「収納のプロとして活動していると、たくさんの収納の相談を受けます」と話すのは、整理収納コンサルタントの瀧本真奈美さん。「実際に収納サービスにうかがったり、画像によってお悩みの場所を拝見していて、いくつか共通点があることに気づいた」といいます。そんな“片付かないあるある”と、その改善ポイントを教えてもらいました。
1.段ボール、空き箱、空き缶をとっておきがち
片付かない人の家からは、お菓子の空き缶、スニーカーの箱などの少し小さめの箱が必ず出てきます。そして必ず「何が入っているかわからない」とおっしゃいます。
中身を確認してみると、箱に対してものすごく小さなものが、ごくごくわずかに入っているパターンが多いんです。収納できているものはほんのわずかなのに、箱の面積分の収納スペースロス。これは本当に多く見られる傾向なので、ぜひ気をつけましょう。
大きい段ボールもよく見ます。引っ越しからついつい開けるまでに至らずそのまま。手放そうと思ってそのまま…といった状況で、部屋を圧迫していることが多いのです。
このほか、家電などの空き箱をとりあえず置いている人も。まずは、段ボール、空き箱、空き缶は中身を確認し、本当に必要なもの以外は早めに手放しましょう。
2.使う場所無視の“ごちゃまぜ収納”がスタンダード
「どうしてこれがこんな場所に!?」…という状況、“片付かないさん”のおうちで本当によく見かけます。
たとえば、お風呂用の洗剤がリビングにあったり、アイロンがキッチン背面にあったり…。本来使う場所ではないところや、使う場所から遠いところになぜか置いてあるのです。
また、一箇所に食べ物も衣類も日用品も本や書類もある…という具合で、何もかもがごちゃまぜのパターンが多く、どうにもならないと相談されるパターンも多数。
この問題解決のためには、使う目的や場所で収納するものを分類する「エリア分け」が必要なのですが、分類も難しいという声もよく聞きます。
難しい場合は、少しずつでいいので、まずは「使う場所の近くに」ものを動かしてみてください。そしてぜひ、「ここは〇〇系をしまう場所!」と断言できる状態を目指してみてくださいね。
3.食品がいたるところに散在している
このタイプが、いちばん多いかもしれません!
キッチン収納のあらゆるところから出した調味料や乾物、粉もの、お菓子などをすべて並べてみると、「こんなにあると思わなかった…」とどの人も必ずつぶやきます。そして必ず、賞味期限切れの食品が続出するんです。
これを予防するにはまず、収納場所をちょこちょこ変えないことと、必要な定数をおおよそでいいので知ることが大事。
- 調味料はおおよそどのくらいの期間で使いきるか
- お菓子はおおよそ入れているケースがどのくらいで空になるか
がわかれば、それに少し+αして買い物をすれば事足りるはず。把握できないほどのストックを持つ必要がなくなります。
いちばん避けたいのは「なんとなく買っておこう」という考え方です。なんとなく買ったものほど重複買いとなり、結果捨ててしまいます。
また、使いきりを意識して小分けの食品にしたり、使い切れるサイズの調味料と使い切れる種類を選ぶことも大切。使いきれないなら、お得だからといって大容量を選ばないことです!
4.買ったままの状態で放置しているものが多い
袋に入ったままの100均グッズや、値札が付いたままの服。未開封の家電など、買ったままの状態で置いてある状態を本当によく見かけます。
「片付いたら使おうと思っていた」「買ったのを忘れていた」など、反応はさまざまですが、買ったことで満足してしまっているパターンも多いよう。
これを防ぐには、買ったらすぐに袋や箱から出すことです。「また後で出そう」と思ってとりあえず収納場所にしまったら、忘れてしまうのは当然。
すぐに出せない場合は、目につく場所に置くなど、忘れないように工夫しましょう。
5.見直しなしの入れっぱなし収納
片付かないと困っている収納スペースの現状を拝見した際は、必ず「ここから減らせそうなものは?」と質問してみます。するとおおよそ「全部必要なものなので減らせません」という答えが返ってきます。
でもそのあと、一緒に全部中身を出して1つひとつ見直していくと、いらないものに気づいて手放すことができるようになるんですよね。収納の中を見直さず入れたままにしていた結果、不用品に気づけない人がいかに多いかがよくわかります。
ものが増えれば増えるほど中身を出して見直すのがめんどうになるので、早い段階から収納の乱れを整えつつ定期的に見直すこと。これに尽きます。
入れっぱなしを避け、できれば定期的に中のものを出して収納ケースの掃除もする。これができる程度にものの量をセーブすると、家事も断然ラクになりますよ。
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今回紹介した5つの“あるあるポイント”は、該当する数が多ければ多いほど片付けが難しい状況にあると言えます。改善するためにできることがあれば、小さなことでもかまわないので、ぜひ試してみてください。
文/瀧本真奈美