「インテリアを選んでも、雰囲気がちぐはぐになってしまう」そんな悩みはありませんか?先日マンションを購入し、初めてリフォームを経験したミニマリストのおふみさん。すっきり整った家づくりのための色の選び方について伺いました。
色の起点になるものを決める
これまで賃貸暮らしだったので、壁や床の色は与えられたものを受け入れて暮らすものという認識でいました(根っからのズボラゆえ、いつか引っ越すのにクッションフロアなどを貼るのも面倒で…)。
自分たちの意思で、面積が大きく一度施したら長年使うであろうものの色を決めていくのはドキドキしました。
部屋の色味は、面積の大きい順にベースカラー、メインカラー、アクセントカラーに分類されます。我が家のベースカラーである床の色は白系木目で、これはそのまま生かすことに決めていました。
また、畳ベッドという畳をタモ材のフレームで囲った小上がりのようなベッドをリビングに置く予定をしていました。この木部のナチュラルな色味をメインカラーにすることに。そして、10年以上使っているブルーグレーの色味の時計を飾ることも決めており、こちらをアクセントカラーにしようと思いました。と、こんな風に、この3つを色の起点にすると決めました。
理想のスタイルの名前を見つけよう
起点にするアイテムを決めても、方向性を決めないと他のアイテムを選んでいけません。
悩んだら立ち返るものとして理想の空間を見つけるために、まず好みのテイストを探りました。
InstagramやpinterestなどのSNSで、「livingroom」「bedroom」などのキーワードで検索し、好みの写真を見つけたら、投稿に貼られたタグをチェックします。
自分は和モダンというか、洋風に馴染む和風スタイルが好きなのですが、なんと検索すればいいのかわからずにいました。検索を繰り返してタグを見るうちに、「japandi」という言葉が好みのど真ん中だとわかりました。japandiとは、和風(Japanese)と北欧風(scandinavian)がミックスされたスタイルのことです。
この言葉に辿り着いてからは情報収集がグッとしやすくなりました。このタグをフォローして、こまめに検索することで好みのインテリアの画像と出会えるヒット率が上がりました。
そして「この空間にいたら心地よいだろうな」と思う画像をブックマークして、「落ち着いているけれど全体の印象は明るい空間」が好みだとわかりました。
ベースカラーを選ぶ
床が白系の木目なので、ベースカラーはホワイト系にまとめることにしました。
壁紙はこれまで賃貸だと白い壁率99%でしたが、自由に選べるとなるとかなり悩みました。何かをとっかかりにしないと判断を進めていけません。
畳ベッドという和テイストの家具を置くのもあり、少し和の雰囲気をプラスしたいと考え、真っ白の壁よりは少し落ち着いた雰囲気の凹凸感のある、ごく淡いグレーにしたいと考えました。
グレーにも暖色系と寒色系がありますが、畳部分や木部があたたかみのあるナチュラル色なので、馴染みやすいようにややキナリ寄りの明るいグレーに。これがぴったりフィットしました。床とほぼ同系統の色で、全体にホワイト系にまとまりました。
リビングの隣の仕事スペースはアクセントクロスとして色を変えることにしました。描いた絵をネットショップにあげるのにあたって、撮影用に色のある壁が一面でもあると絵になってよいと考えたためです。
この世には無数の色や柄の壁紙があり悩みましたが、アクセントカラーの起点となる時計から色をとって淡いブルーグレーにしました。仕事用の白いデスクとも調和し、気に入っています。
木目の色を知っておくと通販でも役立つ
部屋の中に同じ数の家具があっても、木目の色味がバラバラなのとそうでないのとを比較するとすっきり具合が違って見えます。色味を統一するだけでかなりすっきり見えます。
メインカラーは畳ベッドのタモ材の木部から展開して、家全体の木部は極力ナチュラルに統一することにしました。ダイニングテーブルも椅子もスツールも絵のフレームも、材質は違えど全てナチュラル色です。
「色がナチュラルと言っても色味が合わない」という悩みも耳にします。ナチュラルといってもいろんな材質があります。
タモ材(アッシュ)はややグレーっぽさを含んだナチュラル色ですし、オーク材はレッドオークだとやや赤みのあるナチュラルで、ホワイトオークだとやや青白さを感じさせるナチュラル、ブナ材は若干ピンクっぽい、など一言でナチュラルと言っても系統が異なります。もちろん個体差はありますし、経年変化で日焼けすると色味が変わります。(ナチュラル系のものは全体に色が深く飴色系になるものが多いです。)
「木目 材質 比較」などのキーワードで画像検索すると比較画像が見られるので、ぜひ参考にしてみてください。購入を検討している家具店に連絡すると木部サンプルを送ってくれる場合もあります。
また、自宅のダイニングテーブルといった面積の大きい家具は木部の色選びの起点になると思います。そのアイテムがどの材質なのかを知っていれば、新たに家具を買いたす場合にもの選びの指針になります。
できるだけ現物を見に行ければいいですが、家具を選ぶ時に必ずしも肉眼で見られるとは限らないですよね。通販で買う場面でも材質がわかると「イメージと違った」という事故が減らせると思うので、自分の好きな色味の木材を覚えておくのはおすすめです。
また、そのアイテムを持っている人がいないかInstagramなどで検索して、他の色との対比で色味を想定するということもしています。
一つでも自宅に同じアイテムがあれば、そのアイテムの色味との対比で検討しているものの色味がイメージできます。
決めることがたくさんで混乱しがちですが、こうして色の方向性をまとめてインテリアなどを選んでいき、すっきりしつつあたたかみのある自分達好みの空間を実現させられました。
毎朝起きてきて部屋を見渡すたび、好きな空間だなと感じて嬉しくなります。一番長く過ごす場所が自宅です。それが好みの空間なら、ただそこに居るだけで幸せな気持ちになれます。
PROFILE おふみ
整理収納アドバイザー1級のイラストレーター。夫婦ふたり暮らし。汚部屋状態から一念発起、2014年からミニマリストに。電子書籍『 ミニマリストおふみの好きなものとの身軽な暮らし 』(主婦と生活社)が発売中。
文・イラスト/おふみ 構成/阿部祐子