奥行きや高さがある押し入れの収納に悩む人は少なくありません。「クローゼットが欲しかった」という声もありますが、ミニマリストのおふみさんはむしろ、押し入れがある物件を積極的に探してきたそうです。
高さと奥行きをいかせば押し入れは収納の強い味方に
私は部屋の表にものが少ない空間が好きです。タンスや本棚、食器棚やリビング収納などの置き型収納だと、人が過ごせる空間がどうしても狭くなってしまいます。床ができるだけ見えているスッキリした状態が好きで、掃除機もかけやすく、広々した空間に身を置くと心まで軽くなります。地震などの万が一を考えても、倒れてきて動線を塞ぐ危険性のあるものは極力減らしたいところです。
しかし、生活しているとある程度のものは必要で、それらをしまう場所も確保しなければなりません。部屋の表に収納を置かないとなると、押し入れやクローゼットといった、造りつけ収納に収めることになります。
押し入れは布団をしまえるサイズになっているので奥行きと、収納力があります。工夫次第で服も吊るして収納ができますし、奥行きを活用することで服以外の日用品も収納できます。部屋をスッキリさせたい方にとって、押し入れの収納力は強い味方になります。
突っ張り棒はハンガーラック代わりにならない?
押し入れに服をしまおうとしたときに悩ましいのが、ハンガーで吊るして収納できるのかという問題です。初めからポールが渡してある場合はいいのですが、そうでない場合は難儀ですよね。わが家もかつて太い突っ張り棒を渡してポールハンガーとして使おうとしたのですが、服の重さに耐えきれず、ポールが何度もずり落ちてしまい、この方法はあきらめました。
そしてたどり着いたのが、スタンド式のハンガーラックです。自立する形なので安心して服を吊るせます。
デッドスペースをなくす、収納の方程式
また、押し入れ活用で悩みがちなのが、デッドスペースができてしまう問題。奥行き方向と高さ方向のどちらも活用できれば収納力は格段にアップするはずです。
わが家の場合は試行錯誤を重ねて、押し入れの手前にはオンシーズンの服を吊るして収納。奥は棚で3段に分けて、下段から本、オフシーズンの服、季節もののアイテムやキャンプ用品を収納しています。手前に使用頻度の高いもの、奥に使用頻度の低いものを収納してあります。
そのものずばり同じ商品ではなくても、奥にカラーボックスを設置したり、伸縮タイプの棚を置くことで、奥行きと高さの活用ができるかと思います。デッドスペースを埋める空間パズルだと考えてみると、それぞれのお宅に合った収納がきっと見つかるはずです。
丈が長い服はS字に収納
丈の長いワンピースやコートはどうしているのかについてもお話しします。ハンガーを2本使って、横から服を見たときにS字になるように裾の部分を掛けて収納しています。こうすれば棚板に服のすそが擦れることもありません。
もし素材の特性上シワが気になる場合は、姿見の後ろに短いハンガーラックが一体になった商品などが売られていると思うので、丈の長いものだけ別で収納するのもひとつの手だと思います。
と、ここまで押し入れ愛を語ってきましたが、夏に引っ越しする予定です。10年以上ぶりに押し入れなしの物件に住むことになるので、クローゼットを活用すべく研究していきたいと思います。
文・イラスト/おふみ 構成/阿部祐子