マルチタレントとして活躍しながら、10歳の息子さんとの日々をインスタグラムで発信している山田まりやさん。息子とのフィリピンの語学留学や、ヘアドネーション、育児で大切にしていることなどお話を伺いました。(全3回中の3回)

 

息子さんとは一緒に仕事をすることも

息子が生まれて生活が一変「何にでも挑戦するようになった」

── 結婚を決めたとき、周りの反応はいかがでしたか?

 

山田さん:特に反対されたり惜しまれたりはなかったです(笑)。もうグラビアは卒業して、テレビの仕事を頑張っているころで。年齢的に「結婚がしたい芸能人」というテーマで出演オファーをいただくこともあって、(もう結婚している立場だったら、こういうテーマで出なくてもすむのにな…)という思いが頭をよぎったというのはありましたね。

 

── 入籍したきっかけはありましたか。

 

山田さん:母と弟を養ってきて、弟が高校を卒業したので、もう結婚してもいいかなって、自分のなかでも決心がついたんです。事務所にマンションを用意してもらって母親と弟を連れて家を出てきたのが、弟の幼稚園の卒園式の日。そして入籍した3月5日は、私の28歳の誕生日だったのですが、偶然にも弟の高校の卒業式の日でもありました。

 

── 弟のお世話もひと段落して、区切りがついたのですね。その後、2012年に男児を出産されています。息子さんとはどのように接していますか。

 

山田さん:息子には、ピアノや体操など、本人がみずから通いたいという場所に通わせてあげています。私と離れても全然平気みたいで、子どもだけの合宿にも参加したりしています。息子のコミュニケーション能力を見ていて、家と学校と塾の往復だけの行動範囲ではもったいないって思ったんです。英語が話せれば、世界中どこでも生きていけるし、友達がつくれる。息子の夢ややりたいことをより大きく膨らませ、将来の選択肢を増やせるように経験値を増やしてあげたいと思っています。

 

山田まりやさんとお子さん
息子さんが赤ちゃんのころの親子ショット

── 今年の夏には、フィリピンのセブ島に親子で留学されています。それも、息子さんの可能性を広げるためでしょうか。

 

山田さん:息子が10歳になり、私も40代になったので、この先のことを考えたんです。日本にいると物があふれていて、贅沢をさせているつもりはなくても普通にiPhoneを使っていたり…そんな今の環境が当たり前になっている部分があると思うんです。

 

日本での常識が海外ではまったく考え方が違うこと、国や宗教や肌の色や愛についてなど、すべての価値観を知ったうえで本当の多様性について学び、他の人を受け入れて尊重できる器の大きな人間になってほしいし、自分自身もなりたいと思ったんです。私自身も若いころから、いろいろな世界を見てみたいと漠然と思っていました。そんな思いもあり、息子と一緒に留学しようと決断しました。

 

山田まりやさんとお子さん
親子で語学留学のためフィリピン・セブ島に滞在したときの一枚

── ちなみに、山田さんご自身はどれくらい語学に自信がありますか?

 

山田さん:最初は自分のプロデュース商品を英語で説明できるようになりたいなぁと思って挑んだのですが、文法が覚えられず…。単語とパッションのみで授業を受けて、笑いは取れるようになりました(笑)。これからも引き続き頑張ります。

 

息子もまだまだですが、言語以外で不安に感じていたあらゆることに対しても親子で協力し合い、絆が深まりました。約1か月弱フィリピンのセブ島生活を経験し、実際に気になっていたことがクリアになったのと、お友達もできたので、今後フィリピンに気軽に行ける生活ができればいいなと思っています。

初めて会う人にも友達のように接する母

── 息子さんが自分と似ていると思う点はどんなところでしょうか?

 

山田さん:人見知りをしないのは、私の影響が強いと思います。街中を息子と一緒に歩いていると、初めて会う人に「写真を撮ってください」とお声がけいただいた際に、私が普段のお友達と話す感じで喋るので、息子から毎回「今の知ってる人?」と聞かれるんです。「知らない人だよ」って答えるといつも驚いていますね(笑)。瞬発力や相手の人が話しやすい空気と状況をつくって、お会いしたことを喜んでいただくことの大切さは息子に伝えられていると思います。

 

── 芸能界での経験が子育てにも役立っているのですね。ほかに育児で気をつけていることはありますか?

