テレビ番組「王様のブランチ」のリポーターとして活躍し、現在は育児情報番組「すくすく子育て」で司会を務めている鈴木あきえさん。2児の母として子育てをする日々のなかで、チャイルドマインダーの資格を取りました。子どもとの向き合い方など、鈴木さんの子育て観を伺いました。（全4回中の4回）
人生の目標は「母親になること」だったけど
── 今、4歳と2歳のお子さんを育てているママでもあります。産後、チャイルドマインダーの資格取られたそうですが、何かきっかけがあったのでしょうか？
鈴木さん：昔から、私の人生のいちばんの目標は「母親になること」だったんです。きっと子どもが生まれたらさぞかし幸せな毎日を送れるんだろうなと夢見ていたんですね。
でも、実際に子どもを生んで育ててみると本当に難しくて。「こうやろう」という理想はあるんですが、その通りにはまったくいかず、つい怒ってしまって自己嫌悪になったりします。子どもと毎日過ごせてとても幸せですが、理想と現実が違いすぎて、だからこそ、悩みが尽きなかったんです。
チャイルドマインダー資格の勉強を始めたのは、息子が2歳、娘が0歳のときです。今も続けさせていただいているNHK Eテレで育児情報番組「すくすく子育て」の司会をしていました。そこで、さまざまな専門家の方にお会いし、「子育ての知識」を教わるなかで、子どもの心の動きや成長について詳しく知っていると親のかける言葉や行動が変わり、もっと育児を楽しめるはずと気づいたんです。
例えば、大人が見ればいたずらに思えることも、赤ちゃんにとっては実験であり、そのときの脳の動きは、科学者と同じ動きをしているんですよ、とある専門家の方がおっしゃっていたんです。その知識があると、親の子どもへの接し方が変わります。子どもがいたずらをしていても、温かく見守ることができます。もっと、子どもの心の動きをについて学んで知識を増やしたい、ママとしての自分も助けたいと思うようになり、チャイルドマインダーの資格を取ることにしたんです。
チャイルドマインダーは家庭的少人数保育のスペシャリストと言われています。子どもの発達や安全管理能力、健康管理能力、食育などさまざまなことを学ぶことができます。
資格の勉強をしたときは、子どもが小さくて大変な時期でしたけど興味のあることだったので頑張れました。しかも学んだ内容がすぐに生かすことができるのが良かったですね。
── 資格を取ってから子育てに変化はありましたか？
鈴木さん：親として心の余裕が全然違います。子どもの人権を尊重する意識が働くからだと思います。余裕がないと子どもに対して頭ごなしに怒ったり指示したりしがちですが、子どもは自分より下の人間ではなく、あくまでも共同生活者にすぎないですよね。私は子どもよりたった30年先に生まれただけなので。
子どもに指示するときも、「〜しなさい」と命令せずに、「〜してくれる？」というように、あくまで同等の立場としてお願いするように心がけています。そうすることで子どもとの関係がよくなり、子どもとの関わりをより楽しく感じられるようになりました。
子どものおかげで自分の夢も膨らんだ
── 子育てで疲れるときもあると思いますが、どのようにリフレッシュされていますか？
鈴木さん：ひとりの時間を持つことです。地方での仕事があり、毎週新幹線で移動をしているのですが、その時間があることがいいリフレッシュになっています。
育児中は、時間的にも精神的にもいつもギリギリなことが多いんですよね。たとえば、自分のキャパシティをコップに溜まった水に見立てたとき、もうあとちょっとであふれるっていう状態のときもあります。余裕がないといつか分量を超えてあふれてしまうので、ちょっとずつ気分転換やガス抜きをすることで日々バランスをとっています。
── お子さんと今後、やりたいことはありますか？
鈴木さん：子どもがいることで、私の夢もどんどん膨らんでいます。最近は子どもが英語に興味を持ち始めたので、私も英語を学びたい、短期留学なども楽しそうだなと思います。そして、いつか家族みんなで英語を話しながら海外に行くのが夢です。
子どもがいたからこそ出会えた人やモノがあり、子どもが人と人とを繋ぐパイプになってくれている。今は人生2周目を楽しませてもらっている感じなので、子どもの興味のあることを私も大切にして、いっしょに楽しんでいきたいですね。
PROFILE 鈴木あきえさん
1987年、東京都生まれ。2004年にグラビアでデビューし、2006年〜2017年まで「王様のブランチ」でリポーターを務める。現在は育児情報番組「すくすく子育て」の司会を務めながら、4歳と2歳の子育て中。
取材・文／酒井明子 画像提供／鈴木あきえ
