「勉強はなんのため?」意味を考えやる気に変換
中学受験についても、義父からレールを敷かれているつらい状況ですね。もし、どうしても状況が変えられないようでしたら、受験する中学の魅力を親子で探せるといいですね。部活動や修学旅行など、何かしら学校の魅力が見つかると、モチベーションになるのではないでしょうか。
そして、 何のために受験するかについて、親子で話し合えるといいですね。
学校も塾も家庭も、子どもに勉強を促す機会は多いですが、「なぜ勉強しなければならないか」について、子ども自身が深く理解して納得しているでしょうか。
私は「勉強する意味」とは、将来なりたい職業の選択肢を増やすことだと思っています。例えば成長してから、資格試験などを要する学力を必要とされる職業に就きたいと言ったとき、勉強してきていれば目指すことも可能です。でも、子どもの頃から勉強を避けてきた人は、選ぶことは困難です。そうならないために「勉強しよう」と声をかけるのではないでしょうか。
でもこれは経験を積んだ大人だから理解できること。子どもはここまでの想像力を働かせるのはなかなか難しいと思います。
結果ではなく過程を褒め、勉強する意味を考える。これで少しは義父の“お勉強プレッシャー”が“やる気”に変換できるかもしれません。
PROFILE 八木経弥さん
やぎ・えみ。臨床心理士/公認心理師。心療内科や児童相談所、スクールカウンセラーなどの勤務経験のもと、開業カウンセラーとしても活動中。仕事では心理学を活用した育児の方法などを伝えている。2人の娘の母。
取材・文/大楽眞衣子