全国100店のミスドをめぐり、食べたドーナツは1000種類以上。しかも、店員として10年間アルバイトをした経歴を持つタレントの西田奈未さん。ミスドに捧げた愛は半端ではありません。

 

これは美味しいに決まっている!アイスをトッピングしたお気に入りのドーナツコラボ

衝撃の出合いは「ストロベリーリング」ドーナツだった

佐賀県にある西田奈未さんの地元にミスタードーナツが登場したのは2003年、小学校1年生のときでした。

 

「母に初めて買ってもらったのがストロベリーリング。当時の嬉しさや、きれいなピンク色のイチゴチョコレートのコーティング、甘酸っぱい美味しさは、いまでもよく覚えています。小学3年生のころに同級生にすすめられて、初めてポンデリングの存在を知り、モチモチ食感に感動しました」

 

ポンデリングを毎週ごほうびに買ってもらったり、お小遣いをもらうたびに買うようになりましたが、長くは続かなかったそうです。

 

「ミスドが好きで働きはじめたのではなく、定時制高校に通いながら高校1年生で始めたアルバイトが、初めてミスドを食べたお店でした」

 

人生初のアルバイトで働くということがよくわかっておらず、最初はお手伝い感覚だったそう。当時は上司や先輩に毎日のように怒られ、連日辞めたいと思っていました。そんなときに、ふと入った他店のミスタードーナツが西田さんの運命を大きく変えました。

ミスタードーナツでバイトすること10年!

「たまたま出かけた先にミスドがあり、ほかのお店はどうなんだろうと気になり入ってみました。同じミスドでも店の雰囲気や商品の見せ方が異なり、働いてから初めてお客さんの立場で接客を受け、気づくことや参考になることがたくさんありました。それから違う店舗を見てみたいと思い、ミスド巡りをするようになりました。他店で見て学んだことを実践し、お客さんに喜んでもらえることが嬉しくて接客が好きになり、あんなに辞めたかったのに10年もアルバイトを続けることができました」

 

高校を卒業し芸能界を目指して上京した際も、アルバイトはミスタードーナツ。ひとり暮らしをはじめた家の近所の店舗に面接に行きました。

 

ひと口サイズの「ドーナツポップ」の詰め放題を行う店舗も

「いま思えばなんでミスドだったのかなって。東京ならアルバイトの選択肢は多いのに、そのときは全然そんなことも思いつかず、ミスドで働くことしか考えていませんでした」

 

佐賀で4年・東京で6年、ミスタードーナツのアルバイトをした西田さん。現在アルバイトは辞めていますが、出張先や初めて訪れる土地では必ずミスタードーナツを検索し、ミスド巡りを続けています。

 

「訪問した日本全国のミスドや、年間70〜100種類くらい発売される新商品を食べては、ブログやSNSにアップしています。高校1年生からの11年間で、食べたドーナツは1000種類ほど。冷静に考えると怖いですね(笑)。全国のミスド巡りは100店を超えました」

接客コンテストのために1日10時間も勉強

そんなミスタードーナツをこよなく愛する西田さんには、ミスタードーナツについて猛勉強した期間があります。「フレンドシップフェスティバル」という接客の技能を競う社内のコンテスト大会に、東京で働いていた店舗の代表として選ばれたのです。

 

「フレンドシップフェスティバルには、筆記試験と実技試験があります。筆記試験はミスドの歴史・商品衛生関係・商品のグラム数などマニアックなものまで。実技試験は働いている店舗に審査員1名がお客さんとして来店し、1時間、接客などの動きをチェックします」

 

食べ倒して100店!ミスドのレシートコレクション

店舗から1名枠の代表に選んでもらえたことが嬉しかったと西田さんは言います。出場が決まってからの4か月間、全国1位を目指して出勤前後や休日も勤務先のミスタードーナツの事務所で試験対策に励みました。

 

「店舗の事務所で勉強すれば、わからない問題があったときは近くにいる店長や先輩に質問もできたので。朝6時半から昼ぐらいまでアルバイトをして、その後は24時まで勉強。翌朝10時から勉強を始めて夕方からアルバイトなど、長いときは1日10時間、ほぼ毎日、勉強しました。残念ながら、東京地区7位という結果でしたが、一生の思い出になりました」

 

フレンドシップフェスティバル出場者の多くは全力で取り組み、結果発表のパーティでは涙する人も。西田さんにとってもミスタードーナツの知識をさらに深めることができた貴重な経験だったそうです。

 

PROFILE 西田奈未さん

ミスド大好きタレント。毎月の新商品は欠かさずチェックし、ミスド巡礼や新商品をブログやSNSで発信。ミスジャパン佐賀2021審査員特別賞受賞。

 

取材・文/清宮あやこ 写真提供/西田奈未