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「左利きは直した方がいい?」利き手の矯正〝医師の意見〟を聞いてみた!!

子どもの健康

2019.11.29

2019.12.03

iStock.com/Lowryn

 

「左利き」の人は、10人に1人の割合で見られます。かつては「しつけの問題」だと思われていたこともあり、幼児期に矯正されることも多かったものです。

いまでも、自分の子どもが左利きの場合、今後の生活のことを考えて「小さいうちに矯正した方がいいのか?」と考える親も多いのではないでしょうか。

しかし現在では、無理な矯正は発育によくないと考えられています。その理由を解説していきます。

 

利き手の多くは生まれつきで、特別な矯正をしない限り、成長の過程で利き手が突然変わることはまずありません。

なぜ利き手の違いが生じるのかは、解明されていない部分も多いですが、現在考えられている説を詳しく見てみましょう。

 

「右利き・左利き」になる理由


 

iStock.com/kool99

 

●脳の仕組みの違い

私たちの「大脳」は物を考えたり、言葉を発したりする機能を司り、右半球・左半球の2つに分かれています。

その全てを常にフルに活動させているわけではなく、特定の動作は大脳の特定の部位によって司られています。近年の研究では「利き手」によって、脳の働く部位に差があることが分かってきました。

例えば「言葉を話すとき」に、右利きの人の95%は左半球が働くのに対し、左利きの人では65%前後。逆に左利きの人の20%は右半球が働き、残り80%は左右の半球が同時に働くことがわかっています。

このような脳の仕組みの違いが「利き手」に関与していると考えられるのです。

 

●遺伝

利き手は遺伝によって決まるとの考え方もあります。多くの双子を対象にした研究では、利き手が決まる要因の約25%は遺伝であるとのこと。

現在の研究では、利き手の決定には40以上の遺伝子が関与していると考えられています(※1)

 

●母親の胎内環境

母親の胎内で浴びた男性ホルモンなどの量や、姿勢によって、利き手が決まるという説もあります。

 

左利きを矯正する影響


 

iStock.com/takasuu

 

利き手が決まる理由については様々な説がありますが、現在最も有力と考えられているのが「脳の仕組みの違い」によるものです。

このため現在では、無理に左利きを矯正すると、脳の機能に混乱を引き起こす可能性があり、子どもの発達によくないこともあるとされています。

具体的にどのような影響が出るのか見てみましょう。

 

●学習や書字の障害

左利きの矯正では、字を覚える過程で右手で書くよう矯正するケースが多いことと思います。

このように無理に字を書く利き手を矯正しようとすると、左右対称のいわゆる「鏡文字」を書く「鏡像書字」と呼ばれる障害が生じることも。

また、字を書くこと自体に苦手意識が芽生えることで、将来的な学力や注意力の低下などが生じる可能性も少なくありません。

 

●強いストレス

利き手は生まれつきのもの。矯正は大きなストレスとなることもあり、どもりや夜尿症の原因となることも少なくありません。

その結果、集団生活に支障が出るばかりでなく、安ぎの場である家庭にストレスがあることで、健全な心の発育にも悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

 

現在では「利き手を矯正しない」という考え方が一般的です。しかし、ハサミなどの道具も左利き用のものを用意しなければならないなど、不便さを感じる場面が多いのも事実です。

矯正を行うか否かは、親がよく相談して決めましょう。行う場合は子どもの様子をよく見ながら、ストレスのかからない範囲で取り組むことが大切です。

 

(※1)Annals of the New York Academy of Sciences 1288 (1): 48–58

 

文:成田亜希子

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