バービーさん(38)とコンビを組むフォーリンラブのハジメさん(38)に10月、ついに女の子が産まれました。2014年に2歳年上の妻と結婚し、子宝に恵まれなかったハジメさん。不妊の原因が自身にあることがわかり、過酷な治療で1度は授かることはできましたが、残念な結果に…。その後、ハジメさんは妻とどう支え合い、出産に立ち会うことになったのでしょうか(全3回中の3回)。
やはり自分たちの子どもが欲しい
── 新型コロナウイルスの感染拡大があり、一時期は不妊治療を中断されていたそうですね。治療を継続する決め手は何だったのですか?
ハジメさん:きちんとした形で夫婦で話し合い、決断をしたというほどではありません。ただ、病院から治療再開の通知がきたり、コロナも落ち着いたりという流れがありました。
先輩や友達との交流も再開して、そのお子さんたちと接することもあり「やはり自分たちの子どもがほしいね」ということに。
── 治療を再開するにあたり、新たな準備や心構えはありましたか?
ハジメさん:不妊治療の助成金が出る回数に終わりが近づき、妻の年齢もあったので正直、焦りもありました。ただ、それが妻に伝わると申し訳ないので、平常心を心がけました。
コロナで僕の収入が激減したのと、子どもができたときに備えるために、家賃が安いところに引っ越しもしました。
染色体や遺伝子を検査
── 治療再開後は順調に進みましたか?
ハジメさん:助成金が使える最後の1回の治療で、PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)を勧められ、試すことにしました。
着床前診断で、受精卵の細胞の一部を採取し、染色体や遺伝子の異常の有無を調べるものです。
それで1回目の検査で異常のなかった受精卵が着床して、妊娠に成功して成長して産まれてきたのが、長女です。
前回のことがあったので、このときは、安定期に入るまでは、妊娠をまわりには伝えず、両親にも隠していました。
妻は仕事をしていましたし、高齢出産やコロナのワクチン接種など、不安なことはたくさんありました。
だから、一刻でも早く検診を受けて子どもが無事であることを毎回、確認したい気持ちがありましたね。
妻のお腹が膨らんでくると徐々に安心することができ、出産した後のことを考えることができるようになりました。
相方からの励ましのメッセージは…
── 相方のバービーさんは、女性の体や生理などについて積極的に発信していますが、アドバイスや激励はありましたか?
ハジメさん:コンビとして美談があればいいですが、事実としては特に何もなかったですね(笑)。
でも、妻のことは気にかけてくれていたようです。
YouTubeで、僕が出産報告のドッキリをバービーに仕掛けようとしたら、逆に僕がドッキリをしかけられ祝福してくれたので、静かに見守ってくれていたのだと思いますよ。
──立ち会い出産をされたということで、いかがでしたか?
ハジメさん:とても感動しました!
妻の頭の位置から産まれてくる方向を見ていたのですが、少し髪の毛がある頭が出てきた瞬間からオギャーと泣き始めました。
病院スタッフが取り上げた後、体に血などがついていましたが、すぐにすごくかわいいと思いましたね。
最初の抱っこを僕にさせてくれることになっていたんです。2940グラムの、物理的に軽いけど、とても重く感じた赤ちゃんでした。
男性はさらに意識を高めてほしい
── ご自身の経験から妊活や不妊治療へのアドバイスはありますか?
ハジメさん:最近はジェンダーレスの概念が広まり、不妊治療への保険適用が始まるなど、いい時代になってきたと思います。
なので、男性にさらに意識を高めてほしいと思います。妊活や不妊は、どうしても女性の問題とされがちですが、男性も半分は関わっています。
僕のようにまず、男性が検査をするという流れになれば、女性の妊活や検査が円滑に進むと思います。
さらに、パートナーとの会話を増やしたほうがいいのではないでしょうか。
今後の治療の方針や、結果的に断念することになっても、それはお互いの話し合いできちんと納得して、決めるべきだと思いますね。
PROFILE ハジメさん
1984年、和歌山県生まれ。2007年にバービーさんと「フォーリンラブ」を結成後、お笑い番組など出演多数。’14年に結婚。この10月に不妊治療の末、待望の第1子誕生。YouTubeの『釣りハジメ』ではフィッシング情報も発信。
取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/ハジメ