蒸れた足の臭いが気になる季節が到来。避難所で靴を脱いだとき、靴下の臭いが気になる場面に備えて警視庁警備部災害対策課がTwitterでアドバイスした「靴下の洗い方」が話題になりました。
たったこれだけで臭いが消える！？
警視庁警備部災害対策課（＠MPD_bousai）の投稿によると「裏返して洗うだけ」で臭いの原因である皮脂汚れが落ちやすくなり、普通に洗うより臭いが軽減されるとのこと。写真を使った説明では、靴下を裏返しながら脱ぐと手間が省け、そのまま洗濯機へ入れて洗濯し、裏返しのまま干すのが良いそう。
これに靴下専門店・Tabio靴下屋（@Tabio_JP）も反応し「コレはガチなので、皆さま覚えておいて下さい。あとTシャツも裏返しがいいですよ、干す時も。汚れもありますが、紫外線で色が褪せたり、プリントの劣化の原因となるので」とコメントしました。
靴下専門店・Tabio靴下屋さんに聞く！「靴下にまつわる雑学」
今回コメントが注目された、Tabio靴下屋さんのTwitter担当・1号さんと品質管理担当・笹井さんに、お話を伺いました。
── 裏返すだけで臭いが気になりにくくなるそうですね？今回コメントをなさったきっかけを教えてください。
1号さん：裏返して洗うことを意外と皆さん知らないようで、今回まさに警視庁さんがご紹介されていたのを知り、靴下屋としても常日頃お伝えしたいと思っていたことだったのでコメントしました。
笹井さん：靴下の臭いの原因は人間から出る皮脂が付着することにより起こるので、その皮脂を洗濯で落とすことで臭いの発生を抑えられます。外側の汚れのほうが目立ちがちなので、裏返す発想がなかったかもしれませんが、臭い対策としては効果的なのでぜひ裏返して洗濯してください。外側に付着した汚れがひどい場合は洗濯前にブラシなどで払って、粉洗剤を使って手洗いするときれいに落ちやすいですよ。
── 裏返して洗った後、干すときも裏返したままがいいのはなぜですか？
1号さん：紫外線にあたりすぎると生地が傷みやすく、プリントが割れたり、色があせたりしてしまいます。ですので、基本裏返して陰干しがおすすめです。乾燥機を使うのも実はあまりよくありません。
笹井さん：一番傷みやすいのは、洗濯機や乾燥機を回したときなんです。正面から見たとき靴下に縦の線が入ってしまっていること、ありませんか？生地が擦れあってできてしまうこの線も裏返すことで防げますよ。洗濯による傷みを防ぐため、さらに片方紛失問題を予防するためにも、洗濯ネットに入れて洗うというのも大事です。
── 靴下の素材によって臭くなりにくいものとかもあるのでしょうか？
笹井さん：これは靴と靴下の相性の問題でもあります。化学繊維の靴下やストッキングをはいてブーツで過ごすと、指の間に汗がこもったりしたこと、ないですか？サンダルなどであれば水蒸気を逃がす化学繊維と相性がいいのですが、熱がこもる履物だと水分も逃げず逆効果に。天然素材の生地は水分を吸収する特性があるので、肌が湿らずサラッとします。
1号さん：私たちがおすすめしているのは組み合わせた履き方、つまり素材の合わせ技です。指先だけ天然素材の靴下を履き、その上から化学繊維の靴下やストッキングを履くと蒸れにくくなります。それぞれの素材の特性を活かした靴下の履き方もぜひ知ってもらいたいですね。
──「指だけ」という靴下があるんですね？
1号さん：指先だけ履けるものを販売しています。また、親指だけの靴下というのも人気商品です。靴下の親指部分は比較的穴が開きやすいため、親指をカバーして靴下を履くことで穴が開くのを防ぎます。
笹井さん：靴下の穴が開く問題については爪の切り方で解決することもあります。切った後、やすりがけをするというひと手間で靴下の長持ちにつながりますので、ぜひやってみてください。
靴下の洗い方について今まで特別気にしたことがなかった人も今すぐやってみたくなるこの知識。臭いのことでお困りだった方は、ぜひ裏返して洗ってみてはいかがでしょうか？
取材・文／加藤文惠 画像提供／警視庁警備部災害対策課、Tabio靴下屋
