秋から冬にかけては、七五三やクリスマス・お正月など子供の写真を撮る機会も多いですよね。ところが、カメラを向けると顔を隠してしまったり、逃げてしまったり…写真嫌いな子供って意外と多いんです。今回は、子供が写真を嫌がる心理や理由、またそれに合わせた対処方法などを紹介します。
嫌がる理由① 写真撮影そのものが苦手
写真を嫌がる理由の1つめは、カメラや写真撮影にともなう「いつもと違う」動きや出来事が怖い、苦手というケースです。
小さい子で特に多いのが、「フラッシュが怖い」というもの。
一度びっくりすると、次からはフラッシュがたかれていなくても、カメラやスマホを向けられただけで嫌なイメージが思い出されてしまいます。
はっきりとフラッシュのせいだと分かっている場合は、「ピカッとしないから大丈夫だよ」と先に声をかけてあげると安心してくれるかもしれません。
記念撮影などでは数秒間、あるいはもっと長くじっとしていることが求められますが、それがガマンできないという子も。
そういう子に「じっとして」と言ってもなかなか受け入れにくいもの。
人形などを使って「この子とにらめっこするよー！でもこのにらめっこは、笑うと勝ちだから、あっぷっぷで笑ってね！」のように、遊び感覚で気をひいてあげるとうまくいくかもしれません。
そのほか、カメラのレンズ越しに自分を見られることが怖い、ママやパパの顔がカメラで隠れてしまうのが不安という子もいます。
この場合は、ママとパパやママ友同士で協力して、1人が子供とおしゃべりしている間にもう1人が撮影…のように手分けすると良いですね。
公園などであれば、望遠レンズで少し離れて撮るのもおすすめです。
また、「カメラ目線でニッコリ」のショットが難しくても、シャボン玉遊びなどを楽しんでいる様子を横から撮るのは大丈夫という子も。
嫌がる理由② やらされている感がイヤ
次によくある理由としては、撮られ方がイヤで逃げたりグズったりするというもの。
親としては、かわいく見えるポーズや表情などをどうしても指示したくなりますよね。特に行事や、テーマパークでキャラクターと一緒に撮影できる、年賀状に使いたいなどの目的があればなおさらです。
しかし子供にとってはそんな親の思惑は関係ないので、したくもないことを強制されているように感じてしまい、度重なると「また～？」と、より逃げたり嫌がったりすることが増えます。
また七五三などでは、親は段取りをこなすのに忙しい一方で子供は着付けなどで疲れていることも多く、いつもと違う雰囲気のなかで、ニッコリ笑顔でポーズが取れる子のほうが少ないのではないでしょうか。
園や学校の集合写真ではちゃんと並んで映っているのに、家族や友達で集まったときに子供たちの集合写真を撮ろうとすると逃げてしまう子、変顔ばかりする子もいます。
これは「親が撮影する」というシチュエーションが照れくさいという思いもあるようです。おじいちゃん・おばあちゃんや、他のママとカメラマンを交替し、ママがさりげなく用事をしている風で離れるとうまくいくケースも。
ちなみに子供たちの集合写真を撮影するときは、たとえ嫌がる子がいなくても、まばたきで目が閉じたショットになる可能性があるため、連写機能を使うのがおすすめです。
また、自分に注目が集まるのに抵抗がある子には、お気に入りのおもちゃなどを手に持って「見せて～」と声をかけると「被写体は自分ではない」という感覚になり、嫌がらず撮らせてくれることもあります。
嫌がる理由③ 思春期の自己イメージ
小学校4年生以上の思春期に入り始めた頃にも、写真を嫌がる子が増えてきます。
この時期の子供は「みんなのなかの自分」を客観的に見る視点が育ってきますが、同時に「自分はかわいくない」「ぽっちゃりしている」「目の形が気に入らない」など、容姿に関するコンプレックスを強く感じる年頃でもあります。
ママやパパは
「ちょっと前まで大喜びでピースして映っていたのに…」
と戸惑うかもしれません。
しかし、そういった場合でも、入学式など、他の子もみんな親子で写真におさまっている場面では受け入れてくれることがほとんどです。
これも成長の過程だと思って、できるだけ無理強いせず、カメラを向けて映ってくれたらラッキーくらいの気持ちでいるほうが良さそうですね。
おわりに
いろいろ工夫をしても、やっぱりもともとの性格で写真は嫌いという子もいるでしょう。
そんなときは、お気に入りのおもちゃで遊んでいる姿や、ランドセルを背負って玄関を開ける後ろ姿、寝顔などをそっと撮影しておいてはどうでしょうか。
さりげない日常のひとコマも、きっと後から見るとすばらしい思い出になるに違いありません。
文／高谷みえこ
