19歳年上の夫とふたりの子どもたちと暮らすイラストレーター、横峰沙弥香さん。最近、小学生の子どもたちの悩みに答える夫の発言に、数々の名言が散りばめられていることに気づいたそう。「なんでごほうびのためだけに頑張っちゃダメなの?」と痛いところを突く息子に、またも夫のナイスな切り返しが光ります!

大人だけ「頑張ったらごほうびもらえる」ってズルくない?

小学生の毎日ってなかなかに大変。最初のころは、学校から出された簡単な宿題をこなしてきちんと提出さえすればそれだけで褒められていたものです。ところが、学びの難易度が上がるにつれて、宿題などのタスクをこなすだけでなく「授業に遅れをとらないために」自宅でも学習する必要が出てきたり、好きで始めた習い事もただなんとなくやるわけにはいかなくなってきたり…。つまり、「自分で考えて自分で頑張る」という作業をしなければならなくなってきたわけです。

 

横峰さん連載第8回_漫画1
横峰さん連載第8回_漫画2

 

しかし目標のために一定のモチベーションを保ちながら努力を続けることは大人でも結構大変。そんなときにわかりやすい起爆剤が「ごほうび」ですが、ごほうびのために頑張るって正直どうなの?という疑問は育児界隈の永遠のテーマでもありますね。

 

まめ(息子の愛称)自身も漠然と「ごほうびのためだけに頑張るのはよくないことである」と思っているらしいのですが、じゃあ実際、何がいけないのか?が引っかかっていたようです。

 

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大人は目標もごほうびも全部「自分で」準備している

まめが日ごろ目にしている「頑張っている大人」はおもに私なわけで、当の私はといえば、こまめに自分のケアをしたり、目標達成のごほうびを設定したりしながら毎日の仕事やタスクをこなしている。イラストレーターという不安定な職業につきながら安定した生活をするためのお金を稼ぐには正直、かなり自分を律する必要があります。律するばかりではしんどいのが人間ですから、そこにちょっとした「ごほうび」をぶらさげることで気分よく頑張れるというもの。

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そのごほうびも、自分の稼ぎやおこづかいから相応なレベルのものを考えて決めるわけなので、夫の言い分としては「目標設定から自分へのごほうびの準備まで自力でできるようになったら、そういう頑張り方もアリだよ」というところがミソなんでしょうね。

 

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ただ、これは小学生には高度なテクニック。結果を出したければ、まず努力をすることが大前提ではありますが、「未来の自分のため」と100%納得してひたすら勉学に励むことができる小学生はごく少数でしょう。

 

頑張れば嬉しいことがあるかもしれない、いい結果につながるかもしれない。そんな意識の癖づけのためには、ごほうびだってアリなんじゃないかと考えている私です。

 

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PROFILE 横峰沙弥香さん

よこみね・さやか。イラストレーター。長崎県出身、1984年生まれ。2015年、第一子誕生を機に、長男「まめ(愛称)」との日常を絵日記にしてインスタグラムに投稿を開始する。2017年に長女「ゆめこ(愛称)」が誕生。著書に『まめ日記』(かんき出版)、『まめ日和』(光文社)、『ちんちんぼうずのだいぼうけん』(KADOKAWA)、電子書籍『へたのよこずき1・2』(主婦と生活社) などがある。