家の購入や新築は人生の一大イベント。結婚・出産・子供の入園入学など、ライフステージの変化するタイミングでマイホーム購入に踏みきる人も多いかと思います。でもなかには、せっかく待望のマイホームが手に入ったのに、気に入らない点が出てきて後悔したり落ち込んだり…「新築ブルー」「マイホームブルー」に陥る人もいるのだとか。

 

とはいえ、高価な買い物だけにかんたんに転居や建て替えも難しいですよね。子供のためにも、できるだけ楽しい気持ちで毎日暮らしたいもの。

 

そこで今回は、新築ブルー・マイホームブルーの原因と、そこから抜け出すことができたママたちの体験談を紹介します。これから家の購入を考えている人はぜひ読んでみてくださいね。

間取り・立地…新築ブルーの原因は?

今回は「新築ブルーを経験したことがある」という人50人にアンケートを実施し、体験談を聞かせてもらいました。

 

そこから分かった新築ブルー・マイホームブルーの原因はおもに次のようなもの。1つだけでなく複数の原因が重なっていた人も多く、状況は違えど「勉強不足だったかも」と後悔・反省した…という声が多数寄せられました。

立地や周辺環境

「価格や広さを優先して駅から遠い場所に決めたものの、真夏や雨・雪の日にはやっぱり通勤通学がキツい…一生これが続くのかと」(Uさん・中学2年生と小学6年生と3年生のママ)

 

「保育園へは通いやすいけど、小学校や中学校が遠く、子供がかわいそうかも」(Mさん・2歳児のママ)

 

「昼間はよかったけど、空き家が多いのか夜は思ったより人通りが少なく治安の面で不安」(Sさん・4歳の双子のママ)

 

「ハザードマップの浸水地域で、今まで水害はないと言われて決めたけど、気候変動のニュースを見ると不安」(Yさん・小学4年生と1年生のママ)

 

など、長期的なことを考えたときに「どうしてここに決めちゃったんだろう」と後悔する人が多いようです。

間取りや設備

家そのものについて、あとから「こうすれば良かった」という点がいくつも出てくる…という人も。

 

「リビングを1階にするか2階にするか、迷って1階にしたのですが、日当たりがイマイチ。先日、新築の友人宅にお邪魔して、明るい2階リビングで遊ぶ子供たちの姿を見ると、やっぱりいいなと自分の選択ミスに後悔しかありません」(Iさん・4歳児と2歳児のママ)

 

「土地の規制がいろいろあって、希望の間取りが叶わず妥協したところがいくつもあります。先にこれだけは譲れないというポイントを決めてから、それが実現できる土地を探すという順番にするべきだった」(Fさん・5歳児のママ)

 

「ドアの開閉方向や動線など、細かい部分でストレスが…あっさり決めずにもっと調べてからにすればよかった」(Aさん・小学1年生と3歳児のママ)

 

共通するのは「メーカーや工務店任せにしすぎず、もっといろいろな情報を調べておけば…」という声でした。

金額

予算は家づくりの重要なポイントですが、ここでも「予算は適性だったのか」「限られた予算が有効に使えたのか」という点で悩んでしまう人が多いようです。

 

「気をつけていたはずなのに、やっぱり必要かもといろいろオプションをつけてしまい、200万ほどの予算オーバーに。子供の教育費を考えると、舞い上がってしまったなあ…と、夜になると悶々としています」(Eさん・2歳児のママ)

 

「ローンはこの金額で可能と言われて決めたものの、激戦区なので、いま妊娠中の下の子が保育園に落ちて無認可になったら、高校が公立に落ちて私立になったらなど、考えれば考えるほど不安です」(Dさん・3歳児のママ・妊娠中)

 

「やっぱり一生住むからには、注文住宅で自分たちに合った家を…と思ったはずなのに、実際は仕事も育児も忙しく、ほとんど設計士さんのおすすめを採用する形に。けっきょく建売と変わらない気がして、だったら建売のほうがずっと安いのに…と」(Kさん・中学1年生と小学5年生と2年生のママ)

新築ブルーを乗りきったママの体験談

続いて、そんな新築ブルー・マイホームブルーから抜け出せた人の声も紹介します。

 

「実際に住んでみたらキッチンが使いにくかったり、格子窓にしたかったのに設計士さんに掃除が面倒と言われてやめたら、あとで調べると平ガラスで格子をはさむタイプがあったのに、私が無知で言いくるめられたのかと腹が立ったり。ずっと鬱々としていましたが、実家の父に家は3回建ててやっと満足するくらいだからみんな同じだよと言われたときに、ちょっと完璧主義すぎたかも…と少し気が楽になりました」(Jさん・小学2年生のママ)

 

「ここが嫌、あそこが嫌と思い始めたらどんどん嫌になってきて、半分ノイローゼ状態に。当時生後半年の長男があまり私が気に入っていなかった段差から落ちたときにプツンと来てしまい、夫にもうこんな家イヤだと泣いたら、それなら賃貸に出して引っ越す?と提案されました。でも、そう言われると急にこの家の好きな点や気に入っているところが見えてきて。やっぱりここに住みたいと思えるように」(Kさん・4歳児と2歳児のママ)

 

「ママ友宅やSNSなど他の家と比べ出すと、素敵!なのにわが家は…と急にブルーになるんですよね。でも、友達がウチに来たとき、ここいいね!私もしたかったけど、義両親の援助があったから自由にできなくて…と言われ、何ごとも見えている部分だけでは判断できないんだなと思いました」(Hさん・小学3年生と5歳児のママ)

 

「乳幼児がいる時期の新築や引越しは避けたほうがいいっていいますよね。でも、夫の転職などの流れで上の子が2歳・下の子が0歳のときにバタバタと新築購入に。子育てに追われて、じっくり間取りなどを詰められず、案の定気に入らないところだらけでブルーになりました。でも職場の先輩も同じ状況で、何度かプチリフォームして良くなったと聞いてちょっと安心。仕事がんばってリフォーム代を貯めようと思いました」(Wさん・5歳児と3歳児と0歳児のママ)

 

上記のママたちに共通している乗り越えポイントは、「100点を目指さない」「良いところが悪いところを上回っていればよし」「住みながら改善する」などの視点を持ったことではないでしょうか。

 

新築ブルー・マイホームブルーも、乗り越え方はマリッジブルーや進路・就職などと同じなのかもしれませんね。

おわりに

多くの人にとって「人生で一番高い買い物」といっていいマイホーム購入。ブルーになってしまう原因は、一度建てたらやり直しが難しいからだと言えるでしょう。

 

であれば、土地や家のほうではなく、自分の視点を変えたり住まい方で解決していくのが現実的だということかもしれません。

 

今回紹介した先輩ママたちの体験談も、ぜひ参考にしてくださいね。


文/高谷みえこ

アンケート実施時期:2022年12月 アンケート実施人数:50人 アンケート実施手段:インターネット