「子育てって、1人目は大変だけど、2人目はすごく楽!」
ママ友どうしの会話でもよく聞く話ですが、いまお子さんが1人で、2人目を迷っている人からすると、「1人でもこんなに大変なのに、それが増えたら楽だなんて…ウソでしょ!?」と思いませんか?
親も子も、1人ひとり条件が違うのに、ひとことで「楽」と言えるはずがないと思うのですが、これだけよく耳にするということは、やっぱり真実なのかも…と、心が揺れてしまいますよね。
そこで今回は、実際に2人以上のお子さんを育ててきたママたちに、はたして2人目は楽なのかしんどいのか、リアルな声を聞かせてもらいました。
そこで分かったこととは──。
みんなが言う「2人目は楽だよ~」の真実
まずは、よく聞く「2人目は楽」というのをどんな時に感じるのかママたちに聞いてみたところ、たしかに…!と思えるような場面がたくさん寄せられました。
「1人目って、何かにつけて、これって病気かな?大丈夫?病院行くべき?とオロオロすることが多かったですが、2人目になると受診の勘どころみたいなのが身についていて、だいたい先が予測できるので、精神的には楽ですね」(Iさん・3歳児と5か月児のママ)
「うちは結婚して6年間子宝に恵まれず、すっかり大人2人の生活に慣れてしまって。思いがけず上の子が生まれたときはもちろん嬉しかったですが、生活を変えるのに苦労しました。その後、下の子が生まれた時には、すっかり子供優先の生活になっていたので、そこは楽でした」(Yさん・6歳児と4歳児のママ)
など「育児に慣れているので焦ることなくスムーズに育児に取り組めた」という声が最も多く聞かれました。
また、1人目とくらべて孤独感がないことも精神的に楽だと感じる人が多いようです。
「ワンオペ育児って、1人で頑張らないといけない孤独感も大変さのひとつだと思うんです。でも、2人目になると、上の子がいてくれる!おむつをとってきてくれたり、お風呂で私がシャンプーする間、下の子が溺れないか見ていてくれたり、実際に役立つ面もたくさんありますが、一緒に赤ちゃんに向き合う仲間がいるだけで、ぜんぜん気分が違います」(Mさん・4歳児と7か月児のママ)
「うちは年子になるかならないか…という年の近い兄弟だったので、小さい時は本当に大変で、2人なんて私には無理だったー!と泣きましたが、下の子が3歳頃から急速に2人で遊んでくれるようになって、ぐっと楽になりました!」(Tさん・7歳児と5歳児のママ)
「上の子の時は、ちょっと知りたいことがあってもすぐに聞ける相手がいなくて、赤ちゃん広場の日まで待って保健師さんに聞いたり、ネットで調べたりして大変でした。その後、ママ友がたくさんできたので、下の子の時は気軽にスマホで連絡を取れるのが助かりました。相談だけじゃなく、毎日の愚痴や笑い話なども言い合える相手がいるので、上の子の時と全然違いますね」(Kさん・5歳児と2歳児のママ)
たしかにお世話するのが2人になって大変とはいえど、楽な面もいろいろあるようです。親子のにぎやかな毎日が伝わってくるようですね。
2人目育児「楽じゃない」と感じるのはこんなとき
一方、「2人目だからこそ」の大変さを訴える声もいろいろありました。
「上の子は何歳になっていても、これまで自分1人に注がれていた親の関心が減るのは間違いないですよね。うちも5歳になってましたが、1人が長かった分、荒れたり赤ちゃん返りしたりでめちゃくちゃしんどかったです。いくら上の子優先といっても、下の子だって生きてるので完全放置はできませんし…」(Eさん・6歳児と1歳児のママ)
「上もまだまだ手がかかるし、イヤイヤ期で何かというとギャン泣きしてなだめるのが大変。結果、下の子を泣かせっぱなしにすることもしばしばで、逆に下の子の心に傷が残るんじゃないかと心配でした」(Mさん・3歳児と1歳児のママ)
「とにかくすぐケンカが始まります。おもちゃの取り合いから、ママの抱っこの順番まで…一人っ子のママ友と遊んでいると、ほとんど叱ることもなく、なんと優雅なことかと驚愕します」(Aさん・4歳児と2歳児のママ)
「子供1人なら、静かに寝かせておいて看病もしやすいのですが、2人だと遊んでしまったり、やっと寝たのに起こしたり…しかも必ずといっていいほど感染がループします」(Jさん・5歳児と3歳児と1歳児のママ)
また、ママ自身についても「楽じゃない」理由があるようで…。
「シンプルに母も上の子の時より年取ってますしね!同じ育児をするだけでも、消耗の度合いが格段に増えてます」(Yさん・4歳児と11か月のママ)
そしてしんどいのは体だけではなく、こんな点も。
「これから2人とも、習い事や塾に受験と、どのくらいお金がかかるのか考えると…2人子供がいてくれて一切後悔はありませんが、経済的には確実に1人よりもしんどいのは間違いないですね」(Sさん・6歳児と3歳児のママ)
2人目が楽かどうかはここで変わる!
