主夫として過ごして気づいた育児の大変さと、妻への配慮不足

——育休取得後すぐに奥さんは職場復帰されたとのこと。約40日間、奥さんのサポートが少ない状況で、家事と育児に向き合うことに対しての不安はありませんでしたか?

 

坂井さん:

いざ休みが始まって数日間は仕事の連絡があり、心配になることもありましたが、しばらくすると連絡の回数も減り、「仕事のことはチームメンバーに任せよう」と切り替えることができました。休みを取得してすぐに妻が職場復帰したので、仕事に気を回す余裕がなかったというのも正直なところです。

 

家事と育児については、休業取得の1か月前あたりから、「予行練習」として、妻に色々教えてもらいながら子どもと過ごすようにしました。調味料の場所すらわからない状態でのスタートでした。朝の支度、食事の用意など、「いつ何をやるのか」「必要なものはどこにあるのか」を確認しながら休業に備えました。「妻の仕事も始まる、自分の休みも申請した…もう、やるしかない!」と必死でしたね。

 

4月に入ると保育園の「慣らし保育」が始まり、最初の一週間は午前保育、二週間目からは昼ごはんの後にお迎えです。子どもの朝の支度で何をすべきか、登園に必要な荷物は何か事前に確認してはいましたが、いざ保育園が始まると朝はバタバタ。保育園に子どもを送り届けた瞬間に、着替えなどの荷物を丸ごと忘れたことに気づいたり、お昼ご飯を保育園で食べる予定の日に、子どものご飯を準備してからお迎えに行ってしまったり(笑)。

 

4月末には夕方までフルで保育園に預けられるようになったので、日中は家事に専念。「休業期間は専業主夫」という気構えで、職場復帰したばかりの妻には、極力負担をかけないようにと思って家事と育児に向き合いました。

 

子どもについても、「保育園で刺激をたくさん受けて帰ってきたらぐずるかな、体調を崩すかな」という心配もしていましたが、そんなこともなく…。覚悟していた分、肩透かし食らった感じでした(笑)。

 

——子どもの適応力はすごいですね!集中して家事と育児に向き合って、気づきや学びはありましたか?

 

坂井さん:

育児の大変さを一番に実感しましたね。子どもは常に予想外のことをしでかしますし、予定通り進まないことなんてしょっちゅう。でも失敗から学ぶことも多かったです。子どもと一緒に出かけた時「家の近くだから」と手ぶらで行ったのですが、途中で「お漏らし」、さらに「喉が渇いた」と言われて…。以降は近所に出かけるときでもフル装備で出かけるようになりました。

 

それから、一日の家事のほとんどを自分で行うようになって、「休業以前の私は、妻に対して思いやりに欠けていたな」と気づかされました。好きな時間まで仕事をして、帰宅後は用意されたご飯を食べる…家事も育児も1割もやってなかったように思います。

 

休業前の準備の一環で、会社から配布された「家族ミーティングシート」を活用していたので、一日の家事と育児のボリュームは想像していましたが、実践してみるとその大変さを目の当たりにすることに。妻に対して「今までごめん」という気持ちでした。

 

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