20代前半から東京と千葉で二拠点生活を送ってきた俳優の黒谷友香さん。25年以上たった今、振り返って思うことは?(全3回中の3回)

移住先への馴染み方

── 東京と千葉での二拠点生活を始めてから25年以上たちます。始めたときと今、変化は感じますか?

 

黒谷さん:私が千葉に来たときは、まだ二拠点生活という言葉すらほとんど聞かなかったような気がします。最近は、以前に比べて二拠点生活を視野に入れる人が増えてきたような印象がありますね。コロナ禍にリモートワークが普及したことで、地方での暮らしに注目する人が増えてきたのかもしれません。時代によって土地の価値観がどんどん変わってきていると感じます。

 

── 長年、二拠点生活を送ってきた経験から、改めて千葉と東京それぞれの魅力とは?

 

黒谷さん:東京はお店にいけばなんでも揃うし、最先端なものに触れる機会も多いです。私にとっては仕事に集中して頑張るところです。千葉は、乗馬や自然を満喫できるのが魅力です。

 

千葉の家で庭の雑草を抜いているとき、気がつくと作業に没頭しています。何も考えずひとつのことに集中する時間がすごく心地よくて、エネルギーチャージされた感じです。千葉と東京都の二拠点生活が、自分の中でのエネルギーチャージになっているのだと思います。

 

── 千葉への完全移住を考えることはありますか?

 

黒谷さん:仕事の拠点が東京なので、千葉への完全移住は考えていません。幸い、東京から千葉まで1時間半で、無理なく続けることができました。二拠点生活を考える場合は、頻度にもよりますが、無理なく通える範囲で考えるといいかもしれません。

 

黒谷友香

── 黒谷さんのように移住先に馴染める人もいますが、馴染めない人も少なくないのでしょうか。新しい環境に溶け込むために、意識したほうがいいことはありますか?

 

黒谷さん:引っ越し先の環境や地域に馴染めるかは、人それぞれだと思います。新しい地域に移住する前に、地元の人と交流してみるといいかもしれませんね。その地域に住んでいる人だからこそわかる魅力や、逆に気になることなどもわかると思います。

 

注意点としては、虫が苦手な人が田舎に移住する場合は、慎重に計画したほうがいいです。虫は家の中でも外でもどこにいってもいるので。また、自治体によっては二拠点生活を支援しているところもあります。最初から完全移住するのではなく、まずは試してみるのもいいと思います。

 

── 今後、パートナーができて一緒に住むことになった場合、二拠点生活は続けますか?

 

黒谷さん:どうでしょうね?昔から結婚願望がなく、まわりの友達も独身が多かったから、誰かと一緒に暮らすことは全然、考えたことがないですね。パートナーシップについては、ひとりでの生活も楽しいですが、誰かと一緒に生きていくのもいいですよね。お互いの好きなことをやりつつ、楽しいことを共有するのもいいと思います。