大人が抱えやすいモヤモヤについて、臨床心理士の八木経弥さんにお話を伺いました。今回は、お盆の帰省中に高齢の親と終活について話し合いたいけれど「どうやって切り出せばいいか」と悩む女性の悩みにお答えします。

【Q】帰省中に親と終活や相続について話し合いたい。どうやったらうまく切り出せる?

もうすぐお盆なので、帰省する予定です。両親も高齢になって、そろそろ終活を始める年齢になりました。誰にどのようにして面倒を見てもらいたいのか、親の意志を確認したいと思っています。

 

また、それなりに財産もあるし、きょうだいもいるので遺産相続で揉めそうです。終活の一環で身辺整理をしたほうがいいと思いますし、遺言を残しておいたほうがいいと伝えたいのです。

 

ただ、父は頑固者。なかなか自分の意志を変えない人です。また、気も若いので老後の話をするのは嫌がりそうな予感がしています。どうやったらうまく切り出し、話を聞いてもらえるでしょうか?

身構えないで世間話としてナチュラルに切り出す

終活や老後の話はなかなか切り出しづらいことなので、話す側はつい身構えてしまいますよね。

 

その緊張感はきっと相手にも伝わります。ここはさらっとナチュラルに「ねえ、お父さん。あのさぁ…」と世間話のように切り出したほうが、相手も身構えなくて済みそうです。

 

相談者さんの場合、「遺産相続で揉めそうです」ということですが、これは困りましたね。ご両親はご高齢ということですから、こういう話は周りでちらほら出てきているはず。具体例を出して世間話として話題にしてもいいかもしれません。

 

「○○さんち、遺産相続でも揉めているみたいだね。まさか仲良しだったあのきょうだいが揉めるとは思わなかったよね。うちはそうなりたくないな。私が心配になっちゃうから、前もって決めておきたいな」

 

などと伝えられるとスムーズですね。ここは「私が心配になる」と“私”を主語にすると、相手に思いが伝わりやすくなります。