education201811

虫歯のある子ども(3歳~6歳)の数は、私たちの子ども時代と比べ、近年急激に減少しています。 2歳半検診・3歳半検診で歯科医の検診やフッ素塗布などが受けられる自治体も多く、子どもの歯や口のケアが向上した結果と言えるでしょう。 しかし、気をつけていても虫歯ができてしまうこともありますし、ケガ・生まれつきの原因で歯が正常に生えてこないなどのトラブルで歯医者に行かなければならないことがあります。もちろん定期検診で歯科医に通うことも。 そんな時、子どもが大泣きして治療や診察が受けられなかったら困ってしまいますよね。 今回は、先輩ママの体験談などから、「子どもが安心して診察や治療を受けられる方法」を考えてみました。

歯科医にも匙(さじ)を投げられ…途方に暮れたママの体験談


Yさん(33歳・3歳の男の子のママ) 「息子の保育園で歯科検診があり、虫歯が見つかりました。小児歯科の方が良いかと思い、先日治療に行ったのですが、椅子に寝て口を開ける時点で怖くて大泣きしてしまいました。無理に治療してトラウマになってはいけないので、また次回にしましょうと先生に言われて一週間後に再度行ってみることに。その間、家で何度も言い聞かせたり練習したりしたのですが、いざ椅子の前まで行くとやっぱり怖くて大泣きしてしまいました。こんな調子で、もう4回目なのですがまだ治療がスタートできていません。最近、息子も、泣けばまた今度と言われて逃れられると思っているフシがあります。虫歯の怖さなども、DVDや絵本で教えているのですが…」

 

ママの子ども時代には、まだ押さえつけてでも治療を進める歯科もたくさんあったようです。

 

「私自身が子どもの頃、型を取るのに3人がかりで押さえつけられ、気持ち悪くて嘔吐してしまった。医師にも親にも怒られてそれ以来歯医者恐怖症です…」  「私が幼稚園時代、暴れすぎて研磨用の器具の先端が外れ、なんと飲み込んでしまったという経験があります。母は先生に平謝りでした」

 

というママ自身の体験談も。  現在では、事故防止や子どもが歯医者嫌いにならないようにという配慮から、子どもが嫌がった時は無理やり治療することはせず、何度か通って慣れるのを待つ…という医院が主流です。 でもママとしては、これっていつまで続くの…?こうしているうちに虫歯がどんどんひどくなるのでは?と少し心配になってしまいますよね。

 

いっぽう、治療優先の歯科医院では、大泣きする子どもに厳しい言葉を投げかけられ傷ついてしまうママも少なくありません。

 

Mさん(32歳・4歳の男の子のママ)は、 「息子は、公園で遊んでいる時に転んで、運悪くコンクリートに前歯をぶつけてしまったんです。歯の根の部分が一部折れて、ぐらぐらするため、左右の歯に固定する大掛かりな治療が必要と言われました。でも、息子はケガの痛さと、初めての場所で何をされるのかわからない状況に、泣いて暴れて治療がなかなか始められず…」

 

という事態になってしまったそうです。

 

「歯科医の先生に、こんなことじゃうちでは見られませんとさじを投げられてしまいました。歯科衛生士さんからも、お母さん、ちゃんと言い聞かせて!と強い口調で言われ、私まで泣きそうに」

 

結局、いったん帰宅し、帰ってきたお父さんが息子さんに治療の重要性をもう一度言い聞かせ、度親子3人で受診。なんとか治療を継続できたそうですが、もう少し子どもの気持ちに寄り添ってくれたら…という思いが消えなかったということです。