「父親がお笑い芸人」ということで葛藤も

すっかりパパの顔に
すっかりパパの顔に

── 小島さんご夫婦が子育てしていくうえで大事にしたいなと思っていることはありますか?

 

小島さん:二人で話しているのは、「とにかくやさしくて思いやりのある子になってほしい」ということですね。「まっすぐに、前向きに育ってほしい」という願いもあります。

 

同時に、僕自身が、父親が選挙に6回出馬して6回落選したり、それを母が沖縄料理店を経営して支えたりと、両親が目標にチャレンジする姿を見て育ってきたので、そういう姿勢を僕も子どもに見せていきたいですね。「こうなってほしい」と思うだけじゃなくて行動でも伝えていけたらと思います。

 

── お笑い芸人の父親はいろいろと苦悩することもあると聞きます。小島さんも思うことはありますか?

 

小島さん:うちの子はおそらく、父親のせいでいじられる対象になる可能性が高いですから、父親がお笑い芸人である以上、メンタルの強さを養う必要があると思いますね。体育で水泳の授業のときに子どもが海パンを履くと、きっとまわりの方は息子の背景に僕が浮かんじゃうでしょうから。

 

息子は「そういう目で見られたくないな…」と感じる可能性もあるので、つらい思いを抱かせてしまうかもしれないと思うと、親としてはやっぱり考えちゃいますよね。

 

うちの子の「さだめ」といいますか、「心構え」とかを教えられるようにしたいなと思いますね。まだ現時点では「こうしよう!」とか具体的なことはないですけど、子どもとつねに会話をして、ちゃんと話せる関係性でいたいです。子どもからなんでも話をしてもらえるような父親を目指したいです。

 

おぱぴまるくんとお散歩
おぱぴまるくんとお散歩

──「お笑い芸人」という職業の父親が避けて通れないところがありそうですね。でも、小島さんを見てたくさんのお子さんが笑顔になっていますから、息子さんも小島さんのネタで笑ってくれそうですね。

 

小島さん:うーん、そこが実際自分の子どもとなると、多分違う感覚になると思うんですよ。家でずっと「ぴーや」とか言ってないですから(笑)。家にいるときと仕事のときと違う父親の顔で接することになりますし。そのあたりが自分にとっても初めての子育てですから、しっかり向き合っていかないといけないなと思います。

 

いつか子どもが分別つくようになってきたら、子どもにネタをみてもらってネタづくりをする日が来るかもしれません。内輪ウケになるかもしれませんが…そんなの関係ねえ!はい、おっぱっぴー!

 

すくすく大きくな〜れ!
すくすく大きくな〜れ!

 

PROFILE 小島よしおさん

1980年生まれ。沖縄県出身。出生後は千葉県で育つ。早稲田大学教育学部国語国文学科在学中より芸人としての活動をスタート。「そんなの関係ねぇ!」「はい、おっぱっぴー」などのギャグで2007年に大ブレーク。『ユーキャン新語・流行語大賞2007』にノミネートされるなど話題を集めた。現在は子供向けのライブを精力的にこなし、YouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」「ピーヤの休日【ピーヤTV】」なども人気。著書には、子どもの悩みに寄り添ったアドバイスが好評で書籍化された『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)他、『最強無敵の雑草たち(10歳から学ぶ 植物の生きる知恵)』(家の光協会)など。

取材・文/加藤文惠 画像提供/小島よしお