誰かと連絡を取るとき、電話よりもLINEを使う人は多いでしょう。友人との連絡はもちろん、最近では仕事のやり取りをLINEで行うケースも増えてきました。
そんな日常生活に欠かせないLINEですが、これまで異なるOS間での機種変更において、一部データの引き継ぎはできない仕様だったのをご存じでしょうか。
今回は6月29日に発表された仕様の改定とLINEのデータバックアップについて解説します。
重要性が増しているLINEデータ
NTTドコモ モバイル社会研究所が2022年5月に発表した調査によると、LINEの利用率は81.6%にのぼるそうです。
さらに10〜70代まですべての年代で使われており、もっとも少ない70代でも69%の利用率となっています。家族3世代のLINEグループがある人も珍しくないかもしれませんね。
LINEが連絡ツールとして定着した今、LINEのデータは大切なものとなっています。
連絡先はLINEしか知らない相手は、増えていますよね。トークルームには待ち合わせの日時が入っていたり、思い出の写真が残されていたり。仕事のやり取りが残っている人もいるでしょう。あまり過去のトークを読み返す機会がない人でも、それらがすべて消えてしまうのは困ります。
機種変更は要注意
実はこれまで、スマホを機種変更する際にトークの履歴を引き継げないケースがありました。
それは、異なるOSに機種変更するときです。具体的には、iPhoneからAndroidに機種変更するとき、そしてAndroidからiPhoneに機種変更するときです。
このケースでは、友だちリストや自分のプロフィール情報、トークのアルバムなどは引き継げるのですが、トーク履歴に関しては引き継げない仕様でした。
データ保管先はiPhoneとAndroidで違う
なぜトーク履歴が引き継げないのかというと、トークの保管先が両者によって異なるから。
トーク履歴はスマホの本体だけでなく、iPhoneはiCloud、AndroidはGoogle Driveにバックアップできます。スマホを機種変更すると当然スマホのデータは空になります。同じOSの場合は連携するクラウドサービスからトーク履歴を回復できるのですが、異なるOSになると連携先が異なるため、回復できませんでした。
しかし、LINEは6月29日にアカウントの引き継ぎ方法を大きくリニューアルしました。異なるOSでも直近14日間のトーク履歴を復元できるように仕様変更したのです。
「トーク履歴が消えてしまうのなら、違うOSのスマホにするのはやめておこう」と考えていた人には朗報ですね。今後は、例えばiPhoneからAndroidに機種変更するときでも、直近14日間のトークを引き継ぐことができます。
また、今回のリニューアルでは、「かんたん引き継ぎQRコード」を利用すると、同じOSの引き継ぎでトーク履歴のバックアップを取っていなかった場合でも、直近14日間のトーク履歴は復元できるようになりました。
トークをすべて引き継ぐならバックアップを
直近14日間のトーク履歴は復元できるようになったとはいえ、それ以前のトーク履歴はバックアップしておかないと復元できません。
皆さんはトーク履歴のバックアップは取っているでしょうか。意外と取っていない人も多いかと思います。
でも突然スマホが壊れてしまったり、紛失してしまった時のために、バックアップを取っておくと安心です。
バックアップの設定手順は、LINEの公式ガイド「LINEみんなの使い方ガイド」に動画付きで説明されています。
バックアップができるデータはテキストだけなので、画像に関してはトークルームの「アルバム」や「Keep」に保存してください。
生活になくてはならない連絡ツールとなったLINE。バックアップの設定をして万が一の事態に備えておきましょう。そして、これまでLINEの引き継ぎが気になってスマホの機種変更に踏み出せなかった人は、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
文/鈴木朋子
参照/NTTドコモ モバイル社会研究所「2022年一般向けモバイル動向調査」https://www.moba-ken.jp/project/service/20220516.html
LINE「トーク履歴のバックアップ方法」https://guide.line.me/ja/signup-and-migration/talk-backup.html