浅草寺のおみくじは「凶」が多いという噂がネットなどでみられます。初詣に訪れる人も多い日本有数のお寺。筆者もかつて、浅草寺で5回連続おみくじで「凶」を引いたことがあります。実際に「凶」が多いのか?浅草寺さんに伺いました。

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明かされる配分

──「凶が出やすい」と言われることがありますが、どのように受け止めてらっしゃいますか。

 

浅草寺:これがですね、一説には平安時代に元三大師良源様によって、おみくじの元となるものが作られ、さらに、中国で天竺霊籤(てんじくれいせん)という、いわゆるおみくじの始まりと言えるものが流行りまして、室町時代までには日本に伝わったのです。

 

江戸時代にはそれが合わさった観音百籤(かんのんひゃくせん)というものが広まり、以来浅草寺でもこれを用いております。そのときから、浅草寺のおみくじは凶の割合は変えていません。分配は凶30%、大吉17%、吉35%、半吉5%、小吉4%、末小吉3%、末吉6%です。

 

── 凶多いですね!!

 

浅草寺:そうです。

 

浅草寺の仲見世
人で賑わう浅草寺の仲見世

おみくじとは

── ほかの神社仏閣さんでは、凶をその後、減らしていかれたところも多いのでしょうか。

 

浅草寺:ほかの神社仏閣さんのことはわかりませんが、大凶を加えたところもあるでしょうし、凶を減らしたところもあるかと思います。浅草寺では、伝わった通り変えていない、ということです。

 

浅草寺の本堂
浅草寺の雄大な本堂

── 新年にはなんとなく、おみくじを引きたくなりますが、おみくじとは本来どのようなものでしょうか。

 

​​浅草寺:おみくじとは観音様に相談すること、お聞きするものです。たとえば、何かに悩まれているときに、相談するために尋ねながらおみくじをひくものです。そこで凶だった場合、だめだと思うのではなく、今はやめとこうというふうに捉えてください。

 

── 運勢全体について聞くこともあります。

 

浅草寺:運勢について聞こうと思って引いて、「凶」がでた場合、それは「これ以上、悪くならない」ということです。これ以上は下がらないので、結果を受け入れて、おみくじを結ぶ「みくじかけ」におみくじを結んで、観音様をお参りして帰っていただければと思います。

同じことで引くのは1回のみ

── 浅草寺で過去、5回引いて5回凶だったことがあります。

 

浅草寺:観音様にお聞きするので、1回が望ましいです。

 

── すみません、気をつけます…。

 

浅草寺:新年はおみくじ台の近くに消毒液なども置いて、感染症対策をしてお待ちしていますので、みなさん、良い年をお迎えになって、ぜひ、おみくじも恐れずに引いてみてください。

 

浅草寺・雷門
有名な浅草寺・雷門

取材・文/天野佳代子 写真提供/浅草寺