11月も半ばを過ぎ、年末を迎えるにあたり、家のなかのゴチャつきが気になってくる時期。とくに悩みがちなのが食器棚です。食器の収納といえば、出し入れがしやすく、見栄えもいい「立てる収納」が人気ですが、実は条件次第で、デメリットが多くなってしまう場合も。そこで、整理収納コンサルタントの瀧本真奈美さんに、食器収納のNG例について、「立てる収納」に特化して教えていただきました。
1.「割れる・欠ける素材の食器」の場合
食器を立てる収納は、重ねる収納よりも不安定になりやすいので、割れやすい食器は要注意です。特に、収納グッズを使っても安定しない場合には、避けたほうがよさそうです。
1枚ずつの取り出しがラクになったとしても、割れないように気を使いながらの家事は大変。こういった場合は、収納方法自体を見直すか、木製などの割れない食器を取り入れることをおすすめします。
2.「直径が大きな食器」の場合
大きな食器を立てるには、高さがかなり必要になります。棚の間隔に合わない場合はさておき、可動棚の場合はどうにか調整ができてしまうこともありますが、無理は禁物。
スペースをとるわりに収納できる量が少ない、デッドスペースが多いなどのデメリットがあるので、避けたほうが無難です。
3.「湾曲が多い、または複雑な形の食器」の場合
湾曲が多い食器は、1枚ずつの高さ分×枚数の収納幅が必要になります。これも余分なスペースを取ってしまう要因になるので要注意です。
また、複雑な形の食器は、立てようとするとより不安定になるので、避けたほうがいいでしょう。
4.「開き戸の食器棚」の場合
小皿だけなど条件が合えば立てる収納も可能ではあるものの、開き戸の収納棚に収納グッズを使って立ててしまう場合は、出し入れに難が…。少し持ち上げてから取り出す必要があるため、高さが余分に必要になります。
いっぽう、引き出し収納なら上向きに食器を引き出すだけなので、余分な収納スペースを取りません。立てる収納にこだわるなら、カップボードなどの深めの引き出しを検討してみるとよいかもしれません。
5.「食器の総量が多い」場合
立てる収納の場合、1枚ずつしまうのに、ある程度の間隔(空間)が必要になります。通常の重ねる収納よりも数が制限されるだけでなく、奥のものが取れなくなる、手前は全く使えないなどの状況が生じ、さらにデッドスペースが増えてしまいます。
たくさんの食器を持っている場合は、立てる収納を避けるとともに、持っている食器の数を減らして、よく使うものだけに厳選してから試してみることをおすすめします。
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毎日使う食器は、少しずつ買い足しているつもりでも、いつの間にか増えすぎてしまうものの1つです。大きさや形もバラバラで、収めるのも大変ですが、「本当に使いやすい」を意識しながら、自分に合う収納方法を見つけてみてください。
文・撮影/瀧本真奈美