イケメン俳優として平成の時代に人気を集めた五十嵐隼士さん。27歳で芸能界を引退後、飲食店経営などを経て現在は結婚相談所を開いているそう。「特撮ファンを幸せにしたい」という仕事への思いと、お子さんを視野に宮城県仙台市に移住した結婚生活について伺いました。
「特撮ファンを幸せにしたい」結婚相談所を開く今
── 故郷の長野県上田市から引っ越して、現在は宮城県仙台市にお住まいだと伺いました。移住の理由について教えてください。
五十嵐さん:結婚してこれから子どもを視野に入れていこうというときに、奥さんが安心して子育てをできる環境に住もうという話を夫婦でしました。ちょうど、故郷の長野県で障害者の就労支援の仕事を始めて2年が経ち、兄に仕事を任せられるタイミングでもあったので、妻の実家がある仙台に移住してきました。今は、就労支援の仕事のサポートをオンラインでしながら結婚相談所の仕事をしています。

── なぜ結婚相談所を開こうと思ったんですか。
五十嵐さん:結婚してみて、「結婚っていいな」と思ったことです。今は一生の味方ができたような気持ちでいます。結婚相談所を開いたのは、世の特撮ファンの方を幸せにしたいという願いがあったからです。
── なぜ「特撮ファン」を、なのですか?
五十嵐さん:芸能界を辞めてからも僕のファンでいてくださる方々がいて、たびたびオフ会を開いていました。主役を演じた『ウルトラマンメビウス』のファンが多いんですけど、みなさんいわゆる、ウルトラマンや仮面ライダーなどの特撮オタの方なんです。長年顔を合わせているうちにプライベートの話も聞くようになって。「結婚はしてみたい」と言うんですけど、みんな口々に「彼女はいない」「モテない」「女の子としゃべるの苦手」って。働いたお金は全部フィギュアに注ぎ込んでいるそうです。
ウルトラマンや仮面ライダーの話を、特撮に興味がない女の子にすると引かれちゃうらしいんですよね。でも、その話を聞くたび僕は悔しくて。「そんなことない、みんなもっといいところあるぞ!」と声を大にして言いたいです。僕自身、芸能界を引退してからびっくりするくらいモテなくなったんですけど、誰もがその人にしかない強みがあり、絶対に合う人がいると思っています。
芸能界引退後に飲食店の仕事を9年ほどしていて、お客さんと話していると、誰しも自分の武器を持っていると感じることが多くて。趣味の話のように何か特定のものごとについて話すのが得意な人もいれば、精神的な面でつながることが得意な方もいます。結婚相談所は僕の「おせっかい」の延長なんですけど、人のいいところを伸ばしていくお手伝いがしたいと思っています。
引退後「独身のお客さんの話を聞いて結婚を考え」
── 芸能界を引退して、モテなくなったとおっしゃっていました。その理由はなんだと思いますか。
五十嵐さん:モテなくなったのは明らかに太ったからですね。20代は、50キロ後半から60キロくらいだったんですけど、27歳で芸能界を引退してからマックスで103キロまでいきました。今は90キロ台で、100キロはいかないくらい。痩せていたときのことを知っている人が今の姿を見たら「やばいな」って思いますよね。僕も、お風呂上がりに自分を見るたびに同じことを思いますし、ドラマ『ROOKIES』に出ていたころの写真を見たら、我ながら「イケメンだったな」って思いますもん(笑)。
── 芸能界引退後は、どんなことをしていたんですか。
五十嵐さん:引退してすぐ六本木でしゃぶしゃぶ店とカフェをオープンし、そのあと沖縄でバーを経営していました。そのあと、静岡で知人のバーの店長を務め、故郷の長野で兄と一緒に障害者の就労支援の仕事をしていました。『ウルトラマンメビウス』で共演した仁科克基くんが就労支援の仕事をしていて、話を聞いて僕もやってみようかなって。
飲食店時代にうちのお店に来る独身のお客さんの話を聞いていると、自由で楽しそうに見えるものの、やっぱりひとりは寂しそうでした。「自分はどういう年の取り方をしたいか」と考えた結果、「人生を一緒に支え合っていける人がいたらいいな」と思うようになって。そろそろいい年だし、結婚したいなと思っていたタイミングで奥さんと出会えたのが良かったと思います。
妻は「昔より今のほうがいいって(笑)」
── 自身の結婚をきっかけに結婚相談所を開いています。「結婚っていいな」と思われた奥さんとの出会いを教えていただけますか。
五十嵐さん:奥さんとは趣味の音楽活動を通して知り合ったのがきっかけで意気投合しました。彼女なら信用できるし、これから死ぬまで一緒にいたいと思えたことが結婚を決意した理由です。奥さんも同じように思っていてくれていたようで、「ずっと一緒にいたいから結婚した」と言っていました。お互いにふたりで過ごす未来が見えると思っていたようです。

── ちなみに奥さんは、五十嵐さんが芸能界活動をしていたころの姿を見たことありますか。
五十嵐さん:昔の写真を見たことはあると言っていました。でも、奥さんは「今のほうがいい」って。基本的に巨大な生き物が好きで、ディズニーの好きなキャラクターは『モンスターズ・インク』のサリーと、ベイマックス。昔の僕はタイプじゃないようです(笑)。
気になる結婚生活は「いつでも一緒」
── 五十嵐さんが考える結婚の良さはどんなところですか。
五十嵐さん:やっぱり家に帰って話せる相手がいることですね。お酒が好きだった頃はよく出歩いていたんですけど、今では、仕事が終わったらまっすぐ帰って、奥さんと一緒に他愛もない話をしながら夕飯を食べます。仙台に引っ越してきてから友達もいないので、一緒にいるのは奥さんと奥さんの家族、あとは愛犬だけですね。
── 結婚生活はいかがですか。
五十嵐さん:奥さんとはどこに行くのも一緒です。「近くのコンビニに行ってくるね」と声をかけると、特に自分がほしいものがなくても必ずついてきます。そうやって何をするにも一緒に過ごせることが、僕は心地いいんです。
携帯も、奥さんがいつでも見られるようにしています。「そこまでオープンにするの?」と言われることもありますけど、僕は安心してもらえるようにしておきたいんですよね。何かを隠す必要もないですし、見たいときに見られるくらいオープンにしておくことで、「何も心配しなくていいよ」ということが伝わればいいなと思っています。
夫婦って、どちらかが我慢して相手に合わせるというより、お互いが不安にならないように、日頃から安心できる関係をつくっていくことが大事だと思うんです。僕にとっては、そういう小さなことの積み重ねが、夫婦円満の秘訣なのかもしれません。
── 今後の結婚生活の展望はありますか。
五十嵐さん:子どもを望んでいるのと、やっぱり結婚相談所をしているので、自分が結婚に幸せを感じていることが仕事に繋がると思っています。幸せじゃなかったら説得力がないですよね。来月も奥さんと奥さんのお母さんと3人で旅行に行く予定です。仕事とプライベート、両方の時間を大切にしていきたいと思っています。
取材・文:内橋明日香 写真:五十嵐隼士