Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1に参加し、注目を浴びた蒼川愛さん。シングルマザーになって間もない頃、ひとり息子が指定難病であることが発覚。病気がわかるまでや治療での苦労、現在の状況を伺いました。(全4回中の2回)

見知らぬ女性からのひと言がきっかけに

── 現在、4歳の息子さんは過去に入院するほどの病気を経験されたそうですね。病気がわかったときのことを教えてください。

 

蒼川さん:きっかけは息子が1歳の頃に、スーパーで買い物をしていたときのことでした。この頃はまだ里帰りをしていて実家のある島根にいたのですが、知らない女性に「この子は肌が白すぎるけれど大丈夫?」と言われたんです。それまでもお昼寝から起きてもすぐに寝てしまうなど、1歳にしては活動量が少ないと感じることも。ただ、周りの友だちに出産した人がほとんどおらず、他の子どもと比べる機会がありませんでした。

 

そんなときにスーパーで「白くてかわいい」ではなく、「白すぎて大丈夫?」という言葉を受けてドキッとして…。家の近くのクリニックに連れて行って血液検査をしたんです。すると、ヘモグロビンの値がものすごく低く、貧血のような状態で。すぐに救急車で大きな病院に運ばれました。

 

── そのまま入院することに?

 

蒼川さん:そうです。最初の病院に行ったときは、ヘモグロビンの値が2g/dlととても低く、大きな病院で輸血することになりました。すると、正常値の12g/dlまで回復したので、いったん退院して、その後はしばらく通院で治療することになりました。その後も輸血をしても3〜4か月で数値が戻るということが続き、これは入院して根本的に治療をする必要があるということに。

 

息子の病気は、「赤芽球ろう(せきがきゅうろう)」という指定難病で、骨髄で赤血球をつくる力が低く、貧血になってしまう病気でした。原因はわかりません。医師からは、遺伝ではないので母親のせいではないと言われ、安心した記憶があります。

 

── 入院期間はどれくらいだったのでしょうか?

 

蒼川さん:1か月〜1か月半くらいだったと思います。治療方法はステロイド投与で息子はずっと点滴をしていたので、なかなか動けずかわいそうでした。入院中は息子にずっと付き添っていましたが、新型コロナウイルスが流行していた頃で、入院や面会にも制限が多かったので大変でした。母からの差し入れも途中から受け取れなくなったり、食事やお風呂などもスムーズにいかずかなり苦労して、私も精神的に参ってしまいました。仕事関係の人とも連絡が取りづらく、SNSも更新できないので、入院期間は仕事もお休みしていましたね。

 

今では病気を克服していっしょに旅行をすることも(Instagramより)
今では病気を克服していっしょに旅行をすることも(本人のInstagramより)

もっと早く気づけたらと自分を責めたことも

── 治療期間で特につらかったことはなんでしたか?

 

蒼川さん:退院後も服薬はしばらく続いていたのですが、入院中から副作用で顔がパンパンに膨れてしまう、いわゆるムーンフェイスになってしまいました。それが薬の量が減るまでだいぶ続いていたので、痛々しくてかわいそうで…。

 

言葉を話せないだけで、ずっと体がつらかったのかもしれないと思うと、もっと早く病気に気づいてあげられればと。そうしたらもっと前から治療を受けられたのに…と自分を責めましたね。

 

── 退院後もしばらくは通院が続いたのでしょうか?

 

蒼川さん:そうですね。息子の状態を見ながら、少しずつ薬の量を減らしていきました。減らしてもギリギリ数値が安定するラインを探りつつ、徐々に量を減らしていくんです。そのため、毎月の検査の前は、「今月は大丈夫かな?」といつもドキドキしていました。

 

息子が3歳になる頃に東京に出てきたのですが、その頃にはもう薬を飲まなくてもいい状態で経過観察になっていました。その後、医師にも「完治した」と言っていただけて、病院に行くこともなくなりました。4歳になったいまは元気すぎてびっくりしています(笑)。

 

親子で那須旅行へ!すっかり母の顔の蒼川さん(Instagramより)
親子で那須旅行へ!すっかり母の顔の蒼川さん(本人のInstagramより)

── 東京に来て、お子さんとの生活は変わりましたか?

 

蒼川さん:実家では母に手伝ってもらえましたが、今は頼れる人がなかなかいないので、息子の急な体調不良のときなどはやっぱり大変ですね。島根ではそういうときも車ですぐに病院に連れて行けましたが、東京では電車で移動したりと、スムーズにいかないことも多いです。

 

── 息子さんの病気を公表したことで、なにか反響はありましたか?

 

蒼川さん:私の体験談を読んで、自分の子どもも同じ症状で悩んでいたという方々からインスタなどのDMをいただきました。年齢は3歳や5歳などまちまちでしたが、公表したことがきっかけで力になれたのなら嬉しいですね。

 

3歳の誕生日をパウ・パトロールのケーキでお祝い(Instagramより)
3歳の誕生日をパウ・パトロールのケーキでお祝い(本人のInstagramより)

── お子さんには今後、どのように成長していってほしいですか?

 

蒼川さん:やりたいと思ったことには、躊躇せずにすべて挑戦してほしいです。今はネットで簡単に、いい情報だけでなく、悪い情報も得られる時代です。悪い情報に流されることなく、しっかり成長してくれたらいいなと思います。

 

PROFILE 蒼川 愛さん

1994年生まれ、島根県出身。インフルエンサー。Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1に、大学生で参加。初代バチェラーの心をつかみ話題に。4歳の息子を育てるシングルマザー。

取材・文/酒井明子 画像提供/蒼川 愛