6月から大手電力各社が料金の値上げを実施し、夏の電気代高騰を心配する人も多いでしょう。「電気代より要注意の支出があります」と、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。それはいったい?

 

「暑いからシャワー」の人ほど水道代に注意

6月1月より大手電力7社の電気料金が値上げされ、東京電力でいえば平均15.90%の値上げ幅です。夏はエアコンの利用など電力需要が高まるいっぽう、節電意識をもつ人も多く、今年9月までは電気・ガス料金の負担を軽減する政府支援も受けられます。

 

電気代より注意しなければならないのは、あまり意識していない別の支出です。相談例を分析すると、夏はとくに「水回り」の支出に対する意識が低いように感じました。

 

暑さでお風呂よりシャワーを選び、家族が1日に何回もシャワーを浴びる家庭は少なくないのではないでしょうか。朝起きて汗でベタベタだからとシャワー、帰宅後も汗を流すためにシャワー、就寝前にさっぱりするためにシャワーといった感じです。

 

シャワーは3分で約36リットルの水を使います。お風呂一回分が140~200リットル程度ですから、のんびり20分近くシャワーを浴びると、お風呂1回分の水道代を上回ってしまいます。それが日に何度も繰り返されたら、水道の使用量は大変なことになりますよね。

 

シャワーだけではありません。夏は汗をかいて衣類の着替えが多くなり、それにともなって洗濯の回数も多くなります。すると必要的に水道の使用量は増えます。

 

郊外や地方の場合、持ち家の庭に毎日水をまいたり、子どもの水遊びのためにプールを作ったりと、水道の水を消費するケースも考えられるでしょう。こうして水道代はかさんでいくのに、電気・ガス料金と違って政府援助を受けられません。

夏休みで子どもが家にいることで増す出費とは

ほかでは、夏休みで子どもの学校が休み中、子どもが家にいることで昼ご飯を簡単にすませるわけにはいかず、子どものために作ったり、たまに外食になったり。他の月より食費がアップするという相談者の声をよく聞きます。

 

食費のほかに、子どもが塾に通っている場合は夏期講習にかかるお金の負担が重いようです。教育費は聖域化しがちなだけに、気づけば、ひと夏でウン十万円というケースもあるようです。

 

さらに、統計データからわかった要注意の支出があります。総務庁の家計調査では、炭酸飲料、コーヒー、ミネラルウォーターなどの飲料支出額が7〜8月に突出して増えています。つい買ってしまう飲料代もばかにならないわけです。夏は水分を欲するあまり清涼飲料の購入回数が多くなりませんか? 

 

以上のように、夏に無意識に増える支出はたくさんあります。頭に入れておき、意識してブレーキをかけるようにしましょう。

 

監修/横山光昭 取材・構成/百瀬康司 イラスト/村林タカノブ