男性の働き方の変化が家事や育児に対する意識も変える

コロナ禍によって働き方が変わったのは男性も同じ。在宅ワークに切り替わり、残業を前提とした長時間労働ができなくなったことで、家事や育児に使える時間が増えた人もいます。

 

アンケートの回答を見ると、家事分担が変わったと答えた人は41.5%。半数近くの人が変わったと答えていました。

もともとCHANTOの読者は共働きをしている人が多いため、コロナ禍以前から家事分担をしていたという家族も少なくありませんが、半数近くの回答者が変化を感じたようです。

 

これは、育児分担についても同じことが言えます。

とくに、育児は家事よりも元々の分担率が高かったため、「いいえ」と答えた人の方が割合が高くなっています。

 

これまでは男性が家事や育児に関わりたいと思っていても、仕事で長時間拘束されるために関われないということが当たり前でした。しかし、時間的制約がなくなったことで、元から家事・育児に関わりたいと思っていた人は積極的に関わることが可能になります。また、男性の長時間労働が「当たり前」でなくなれば、いまだに根強く残る「家事や育児は女性の仕事」という認識も変わっていく可能性があります。

 

CHANTO読者の声

「元々は家事も育児も私がほとんどやっていました。在宅勤務になったことで、夫も仕事の合間に家事をやってくれたり、子どもを見てくれるように。今では毎朝朝食を夫が作ってくれていますし、下の子は夫がメインで面倒を見ています」(33歳/会社員/夫33歳、長男5歳、長女1歳
夫が在宅ワークになったことで仕事が捗るらしく、食器洗いと子どものお風呂を担当するようになりました。特にお風呂の担当が夫になったのはありがたいですね。その間に家事を進めたり、プチ自由時間がとれるので!」(29歳/公務員/夫30歳、長女5歳、次女2歳、8月三女誕生予定

 

働き方が変わらなかった人だっている 

今回のアンケートの回答者のうち、35%は働き方が変わっていないと答えています。その多くが、医療従事者や介護業界、あるいは保育士や教員など子どもの教育に関わる仕事、そしてスーパーなどの食品を扱う仕事をしている人たちでした。また、「変わった」と答えた人のなかには、休業を余儀なくされたり、仕事そのものがなくなってしまった人もいます。

 

現在「新しい働き方」という言葉は、オフィスワーカーのリモートワークを指す際に使われることが少なくありません。しかし、本来は全ての働く人が「新しい働き方」を見つけられることが大事なはず。置いてきぼりになってしまう人がないように、様々な「新しい働き方」が認められるべきです。

 

CHANTO読者の声

「イベントスタッフをやっていたためコロナ禍で仕事が減り、収入も減りました。今後は職場全体での情報共有を徹底することで、誰かが休んでも別の人がフォローできるような体制に変わっていくといいなと思います」(39歳/イベントスタッフ/夫40歳、長男11歳、次男8歳
「食品を販売する仕事だったので、コロナ禍であっても仕事は変わりません。コロナ禍前から店側の作るシフトの通りに出勤することが求められ、休みも取りにくくて…。今後は休みが取りやすくなってほしいです」(37歳/パート/夫38歳、長男16歳、長女13歳

「働き方改革」を次のステージへ

コロナ禍をきっかけに、少しずつ見直されつつある私たちの働き方。今回のアンケートでは、働き方が変わった人からも変わらなかった人からも「新しい働き方」についての期待が寄せられていました。

 

誰もが働きやすい働き方を選べるような社会を作っていくために、ただリモートワークに切り替えるだけでなく、副業解禁や、保障や手当の充実、週休の見直しなど、これまで以上に多様な視点で考えていく必要があります。 https://twitter.com/CHANTO_magazine/status/1276438849611116548

イラスト/絵と図 デザイン吉田