離乳食が進まないと悩むママのイメージ

「ママの育児お悩みランキング」などで常に上位に挙がるのが、「赤ちゃんが離乳食を食べない」「量や食材が増えない」「次の段階に進めない」といった離乳食にまつわる困りごと。

 

特に、食べられる食材や固さ、1日の食事回数などが日に日に変わっていく生後6か月から9か月頃までの悩みが最も多いようです。

 

今回は、「離乳食が進まない」と悩むママたちに、困っているのはどのような点か聞き取り、先輩ママに「離乳食が進んだきっかけ」やアドバイスを教えてもらいました。

目次

離乳食の基本的な進め方。でもこの通りにいかない子が多数


以下は離乳食の基本的な進め方の一例です。

 

  • ゴックン期…10倍がゆ、すりつぶした野菜や魚などを最初は1日1回、1か月続けたら1日2回に増やす
  • モグモグ期…全がゆ(5倍がゆ)、舌でつぶせる固さの野菜や魚などを1日2回
  • カミカミ期…全がゆ、歯ぐきでつぶせる固さの野菜・魚・肉などを1日3回+おやつ

 

ただし、これはあくまでも目安です。

 

厚生労働省のデータによると、昭和60年には、10人に1人が生後3ヶ月、3人に1人が生後4か月で離乳食を始めていたそうです。

 

対して平成27年の調査結果では、生後3ヶ月で離乳食を始める子はゼロ。もっとも多いのが生後6か月で44.9%となっています。

 

昭和60年代に、生後5か月で「どうしよう、うちの子ぜんぜん離乳食が進まないわ」と悩んでいたママだって、現在で考えればまだ離乳食開始すらしていない子がたくさんいるのだから、まったく心配いらなかったということになりますよね。

 

検診や育児書の中では必ず「赤ちゃん1人1人のペースに合わせて進めましょう」と言われますし、順調に進まなくても心配いらないはずなのですが…昨日まで食べていたのに今日はいっさい食べようとしない、上の子はこの時期これだけ食べていたのに食べる量が少ないなど、実際には離乳食の悩みは尽きないようです。

 

離乳食にまつわるママたち悩み


さらに、アンケートでママたちから意見を募ってみると、離乳食での具体的な悩みがみえてきました。

 

赤ちゃんがおかゆや野菜など離乳食の味を嫌がる

「7か月、離乳食を始めて1か月ほど経ちますが、この月齢と体重の赤ちゃんにはこのくらい…と用意した量を食べきったことがありません。おかゆは口に入れてもべーっと吐き出す日がほとんど。最近は食べる前から首を振って拒否することも増えてきました。上の子はこの時期、喜んでおかゆを食べてたのでギャップが大きいです」(Yさん・33歳・3歳児と生後7か月児のママ)

 

「生後5か月からはじめて、今6か月ですがずっと1回食です。10倍がゆやかぼちゃのペースト、みそ汁に味噌を入れる前の野菜を裏ごししたものなど、特別な味付けもほとんどしていないのに、口に入れるとイヤそうな顔をして、たいてい2~3さじでぐずり出します。こんなんで2回食に進んでいいのでしょうか」(Sさん・31歳・6か月児のママ)

 

「8か月ですが、まだまだ母乳が好きなのか、離乳食はおいしそうに食べているのを見たことがなく、3さじも食べたらいい方。すぐに母乳を要求して泣き出します。ベビーフードも同じ反応。あと3ヶ月で復職ですが、その時期になってもこのままだったらどうしよう…とだんだん焦ってきた今日この頃です」(Kさん・32歳・2歳児と8か月児のママ)

 

「6か月から離乳食開始して、もう8か月終わりに近いのですが、食べられる食材があまり増えていないんです。口に入れるとしばらくモゴモゴしたら出してしまって。味というより、食感が苦手なものが多いのかもしれません。イモ類やバナナは大丈夫ですが、繊維質の野菜や魚がなかなか…ベビーフードのホワイトソースや、だしと片栗粉でとじるとなんとか食べる感じです」(Fさん・29歳・8か月児のママ)

 

日本での離乳食の基本はおかゆですが、赤ちゃんの中には、ねっとりはりつく食感がイヤな子、ツブツブ感が混じるのがイヤな子など、段階ごとに意外と好みが分かれるようです。

10倍がゆが嫌いでも5倍がゆは食べた、という話もママたちからよく聞くので、様子を見ながら固さを変えてみるのも一つの方法ですね。

 

離乳食を進める基準って何?


