ハイエース1台に収まる物量で暮らしているミニマリストのおふみさん。2.5次元俳優を推しているそうですが、自分のライフスタイルに無理なく続けられるよう「持続可能な推し活」を実践しています。推しのグッズの入手判断や整理方法の考え方について聞きました。
グッズは「流動的資産」として捉える
あくまで私個人の経験に基づいた要不要の判断であり、人それぞれ必要なものは違うので、自分に合った推し活をする上での事例のひとつとして見てもらえたらと思います。
グッズ類は永久に持つものではなく、この世の資産であって、一時的に我が家に滞在しているものだと捉えるようになりました。
言い換えると「フロー」、つまり流動的資産です。
公演期間が終わったら専用のペンライトはフリマアプリに出品し、次の後追いファンに使ってもらうために送り出します。
また、人の熱量は移ろいます。そのことに罪悪感を持たず、次の好きなものへ飛び移れるように、もう手元に残さなくていいと思ったものは次のファンに譲る気持ちでフリマアプリに出します。
推しキャラのグッズを自宅にまつるように飾る「祭壇」を作ったり、推しキャラのブロマイドや缶バッジなどをバッグにつける「痛バ」を作るために推しキャラのグッズを無限回収している方もいます。自分の手放したものが同じジャンル内の資産としてまた愛されるならとても嬉しいことです。
現場バッグは自分なりの最小限で
ちなみに、推しを表明する痛バには憧れがあるものの、私は出かけるときの荷物を最小限にして軽くしたいことから手を出さずにいます。普段のバッグに、推しチームのアクリルキーホルダーをひとつ持ち手につけるだけに絞っています。
また、私の推しコンテンツではリングライトという指輪状の光り物をつけて曲に合わせて腕を振り、推しへの愛を表明する文化があります。あなたのファンはたくさんいるよ、と伝えたいので、できる範囲でリングライトを指だけでなく手の甲や腕にもつけています。
そのライト類がけっこうな重さになるので、バッグ自体は極力軽いものを持つようにしています。
普段の最小限の荷物+ライト類+双眼鏡+推しキャラのぬいぐるみが現場の最小荷物です。ちなみにライト類は、リングとバングルそれぞれポーチに収まる分を上限としています。
ブラインド商品は追わない
グッズには中身がわかっているものと、開けてみるまで中身がわからないブラインド商品があります。
例えば、出演キャストのブロマイドやアクリルスタンドなどがあります。推しのグッズが欲しければ推しが出るまで引き続ける、もしくは交換をして手に入れる必要があります。
そこまでして手に入れたわりに、私の場合は公演期間が終わったら案外見返さないと気づきました。もちろんこれは私にとってnot for meなだけ。ブラインドという収益システムだからこそキャラクター全員のグッズを作ることができるなどメリットもあると思います。
ブラインドには手を出さないようにルールを決めたことで毎公演買うかどうか迷わなくなったので気が楽になりました。案外、判断コストが負担なのですよね。ルール決めが推し活を楽にしてくれました。
雑誌は検索性を重視、派生コンテンツは追える分だけ
かれこれ8年前からファッション誌は電子で読んでいますが、推しの出ているものは紙の雑誌を買います。
ファイルケース1箱分を上限とし、超えたら切り抜いてファイルに保管しています。表紙、推しの出ている記事、編集後記や他の人のインタビューで推しに言及していたら該当ページも切り抜きして、それ以外のページは手放します。
また、推しコンテンツのジャンルが盛り上がるにつれ、メディア展開が広がり、コミカライズや生配信など派生コンテンツが増えてきました。
すべてを追っていないとファンと名乗れない…と罪悪感を持っていましたが、社会人生活を送りながらの推し活なので時間やお金のリソースに限りがあります。自分の気持ちに正直に、見たいと思うものだけ追うことにしています。
「他人の推し活と比べない」「自分に合った推し活をする」。
このことを意識するようになって、楽しく推せるようになりました。どんな趣味も生活との共存が必要です。サスティナブルな推し活、おすすめです。
文・イラスト/おふみ 構成/阿部祐子