ママ友や同僚にマウンティングをとられて1日中、疲れてしまう。相手を避けられたらラクだけれど、どうしても顔を合わせざるをえない相手だとしたら…。「エネルギー・バンパイア」とも称される人から自分の身をどう守るべきか、カウンセラーの石橋典子さんに聞きました。

 

手洗いだけでもエネルギー・バンパイアに対処できる

マウンティングしてくる相手とは2人で会わない

人と会話したあとに、やる気や気力が失われていくことはありませんか。気づかないうちに他人の「やる気」「元気」「生命力」「気力」といったエネルギーを奪う人を「エネルギー・バンパイア」とメンタルヘルス業界で呼ぶそうです。

 

「人の上に立つことで充実感を覚えるタイプのママ友は、いま思えばエネルギー・バンパイアでしたね」

 

カウンセラーの石橋さんが実際に受けたマウンティングも、エネルギー・バンパイアの一種だそう。マウントを取られ、不快な態度や言葉を受けることでエネルギーが奪われるためです。

 

「マウンティングは相手に自分のほうが上の立場だと示す行為です。ママ友は単に、子どもの年齢が近いから出会っただけで、どちらが上や下ということはありません。そんな相手とはできるだけ距離をおきましょう」

 

会う回数を減らしたり、会う場合も短時間で用事を済ませることも身を守る方法のひとつですが、2人きりで会わないことも重要です。

 

もしそれが避けられない場合は、カフェなど「他人のいる空間」を選ぶようにしましょう。2人だけの空間では、ますますエネルギーが奪われやすくなると言います。

もしも家族が「エネルギー・バンパイア」だったら

「職場にも、いちいち嫌味を混ぜてくる同僚やパワハラ上司など、さまざまなエネルギー・バンパイアが生息していますが、残念ながら家族がエネルギー・パンパイア化してしまうこともあります」

 

モラハラやDVというのはわかりやすいエネルギー・バンパイアの例ですが、その他にも過度の束縛、ルールの押しつけなどいろいろなパターンがあるそうです。

 

「とくにパートナーは難点です。恋愛感情があると相手を肯定的に見てしまうので、『おかしいな』と思うことがあっても、気づきにくくなります」

 

近しい人がエネルギー・バンパイアである場合、真正面に座らない、目を合わせないなどの工夫で自分のエネルギーを守ることができるそう。

 

「継続的にエネルギーが奪われていると、正常な判断が難しくなります。相手と少しでも距離を取り、冷静に思考できるようになったら今後のパートナーシップのあり方などを考えてください」

気疲れしたら気持ちを切り替える習慣を

「もし無意識のうちに対人関係で気疲れしてしまった場合は、お風呂に入ったりシャワーを浴びたりすると、気持ちが切り替えやすくなります。

 

外出先や仕事場で難しければ、手を洗う、歯を磨く、化粧直しをするのもおすすめ。

 

また、ダメージを受けた心と体を回復させるのに、睡眠はとてもいい手段です。エネルギーを吸われたと思った日は、できるだけ早く布団に入りましょう」

 

自分のエネルギーは、まず自分自身に使うことが大切。「人に気を使いすぎない、人のために時間を使いすぎない」という意識が重要だと石橋さんは言います。

 

「エネルギー・バンパイアはやさしい人を探し出して『あの人ならムリを聞いてくれるだろう』『イヤとは言わなそう』と、つけ入ってくるのです。

 

人に流されない人は、エネルギーバンパイアにつけ込まれるスキを与えません。大切なのは『自分』です。

 

自分がどうしたいのか、どうありたいのか。時間のあるときに、ぜひ自分の心と対話をしてみてください」

 

関連記事:「他人に気疲れする」人はエネルギー・バンパイアの存在を疑って【カウンセラーが提案】

 

PROFILE 石橋典子さん

ピラティスインストラクターとして活動中に、クライアントからの要望でカウンセリングのみのコースを立ち上げ。コロナ禍の影響によりニーズが高まり、現在はカウンセラーに専念。INSIDE主宰。NGH(米国催眠士協会)認定ヒプノティスト。近著に『エネルギー・バンパイア エネルギーを吸い取り、あなたを困らせる人から身を守る方法』(現代書林)。

 

取材・文/清宮あやこ