前述の調査で、「何を基準に離乳食を始めようと思ったか」という質問に対し、もっとも多かった答えは「月齢」(84.3%)で、ほとんどのママが「〇ヶ月になったら離乳食をスタートさせよう」と事前に考えていたことが分かります。

 

もちろんそれは正しいのですが、開始後の進み方は月齢どおりではなく、その子により大きく異なります。

次の段階に進むかどうかの目安は、食べる量や食材の種類より、「噛む能力」と、「消化能力」の2つが重要だといわれます。

 

「噛む力」は、最初は飲み込むだけだったのが口をもぐもぐさせるようになってきたり、さらに口の中の食べ物を舌で左右に送る動きがみられるようになってきたなど、口の動きの変化をみて判断できます。

 

「消化能力」は、排便の様子を見て判断します。

 

葉野菜など消化されにくいものは、多少ウンチに混じって未消化で出てくることもありますが、常に消化不良の様子が見られたり下痢を起こしたりしているようなら、胃腸の発達がゆっくり目の赤ちゃんだということ。周囲にとらわれず、今のステップをもう少し続ける方がいいと考えられます。

離乳食を食べない赤ちゃん

 

先輩ママに聞く!離乳食が進んだのはどんな時?


最後に、「なかなか離乳食が進まなかった」という先輩ママたちに、どこで次の段階に進んだのかを教えてもらいました。

 

「おかゆをあまり喜ばないので、スプーンを少し小さいものに変えたらすんなり50gくらい食べるようになったことがあります。今思うと、最初のスプーンは大きすぎたのかも?今も相変わらずムラはありますけど…、おかずも箸で食べさせると食べたり、試行錯誤しながら少しずつ量が増えていった感じでした」(Mさん・30歳・当時7か月児のママ)

 

「スプーンで食べものを口に入れられるのがあまり好きではないようでした。小さくカットしたバナナや砂糖のついていないコーンフレークなどをお皿に並べると一生懸命つまんで食べていたので、早めに手づかみ食べに移行しました」(Gさん・37歳・当時8か月児のママ)

 

「3人育てましたが、末っ子は6か月からずっと食事時になるとそばに来て、口をモグモグさせているのに、ペースト(裏ごし)や10倍がゆなど、液状のものをあげると嫌がるんですよね。家族と違うものを食べるのがイヤだったのかもしれません。8か月頃から、赤ちゃんせんべいやパンなどを少し渡すと口に入れて食べるのに、おかゆは相変わらず拒否。思いきっておかゆ寄りの軟飯をあげたらパクパク食べるようになったんです。誰にでもおすすめはしませんが(笑)特に下痢もせず元気に育ちましたよ」(Nさん・37歳・6歳児と3歳児と1歳児のママ)

 

「よくある話ですが…保育園に入ったらいやおうなしに食べるようになりました」(Kさん・28歳・当時11か月児のママ)

 

「生後5か月で開始から2か月、ほとんど何も食べたがらないし、口に入れても反応が薄く、ミルクを求めて泣くことばかりでした。でも、特に何も変わったことをしていないのに、2か月くらいで突然スイッチが入ったように食べ始めました。いま思うと、単に始めるのが早かったのでしょうね(笑)」(Aさん・28歳・当時7か月児のママ)

 

「娘は赤ちゃんの頃から離乳食を食べる量も少なく、小学生になった今も、あまり食に興味関心がない方です。私や夫はごく普通に食に興味があるつもりなのですが…。でも小柄ではありますが大きな病気もせず、運動も得意で丈夫ですよ。それに、2歳下の弟は食べるのが好きなので、これも個性かなと思っています」(Eさん・40歳・4年生の女の子と1年生の男の子のママ)

 

「離乳食を食べない」まとめ


結局「これさえすれば食べるようになる!」という魔法のような方法はないかもしれませんが、今回の記事も参考に「ダメもと」くらいの気持ちで試してみるのも良いと思います。

 

そして、ママやパパにできることをやってあげたら、あとはその子なりのペースがあるはず。

 

それがかなり周りの子や育児書とかけ離れていても、病的なものでない限り、できるだけ長い目で見守りたいですね。

 

文/高谷みえこ

参考:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」 

「平成 27 年度 乳幼児栄養調査結果の概要」 

WAKODO和光堂「わこちゃんカフェ 離乳食 進めかたの目安」