幼児のうちから子どもに「英語」を習わせる家庭が増えています。

 

「発音は小さいうちこそ身に付く」「遊び感覚で楽しく学べる」「将来必ず必要になる」などメリットはたくさんありますが、教育費の予算もあるし、家庭教育でできることはないのでしょうか…。あぁ、でもやっぱり投資すべき…?

 

海外での子育て経験を踏まえ、子どもたちのことば力を育てるプログラムを開発・提供してきた高取しづかさんに「子どもと英語の関わらせ方」について聞きました。

 

自分のことばで伝える力】と【インプット】の両方が語学力を伸ばす

英語が小学校の教科になり、幼児から英語を習わせることに関心を持っている方はいらっしゃることでしょう。

 

知人のエピソードをご紹介します。5歳の娘が「そのワラをとって!」と言うので「藁(わら)?どこにあるの?」とキョロキョロ。するとその子の弟が「はい、ワラ」と差し出したのが「水」だったそうです。たしかにwaterの米国人の発音は「ワラ」と聞こえます。

 

「子どもの耳ってすごいのね。英語のアニメを観ているからかしら」と知人は話していました。RとLの発音の違いなど、子どもの方が音を聞き発音を真似するのも上手です。小さい頃から英語の音を聞いていれば、自分でも発音出来るようになります。また、英語の雰囲気に慣れることでその後の英語教育がスムーズにいくことも期待されます。

 

私は家族と共に、米国に4年間暮らしていました。はじめは親子とも英語に悪戦苦闘しました。子どもたちは現地校で授業を受け友だちと話し、毎日シャワーのように英語を浴び英文の宿題に追われながら、ようやく英語力がつきました。

 

そのような経験から言えるのは、英語力をつけるには圧倒的な量のインプットと、日本語でも英語でもいいのですが「自分のことばで伝える力」をつけることが必要ということでした。

 

外国ではよく「あなたはどう思ったの?」「なぜそれが好きなの?」と意見を言うように促されます。答えられないのは、英語力の問題ではなく日本語で自分のことばで伝えることができないことに気がつきました。

 

実際に英語を話すときには、英語力以前に、「自分の考えを持つこと」「自分の気持ちや考えを整理して話すこと」「人の話を尊重して聞くこと」「異なる価値観を受け入れること」が、大切です。

 

幼児からの英語教育は、子どもが面白いと思えれば十分、と気楽に考えておきましょう。親が焦ったりできない子どもを責めたりしたら、逆に英語嫌いになってしまいます。英語の子ども向けアニメやYouTube動画を観たり、英語の音楽を聴いたり、楽しく触れることがおすすめです。

 

あわせて、幼児の時から日本語で「自分のことばで伝える力」をつけておくと、本人が必要だと思ってからでも英語力は伸びていきますよ。

 

PROFILE 高取しづかさん

髙取しづかさんプロフィール写真
NPO法人JAMネットワーク代表、ことばキャンプ教室主宰。「子どもの自立トレーニング」をテーマにメディア出演や講演を行っている。『ことば力のある子は必ず伸びる!』(青春出版社)など著書多数。

 

ことばキャンプとは…

人とつき合っていくときにかかせない、コミュニケーションする力のトレーニングプログラム。 米国の学校や家庭で行われていたオーラルコミュニケーション教育と異文化コミュニケーションを分析し、7つのチカラ(度胸力・論理力・理解力・応答力・語彙力・説得力・プレゼン力)を伸ばすために考案された。7つのチカラ引き上げを狙いとしたトレーニングによって、話すチカラ、聞くチカラを楽しく身につけられる。
ことばキャンプ http://kotobacamp.com/

 

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文/高取しづか イラスト/fancomi