「2人目は楽」というのが当てはまるかどうかは、人によって大きく異なりますが、その違いはどこにあるのでしょうか?
子供の個性
多くの人が口にするのが、「1人目は手がかかって、とてももう1人なんて無理と思ったが、2人目が生まれてみたらびっくりするほど育てやすい子だった」というもの。
「一姫二太郎」ということわざもあるとおり、一般的には女の子の方が育てやすいと言われていて、長子が男の子、2人目が女の子という組み合わせで「めちゃくちゃ楽~!」と言うママはかなり多いようです。
また性別は関係なくその子の気質や性格も1人ひとり異なるため、活発な子の下にのんびりした子が生まれると、「なんて楽なの!」と感じる人が多いようです。
きょうだいの年齢差
上の子と下の子の年齢差によっても、大変な時期が変わってきます。
一般的に、年が近いきょうだいは上の子が赤ちゃん返りする間もなく成長し、小さいうちは親は目が回るほど忙しいし、ケンカもするけど一緒に遊べる年頃にはとても楽になる…という話をよく聞きます。
反対に、年の離れたきょうだいでは、上の子はある程度手が離れていて、よきお兄ちゃん・お姉ちゃんとして活躍してくれることも多いようです。
しかし、年が離れているぶん、遊びの好みやレベルが合わなかったり、生活時間のずれなどもあり、「一人っ子を2人育てているみたい」「育児のことを忘れていて、1人目と変わらない感覚」という声も聞きました。
夫や祖父母の協力
赤ちゃんは大人が気をつけていないと簡単に命の危険にさらされてしまう存在です。1人でも大変ですが、やはり2人になるとさらに気をつけることは増え、ママ1人で育てるのは大きな負担が伴います。
パパが子供の起きている時間に帰宅でき、休日も親として家族の一員として自分から行動できる人なのか、そうでないのかによって、同じ2人の子を育てるのでも大変さは大きく異なるでしょう。
また(あってはならないことですが)夫の協力が得られない時、頼れる祖父母がいるかどうかによっても、大変さの体感は何倍も変わります。
ママの性格
障害や持病を抱えて子育てするママが大変なのはもちろんですが、性格的に2人目育児が大変になりやすいケースもあります。
「2人目は手がかからないと言うけど、正確には、2人目は手をかけなくても平気になるというか、ならざるを得ないってところでしょうね」(Oさん・3歳児と7か月児のママ)
しかし人によっては、性格的に部屋が汚れたままでは落ち着いて休めなかったり、子供の世話に手を抜けない人もいます。
意識を変えられれば楽になるかもしれませんが、生まれつきの性格をガラリと変えるのも難しいので、やはり周囲のサポートが欠かせないのではないでしょうか。
おわりに
今回話を聞いてみて、「2人目育児は楽なのか、そうじゃないのか」の結論は…こんな風です。
- 肉体的・金銭的には決して楽ではない
- でも、慣れと上の子やママ友の存在もあり、精神的には楽なことも多い
また、多くのママが体感として、「子供の人数が倍になっても、大変さは2倍じゃない。そう、1.5倍くらいです」と答えてくれたのが印象的でした。
「これから2人目どうしよう」と迷っている方へ、参考になれば幸いです。
文/高谷みえこ アンケート実施時期:2022年7月 実施人数:2人以上の子育て中の女性50人 実施手段:インターネット