19歳年上の夫とふたりの子どもたちと暮らすイラストレーター、横峰沙弥香さん。最近、小学生の子どもたちの悩みに答える夫の発言に、数々の名言が散りばめられていることに気づいたそう。ビールがおいしいこの季節に、「どうして子どもはお酒を飲んじゃいけないの?」という息子の素朴な疑問。今宵も目からウロコの主張が炸裂します。

お酒を飲んで楽しそうな父母が羨ましい息子の「なぜ?」

バレバレかとは思いますが、私はお酒が大好き。子どもたちが小さかった時期こそ、それなりに飲酒は控えていましたが、最近は自宅で晩酌を楽しんだり、夫が家にいてくれる日は友人と一緒に外でお酒を飲むなんてこともできるようになりました。

 

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親がお酒を飲む姿を日常的に目にしているまめとゆめこ。パパとママが楽しそうで羨ましいと言いつつも、自分たち子どもはまだお酒を飲んではいけないことはしっかり理解しており、飲みたがることはおろか、誤ってアルコールに手を伸ばしたことすらありません。

 

とはいえ、なぜ成人しなければお酒を飲んではいけないのか、逆になぜ成人した途端にお酒を飲むことが許可されるのか。まめはそのあたりがどうしても気になってしまったようです。

 

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…が、私に質問したところで、一辺倒の答えしか返ってこないことに気づきはじめているまめ。当然、相談相手に選んだのは父親です。

 

体がまだでき上がっていないうちから飲酒をすると健康を害してしまい、成長するうえでさまざまな弊害が出てくるんだと、真面目に話す夫。「お酒は“神経毒”だもんね!」などと、『毒展』で得た知識を思い出して理解を深めるまめの姿にも成長を感じます。

飲みすぎはよくない…それでも好んで酒を飲む大人の事情とは

そこで夫がひと言。「そんなお酒をあえて摂取する理由ってなんだと思う?」

 

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そう、大人っていろいろ大変なんです。私も最初はお酒なんてちっともおいしいと思わなかった。泣きたいくらい大変な仕事を終えた日に連れていかれた居酒屋で飲んだビールのおいしさを初めて感じたときには、「あぁ、これか!」と思いましたもの。

 

お酒のおいしさは日々の責任と頑張りありき。そしてその緊張感をほぐして心を解放するための飲み物なのだと私は認識しています。

 

過度な摂取には代償が伴いますし、それを自分の責任でコントロールするという意味で「成人してから」という区切りがつけられているわけですね。

 

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そんな説明に納得したらしいまめ、自分もいつか何かを背負うのだと意気込んでいましたが、あえて背負って行かなくてもきっと何かしら背負わなければならないものは増えていくし、それに対して真摯に向き合っていればおいしいお酒が飲めると思う。飲まない人生もアリだし自分が楽しめる解消法が一番だよ。

 

私は引き続き「今日も仕事終わりの1杯が最高にうまい!」を目標に生きてゆきます。

 

PROFILE 横峰沙弥香さん

よこみね・さやか。イラストレーター。長崎県出身、1984年生まれ。2015年、第一子誕生を機に、長男「まめ(愛称)」との日常を絵日記にしてインスタグラムに投稿を開始する。2017年に長女「ゆめこ(愛称)」が誕生。著書に『まめ日記』(かんき出版)、『まめ日和』(光文社)、『ちんちんぼうずのだいぼうけん』(KADOKAWA)、電子書籍『へたのよこずき1・2』(主婦と生活社) などがある。