 

山田さん:私がデビューしたのは15歳のときで、ありがたいことにすぐにスケジュール帳が真っ黒になるくらいたくさんのお仕事をさせていただきました。ですが、体調管理とメンタル管理がまったくできずに気力だけでのりきっていたしわ寄せが積もりに積もって、23歳のときに大きく体調を崩してしまったんです。

 

原因を調べるのと体質改善に時間とお金がかかってしまったので、息子には同じ経験はさせないように、食事と睡眠とメンタルケアについて説明し、自分を大切にすることで他人にも優しくできるゆとりが生まれるんだよ、と伝えています。

 

── 親子仲が良いのはインスタグラムを拝見していても伝わってきます。親子関係で大事にしていることはありますか?

 

山田さん:私自身が幼少期から家では緊張状態でリラックスできず、帰る家はあるけれど心が帰れる家がないと思っていたので、息子にとって家が最高にリラックスし、パワーチャージできる場所であってほしいと思っています。そのために外ではこれはダメだけど家ではいいよ、とメリハリをきちんとつけることを大切にしています。

 

── 気持ちの面で大事なことを教えているのですね。

 

山田さん:たまに街で不機嫌を撒き散らしてまわりを不愉快にする人っていますよね。たとえば、コンビニのレジで会計のときに投げ捨てるようにお金を払う人。タクシーの運転手さんやレストランの店員さんに偉そうに話す人。わざとピシャリとドアを閉めたり、ドスドス歩いて怒ってますアピールをする人。このような感謝の気持ちが持てない人にはならないようにしたいね、と話し合っています。

小5男子が「ヘアドネーション」決意した背景

── 素敵なお母さんですね。親子でボランティア活動もされていて、最近は息子さんがヘアドネーションに挑戦しました。きっかけはなんだったのですか?

 

山田さん:私自身がヘアドネーションの活動の意義を知って、2度ヘアドネーションに挑戦したんです。そんな折、息子と同年齢の男の子がヘアドネーションに挑戦している記事を新聞で読んで、息子が「男でもできるのなら、僕もやりたい」と言ってくれました。「中学になったら校則で髪を伸ばせないかもしれないから、今やりたい」ということで、すぐに伸ばすことにしました。

 

山田まりやさんのお子さん
ヘアドネーションのために伸ばしたサラサラのロングヘアを最近バッサリ切った息子さん

── 男の子が髪を伸ばすことに抵抗はなかったのでしょうか。小5くらいだと、言ってみたけどやっぱりやめたい…ということもありそうですが。

 

山田さん:31cm以上も伸ばせるかなぁ?と私も少し心配しました。学校のお友達にもオシャレのためではなくてと自分で理由を話さなくてはいけないし、体育の授業や通っている極真空手やバク転教室では動きにくくなるかもしれない。でも、「シャンプーも乾かすのも大変だし、何よりプレゼントするためには、綺麗に大切に伸ばさないといけないんだよ。できる?」と説明し、息子が理解したうえで伸ばしはじめたので、ブラッシングなども頑張っていて感動しました。

 

── お子さんには山田さんの思いがしっかり伝わっているのですね。とはいえ、まだまだ感情のコントロールが難しい年ごろだと思います。

 

山田さん:15歳のとき、当時所属していたイエローキャブの社長だった野田さんが、私を子ども扱いせずにきちんといろんな説明をしてくれたこと、信頼して期待してくれたことがすごくうれしかったんです。

 

感情のコントロールについては「ママも修行中なんだけどさぁ、『短気は損気』とはまさに、だよねー。自分の意見を聞いてほしいとき、人の心を動かしたいときは、絵本の『北風と太陽』のようなパターンもあるよねぇ。切り替え上手が生き方上手ってことかもね」といくつか例を出して、ユーモアを交えながら楽しく息子と意見交換会をしています(笑)。

 

私も自分の話を否定せず聞いてくれ、面白くしてくれる人にたくさん助けてもらってきたので、自分もそうありたいです。

 

── 今はその気持ちの切り替えが苦手な人も多いですよね。とくに育児に追われていると、心の余裕もなくなっていきます。

 

山田さん:育児や家事やお仕事で体は疲れても、心は少しでも軽やかに過ごしたいですよね。子どもも大人も、好きなことやものや人に出会えて、幸せホルモン・オキシトシンの分泌アップで人生を謳歌できるといいなと思います。

 

PROFILE 山田まりやさん

第1回 ミスヤングマガジングランプリを受賞後、1996年デビュー。グラビアアイドルとして活動を始める。以後、テレビのバラエティ番組、映画・舞台のほか、コメンテーターとして幅広く活動中。近年はボランティアなど支援活動にも取り組んでいる。

 

取材・文/池守りぜね 写真提供/山田まりや