【この記事は、CHANTOママライターによるウェブ限定記事です】

 

ライター名:草間小鳥子

 

※うつ病でも、諦めない!妊娠・育児【その3】は

コチラ

をごらんください。

 

私は現在、在職中に発症したうつ病を治療しながら、1歳の息子を育てています。

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今回は、うつ病の治療とは、具体的にどのようなことをしたのか、私の体験をお伝えします。

 

 

とにかく寝たきりの毎日から……

 

休職し、実家へ戻ってから2ヶ月ほどは、外出もせずとにかく一日中寝ていました。まるで、これまで眠っていなかったぶんを取り戻すように。ただ必ず、朝になったらカーテンをあけてもらい、果物と一緒に家族の見ている前で抗うつ剤と安定剤を規定量きちんと飲み、夜は睡眠導入剤を飲み、決まった時間に部屋を暗くして就寝。はじめのうちは、ひたすら休むことで蝕まれた体の機能を回復させていったのです。それに、一番具合が悪い時は、短い文章やメールを読むことも書くことも、電話をかけたり受けたりするなど、とてもできませんでした。

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(↑当時の様子です……)

 

 

薬について

抗うつ剤や安定剤、睡眠導入剤の合う合わないは個人差が大きいです。主治医と相談しながら長い時間をかけて、自分の体に合い、かつ効果のある薬を見つけます。私も、睡眠導入剤はなかなか合うものが見つからず、何種類も試しては変えの繰り返しでした。主治医との相性も大切。どうしても馴染めず、次々と病院を変える方もいます。ただ、ぶじ信頼できる主治医、体に合う薬と出会え、正しく服薬することができる環境がととのえば、治療も半ばといったところ。だいぶ気持ちも楽になってくるはずです。

 

 

昨日と同じ今日、今日と同じ明日

 

規則正しい生活はもちろんですが、「刺激のない日々」、これがもっとも大切です。残念なことに、嬉しいことも、楽しいことも、うつの状態では知らず知らずのうちにストレスとなり、疲労感が増してしまうからです。

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病院から指示された「生活リズム表」に、朝と夕との気分と疲労感の度合い、睡眠時間などを記録し、診察の度に持参しました。

 

体がだいぶ回復してからは、日課として近所の短い散歩を取り入れるよう指導がありました。日光にあたり体を動かすことは、セロトニンというホルモンを増加し、うつ状態から回復する効果があるからです。緑の多い所だと、なお良いのだそう。私は、これまで足早に通り過ぎるばかりだった風景を新たな気持ちで眺めなおし、さまざまな音に耳を澄ましながら、ゆっくりと歩きました。さらに、図書館で短い作業をするという日課も加わり、徐々に心身をもとの社会に慣れさせていきました。

 

私はその方法はとりませんでしたが、復職へ向けて継続して施設へ通うリワークプログラムというものもあるので、主治医と相談するといいでしょう。

 

そうだ、結婚しよう!

 

それは突然の決断でした。休職前、ひどいうつ状態のなか自ら別れを切り出してしまった遠距離恋愛中だった恋人に、とても会いたくなったのです。自宅療養も4ヶ月ほど経ち、相変わらず気分の落ち込みはあったものの、以前よりいくぶんか自分らしさを取り戻したように感じました。自分勝手な行動を謝りたいと思ったのです。それまでは自分のことでいっぱいいっぱいで、他人の気持ちを考えることなどできませんでした。体が回復してきた証拠だったのかもしれません。連絡を取ってこちらから会いに行きたいと伝え、「会ったところでもう前のように一緒にいることはできないだろう」と半ば諦めの気持ちを抱えて新幹線に乗り込んだのですが……彼は、新大阪のホームで花束を持って立っていました。

 

婚姻届を提出したのは、復職とほぼ同じ時期。2013年秋のことでした。

 

(続く)