介護レクリエーション士として、数々の施設でイベントを行っているレギュラーの二人。ただ、コロナ禍以降は、介護施設への立ち入りが難しくなってしまいました。そこで始めたのが、Zoomなどを使ったリモートでの介護レク。全国700の施設をつなぎ、約2万人が参加する大規模イベントも実施しました。目指すは「僕らがMC、利用者さんがパネラーのバラエティ番組」と明かします(全5回中の5回)。
バラエティ番組の世界に入ってもらう
── コロナ禍以降は、介護施設では家族さえも面会するのが難しくなりました。レクリエーション介護の活動も制限されたのではないですか?
西川さん:
だいぶ制限されましたね。
松本さん:
僕らはコミュニケーションを取るタイプの介護レクをやっていたので、特に今まで通りにはできなくなりました。西川くんが利用者さんの近くに行って、マイクをフォローしたりとか、触れたり、そういうコミュニケーションを取ってやってたんですよね。
それがストップして、リモートというやり方に変わりました。
でも、介護業界の方も、吉本も、できることはないか一緒に考えてくださって。NTTさんとかとコラボして、施設をリモートでつないでやっていますね。
西川さん:
一番大きかったのは、全国の700施設をつないで、そこに向けて僕らが介護レクリエーションをやりましたね。約2万人近くの利用者さんが参加してくださいました。
── 大規模ですね。
西川さん:
そのときは施設側は参加無料でやったんですよね。
松本さん:
それは僕らもボランティアでね。でもおもしろかったです。沖縄とか北海道とか、いろんな施設があるので。
── 利用者さんに笑顔が戻るきっかけになるといいですね。
松本さん:
そうですね。僕らがやっていていちばん楽しいのは、バラエティ番組の世界の中に皆さん入っていただいて、僕らがMC、利用者の皆さんがパネラーみたいな感じ。失敗したらツッコんで、正解したら盛り上げて。
普段一般の方は、そんなんする機会ないじゃないですか。僕らがその雰囲気を作って、介護スタッフの方にも一緒に楽しんでもらう。
リモートの形式になって、クイズとかゲームをする感じのレクに変わったんですけど、やってみたら、リモートだからこそできることもあったんです。
たとえば、今まで施設だったら、絵を使ったクイズは、うしろの方の人には見えずらかった。でも、Zoomやからこそ、アップにして、みんなに伝わりやすくなる。コロナ禍で、リモートならではのやり方を学んでますね。
── コロナ禍で、さらに新しい資格取得もされたと伺いました。
松本さん:
そうです。介護を勉強していったら、どうしても足が不自由になられてから、体力もどんどん落ちていく。それは、ふくらはぎは「第二の心臓」といわれ、下半身の血液を上半身にあげる役割をしているので。ここを使わないと体の血液の循環も悪くなっていってしまう。できるだけ健康寿命を延ばすためには歩くことが大事やと思って。コロナ禍に入って時間もできたので、勉強してみよう、と「健康ウォーキング指導士」の資格を取りました。
── 難しい資格だそうですね。
松本さん:
難しかったですね。
西川さん:
ちょっと時間かかりましたね。これまで介護で学んできたことと重複する部分もあったんですが、人間の体の仕組みを一から勉強したり。
松本さん:
あとは、レポートの提出がとりあえず大変でした。コロナ禍は、ずっとなんか書いてる感じでしたね(笑)。