19歳年上の夫とふたりの子どもたちと暮らすイラストレーター、よこみねさやかさん。小学生の息子の悩みに答える夫の発言に、数々の名言が散りばめられていることに気づいたそう。子どもにありがちなお悩み「あの子に意地悪された…」に対しても、いきなりナナメ上からの回答!その驚くべき内容とは──。

「意地悪された」と落ち込む息子に夫は「それは意地悪じゃない」衝撃の理由は

子どもたちも成長し、悩みの内容も少しずつ高度になってきた。特に人間関係の話はこちらとしても悩ましい…わたし人間関係へたくそだから。わが家では、そんなときこそ夫の出番。いらない気を使って聞きたいことをうまく聞き出せない私とは違い、わが子の心をうまくほぐしながら話を聞き出すテクニックはさすが。センスの有無ももちろんのこと、私よりも19年長く人生経験を積んだだけあるなあと頼もしく感じます。

 

性格も考え方も人それぞれ。同じ人間はひとりとして存在しない以上、自分と相性の悪い人間は必ずいるものだから無理してつき合う必要はないのだと理解したのは大人になってから。

 

今でこそ「集団生活の中では程よい距離感とバランス感覚こそが大切で、みんなと仲良くするために疲弊する必要なんてないのだ」と割りきることができていますが、息子のまめと同じ小学校3年生の頃なんてまだまだ「ともだち100人」の呪い全盛期。人とうまく仲良くできないことで怒られたり、そんな自分はダメな人間なのだと落ち込んだりで毎日が忙しかった時期です。

 

ですから、まめが誰かから言われた心ない言葉に傷つき「学校を変えたい」などと言い出したときにもさほど驚きは感じませんでした。

 

そうなれば家族会議です。まめが今の状況でほんとうに苦しんでいるのであれば転校もやぶさかではないことは伝え、環境を変えるリスクを取ってでも避けるべき状況なのかを考えるため、誰にどんなことを言われてどう傷ついたのか、環境を変えることによってまめ自身にも新たなストレスが生まれる可能性もあるかもしれないがそこは大丈夫か…などなど、夫は細かくヒアリングしていました。

 

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そのあと出たのが、まさかの「それは本物の意地悪じゃない」発言。

 

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「本物の意地悪はこんなもんじゃない」と脅しにかかります。

 

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相手をとことん知った上で繰り出されるクリティカルな一撃。これは究極の愛情の裏返しということなのでしょうか…。

 

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逆に夫の過去が気になってハイボール片手に詳細を聞かせてもらいたい気持ちがむくむくと湧いてきますが、ここはグッとこらえて。

 

さらにまめから話を聞いていくと、最終的には「環境を変えるほどではないかもしれないから、もう少し様子を見る」「自分も人をイラつかせる言い方をしてしまうこともあるから、そこも反省しようと思う」などの言葉が飛び出し、いまでは過剰に関わらなければ雑談を楽しむ程度の関係性ですごせているらしい。あっぱれ夫。一辺倒な話しかできない自分には不可能な説明だと感じました。

トンチンカンな意地悪はむしろイノセント

言われてみれば、表立って悪いことをされているわけではないのに一緒にいると自尊心が削られていくような、ものすごく居心地の悪い人がいたけれど、その人も真の意地悪の使い手だったのかな…なんて私自身も数十年前を思い出したり。

 

逆に言うとトンチンカンな意地悪を言ってるうちはまだまだイノセントな状態、関係性の改善の余地はあるのかもしれないですね。人と関わるのが得意ではない私にはとても思い付かないアプローチ、さすが年の功だと心の中で拍手です。

 

もちろん対処法は自分や相手の性格によって代わってくるとは思うのでこれからもゆっくり話し合っていこうと思います。

 

PROFILE よこみねさやかさん

イラストレーター。長崎県出身、1984年生まれ。2015年、第一子誕生を機に、長男「まめ(愛称)」との日常を絵日記にしてインスタグラムに投稿を開始する。2017年に長女「ゆめこ(愛称)」が誕生。著書に『まめ日記』(かんき出版)、『まめ日和』(光文社)、『ちんちんぼうずのだいぼうけん』(KADOKAWA)、電子書籍『へたのよこずき1・2』(主婦と生活社) などがある。