行けないことも。それで久しぶりに実家に帰ると、親が認知症になっていて、家がゴミ屋敷になっていたというケースが増えました。
── それはお子さんもさぞかし驚いたでしょうね。
ドイツさん:認知症などになってしまうと食材を買ったことを忘れて何度も買ってしまうため、食べ物が家じゅうにあふれて家に異臭が漂っているということもよくあります。以前にコロナ禍でしばらく母親に会えなかった息子さんからの依頼で、家の片づけをしたことがありました。息子さんはきれい好きだった母親の家がゴミ屋敷のようになっていたことに非常に驚いていて…。実際に片づけをしているとタンスの中にはきれいに畳まれた衣服がしまってあり、息子さんから見た昔と今の母親のギャップはすごいのだろうなと、こちらも切ない気持ちになりました。
── 頻繁に会っていれば、もう少し早く変化に気づけたという悔いも残りますね。
ドイツさん:私自身も両親の様子をたまには見に帰ろうという教訓になりました。実家に帰って両親に変化がないか確認するのと同時に、片づけもするようにしています。年齢を重ねると片づけが億劫になるようで、私の実家もモノが多いです。賞味期限が切れていても気づかないのでそういうものを捨てたり、ひとつあればいいのにいくつもあるモノを減らしたりするようにしています。
「モノが増えすぎているのはもしかしたら認知症のサインかも」「部屋が昔より汚いけれど、体に変化があるのかもしれない」など、実家に帰って部屋の変化に気づくことで、両親の今の状態がわかることもあるかもしれません。
また、両親になにかあったら最後に片づけるのは自分です。そのためにも、できることは今のうちからしておきたいと思います。
取材・文:酒井明子 写真:ドイツみちこ